夕方、強い眠気に襲われることはありませんか?この記事では、その原因と考えられる病気、眠気対策とおすすめアイテムをご紹介します。
なぜか午後になると強い眠気に襲われ、仕事や勉強に集中できなくなることはありませんか?昼食後の眠気は誰にでも起こりえるものですが、いつも夕方に眠くなる場合、生活習慣や身体の不調が関係している可能性があります。
特に、睡眠不足や血糖値の変動、脳の疲労が原因となることが多く、場合によっては睡眠障害や糖尿病などの病気が影響していることも。
この記事では、夕方に眠くなる原因や考えられる病気、効果的な眠気対策を詳しく解説します。日中のパフォーマンスを向上させ、スッキリとした夕方を過ごすために、ぜひ最後までチェックしてください。
夕方眠くなる主な原因とは?

なぜか夕方にいつも眠くなる方は、まず原因から探っていきましょう。ここでは考えられる6つの要因をまとめました。
- 睡眠不足だから
- 睡眠の質が低いから
- 体内時計が乱れているから
- 血糖値スパイクが起こるから
- ストレスがたまっているから
- 薬の副反応が出ているから
睡眠不足だから
睡眠不足が続くと日中のパフォーマンスに大きな影響を与えます。厚生労働省が公表している「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」では、成人の理想的な睡眠時間として6〜8時間を推奨していますが、あくまでも一般的な目安です。実際には、個人の生活リズムや身体の状態、年齢などによって、適切な睡眠時間は異なります。
例えば、6時間未満の睡眠でも十分に休息が取れ、昼間も快適に過ごせる方がいる一方で、8時間以上の睡眠を取らないと体調を崩してしまう方もいます。大切なのは睡眠時間にとらわれすぎず、自分の身体と向き合い、最適な睡眠時間を見つけることです。
下記の記事では、理想の睡眠時間の見つけ方をご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
理想の睡眠時間はどのくらい?最適な時間の見つけ方と確保の仕方
睡眠の質が低いから
睡眠の量だけでなく、その質もまた心身の健康に影響を与えます。たとえ推奨される睡眠時間をとっていたとしても、睡眠の質が低い場合、十分な休息が得られません。この状態が続くと、午後から夕方にかけて強い眠気を感じることがあります。
質の低い睡眠とは、深い睡眠(徐波睡眠)が十分に確保できていない状態を指し、夜中の度重なる中途覚醒や、環境要因による睡眠の妨げなどによって引き起こされると考えられています。
そのため、単にたくさん寝るのでなく、睡眠環境を整えて睡眠の質を向上させなくてはなりません。
体内時計が乱れているから
人間の身体には約24時間周期で働く体内時計が存在し、睡眠と覚醒のリズムをコントロールしています。体内時計は、私たちの生理機能を適切なタイミングで働かせる役割があり、睡眠・覚醒のサイクルだけでなく、体温やホルモンの分泌などもこのリズムにしたがって調整されています。
『Neuroscience Letters | Vol 280』に掲載された研究によると、通常、朝の光を浴びることで体内時計がリセットされ、15〜16時間後に自然な眠気が訪れることが明らかになっています。これが体内時計の仕組みです。
しかし、起床直後に十分な光を浴びないと、体内時計のリセットがきちんとおこなわれず、その結果として就寝時刻が徐々に遅くなっていきます。
体内時計の乱れは、不眠や日中の眠気、集中力の低下といった身体的な不調をきたす原因となります。
参考:
睡眠・覚醒リズム障害|e-ヘルスネット
体内時計|e-ヘルスネット
血糖値スパイクが起こるから
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇する現象を指します。医学的には、食事摂取から2時間後の血糖値が140mg/dl以上になった場合を血糖値スパイク(食後高血糖)と定義しています。
体内でのインスリンの分泌量が不足しているときや、分泌されたインスリンの効果が十分に発揮されないときに起こりやすいのが特徴です。
インスリンは血糖値を正常にコントロールするホルモンですが、その機能が低下すると食後の血糖値が急激に上昇します。
血糖値スパイクの危険性は、自覚症状がほとんどないにも関わらず、血管に持続的なダメージを与え続けることです。この状態が継続すると、糖尿病の発症リスクが高まるだけでなく、心臓病や脳血管疾患などの様々な合併症のリスクがあります。
さらに、血糖値スパイクになると食後に強い眠気を感じたり、だるさや頭痛といった不快な症状が出たりすることが多くなります。
ストレスがたまっているから
睡眠、食事、運動は健康的な生活を送るうえでの三大要素として広く認識されていますが、そのなかでも睡眠はストレスと密接な関係にあります。
ストレスというと、職場での人間関係や業務上の負担など、外部からの圧力を想像しがちです。しかし、十分な睡眠が取れないということ自体が、大きなストレスとなります。
ストレスの原因となるのは以下のような項目です。
- 仕事や人間関係の悩み
- 介護や看護の悩み
- プライベートがうまくいかない
- 寝ようと思ってもすぐに眠れない
ストレスを受けると、脳内でコルチコトロピン(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌されます。このホルモンには睡眠を抑制する作用があり、その結果、質のよい睡眠を妨げる要因となります。
薬の副反応が出ているから
薬を飲んだあとの眠気は、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。薬には眠気を感じさせる成分が配合されていることがあります。
なかでも花粉症の治療薬として広く使用されている抗ヒスタミン薬が代表的です。抗ヒスタミン薬は主に、アレルギー反応の原因となるヒスタミン受容体の機能を抑制する働きをします。
この作用によってアレルギー症状は改善されますが、同時に脳の活動を活性化させる働きも抑えられてしまいます。薬を服用する前に、眠くなりやすい成分が配合されているかを一度チェックしましょう。
夕方眠くなるときに考えられる主な病気
夕方眠くなるという現象が続いている方は、場合によっては病気が隠れているかもしれません。ここでは考えられる病気をご紹介します。
- 睡眠相前進症候群
- 睡眠時無呼吸症候群
- 概日リズム睡眠・覚醒障害
- ナルコレプシー
- うつ病などの精神疾患
睡眠相前進症候群
睡眠相前進症候群とは、体内時計が通常よりも前倒しになることで、夕方早い時間に眠くなり、早朝に目が覚めてしまう睡眠障害の一種です。
そのため、社会生活とのリズムが合わず、日中の活動に支障をきたすことがあります。特に高齢者に多く見られ、遺伝的要因も関与しているとされています。睡眠相前進症候群かどうかの目安としては、眠りたい時間の2〜3時間前には寝てしまうかで判断されることが多いです。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する睡眠障害です。睡眠と同時に呼吸が停止し、それにともなって血液中の酸素濃度が低下します。
酸素濃度の低下により、身体は反射的に覚醒して呼吸を再開しますが、再び眠りにつくと同じサイクルが繰り返されるという危険な病気です。
例えば、酸素不足を補うために心臓に過度の負担がかかり、その結果として高血圧を引き起こします。
また、慢性的な酸素濃度の低下は動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。症状は一晩中継続して発生するため、深い睡眠を十分に取れず、結果として日中に強い眠気を感じるでしょう。
概日リズム睡眠・覚醒障害
体内時計は睡眠と覚醒のリズムだけでなく、体温の変化やホルモンの分泌、免疫機能など、様々な生理機能を約1日周期で調整しています。これが概日リズムです。
興味深いことに、実は人間の体内時計は約25時間周期で動いています。つまり、毎日約1時間のズレが生じるということです。ただし、私たちの身体はこのズレに対して、光を浴びることで修正しています。
また、食事の時間や運動、仕事や学校に行くといった日常的な活動も、体内時計の調整を助けます。
しかし、概日リズム睡眠障害がある方は、体内時計の調整がうまくいきません。その結果、眠るべき時間に眠れなかったり、起きるべき時間に強い眠気を感じたりするなど、日常生活に支障をきたす状態が続きます。
ナルコレプシー
ナルコレプシーとは、日中に強い眠気や突然の眠りに襲われる睡眠障害を指します。脳の覚醒を維持する機能に異常が生じ、十分な睡眠をとっていても、日中に耐えがたい眠気を感じたり、突然眠り込んでしまうことがあります。
症状の一例は以下の通りです。
- 突然身体の力が抜ける
- 大切な会議なのに眠ってしまう
- 寝入りばなに幻覚を見る
- 金縛りのように身体が動かなくなる
ナルコレプシーは、脳内のオレキシンという覚醒を司るタンパク質の不足が原因とされています。
また、ナルコレプシーに関して詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。
ナルコレプシーとは?原因・症状となりやすい人の特徴
うつ病などの精神疾患
うつ病と睡眠障害には密接な関連があり、うつ病患者の多くが質の悪い睡眠を経験しています。
うつ病の特徴的な症状は以下の通りです。
- 寝つきが悪い日が続く(入眠困難)
- 夜中に何度も目が覚めてしまう状態(中途覚醒)
- 朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)
特に早朝覚醒は、うつ病に特徴的な症状として知られており、診断の際に必要な指標となっています。
また、うつ病患者の睡眠では、深い睡眠である徐波睡眠が減少し、全体的に浅い眠りとなる傾向があります。さらに、悪夢を頻繁に見るという症状を訴える方も多いようです。
起床時の強い倦怠感は、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させる要因となるため注意しなくてはなりません。また、入眠困難が続くことで、睡眠と覚醒のリズムが乱れ、昼夜が逆転してしまうケースも見られます。
中途覚醒に関して詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。
【医師監修】中途覚醒とは?夜中に何度も目が覚める原因と治し方について
夕方眠くならないための対策5選

夕方に眠くならないために、下記で紹介する5つの方法を試してみてください。
- カフェインを摂る
- 背伸びストレッチをする
- ツボを押す
- 仮眠する
- 医療機関を受診する
カフェインを摂る
脳内で蓄積される睡眠物質は、眠気を引き起こす自然なメカニズムです。カフェインはこの睡眠物質の働きを一時的に抑えることで覚醒効果を発揮します。カフェインの覚醒作用は5〜8時間持続し、体内から完全に排出されるまでには数日を要することもあります。
特に注意したいのは、カフェインの半減期が約4時間であることです。半減期とは体内で成分濃度が半分になることをいいます。良質な睡眠を確保するには、半減期を踏まえ、寝る4時間前からカフェインの摂取を控えるのがおすすめです。
なお、カフェイン=コーヒーをイメージする方が多いですが、その他の飲料にも含まれているため注意してください。
飲み物の種類 | カフェインの量 |
---|---|
玉露 | 160mg/100ml |
コーヒー | ドリップ式:60mg/100ml インスタント:57mg/100ml |
紅茶 | 30mg/100ml |
ウーロン茶 | 20mg/100ml |
エナジードリンク | 32〜300mg/100ml |
参考:カフェインと睡眠|NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
過剰なカフェイン摂取は、睡眠の質を損なうだけでなく、不眠や不安などの問題を引き起こす原因となるため、適切な量と摂取タイミングに注意を払うことが重要です。 また、カフェイン摂取の上限に関して下記でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
睡眠とカフェインはどう関係する?カフェイン摂取の上限とは?
背伸びストレッチをする
夕方に強い眠気を感じるときは、副交感神経が優位になっている状態かもしれません。眠気を解消するためには、交感神経を活性化させる必要があり、身体を動かすことが効果的な方法の一つです。
以下は仕事中や自宅でも手軽にできるストレッチです。ぜひ試してください。
- リラックスした状態で背筋を伸ばす
- 両手を組んで頭上に高く伸ばし、てのひらを天井に向かって押し上げる
- 右腕を胸の前に伸ばす
- 反対側も伸ばす
コツは声を出しながらゆっくりストレッチすることです。数回繰り返すと血行が促進され、眠気を抑えられます。
デスクワークの合間に実施すれば、眠気対策だけでなく肩こりの予防にも役立つでしょう。
ツボを押す
東洋医学では、身体に361ものツボが存在するといわれており、そのなかでも眠気を抑制するのに効果的なツボがいくつかあります。
以下の主要なツボの刺激は、眠気覚ましにおすすめです。
睛明
睛明(せいめい)は、目の内側の窪みにあるツボです。親指の腹を使って軽く押すことで、目の疲れを和らげ、眠気を抑えます。皮膚がやわらかいため、強く押さえつけないようにしましょう。
太陽
太陽(たいよう)は、こめかみにあるツボです。中指で軽く押すことで、目や頭の疲れを取り覚醒を促します。
風池
風池(ふうち)は、首の後ろと耳下の後ろにある窪みです。両手の母指で左右同時に軽く押し上げて、マッサージすることで首の緊張をほぐし、頭をすっきりさせます。
百会
百会(ひゃくえ)は、頭頂部にある少し凹んだツボです。指先で軽く円を描くようにマッサージすることで、ストレスや不眠を解消します。
合谷
合谷(ごうこく)は、親指と人差し指の付け根にある部分です。反対の手の親指で押すことで、精神状態が安定し首や肩こりを改善します。
これらのツボは、1回につき3〜5秒程度、優しく刺激するのがポイントです。強く押しすぎないよう注意してください。
仮眠する
仮眠は仕事の効率を向上させますが、60分を超えると反対に深い睡眠段階に入ってしまい、起床後にかえって強い眠気を感じる原因となります。
この問題を解決する有効な方法として、カフェインを摂取してから仮眠をとることをおすすめします。
カフェインは摂取後約30分で覚醒作用が現れ始めるため、仮眠前にカフェインを摂取することで、仮眠から目覚めるタイミングと覚醒効果が重なり、眠気対策につながります。
参考:日常生活の中におけるカフェイン摂取-作用機序と安全性評価-|栗原久
特にこの方法は交替制勤務の方におすすめです。
また、その他にも眠気を解消する方法を下記でご紹介しています。ぜひご覧ください。
【医師監修】いますぐ眠気を覚ます方法12選!瞬時にできる眠いときの対処方法について
医療機関を受診する
これまでご説明したような眠気対策を実践しても、なお夕方の強い眠気が改善されない方は、睡眠時無呼吸症候群や概日リズム睡眠・覚醒障害、うつ病などの可能性も考えられます。
眠気が続くときは、専門的な治療を必要とする状態かもしれません。ご自身の健康のために、睡眠専門外来や精神科など、医療機関での受診をおすすめします。専門医による適切な診断と治療により、症状の改善が期待できるでしょう。
睡眠の質を寝具で改善しよう!ブレインスリープのアイテム
夕方の眠気は睡眠の質が低いことが原因の一つです。ぐっすり快眠できるように、自分に合った寝具を選ぶのも大切です。ここではブレインスリープの商品をご紹介します。
また、その他にも睡眠の質を高める方法を下記で紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
睡眠の質を上げる方法とは?質の決まり方や質を下げてしまう原因も解説
ブレインスリープ ピロー
ブレインスリープ ピローは、頭の形や寝姿勢に合わせてパーソナライズされた枕です。構造の90%以上が空気層で構成されているため、睡眠中に生じる熱や湿気を排出して快適な睡眠環境を維持します。
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夕方眠くなる原因と対策を知って健やかに過ごそう
夕方の眠気は、睡眠の不足や質の低下、ストレス、体内時計の乱れ、睡眠時無呼吸症候群など、様々な要因が関係しています。
これらの問題に対しては、規則正しい生活リズムを維持したりストレスを解消したりと対策を取る必要があります。また、良質な睡眠を得るためには、睡眠環境の見直しも重要なポイントです。
ブレインスリープでは、科学的な研究に基づいて開発された製品を多数ご提供しています。枕やマットレス、ウェアなど豊富なラインナップで、より質の高い睡眠をサポートします。
各商品の詳細は、こちらのページからご覧ください。
ブレインスリープの商品一覧