眠りが浅いのはなぜ?目が覚めてしまう原因と改善ポイント4つ

眠りが浅いのはなぜ?目が覚めてしまう原因と改善ポイント4つ

睡眠コラム

眠りが浅いのはなぜ?目が覚めてしまう原因と改善ポイント4つ

不眠 快眠・安眠
仕事・家事・子育てなど、忙しい日々の中で、毎日しっかり睡眠時間を確保するのは難しいもの。特に平日はあまり眠ることができない……という人が多いのではないでしょうか。 そこで、今回は寝付きが悪い、眠りが浅く夜中に何度も起きてしまう、起床時に眠気や倦怠感を感じるなどの悩みをお持ちの方のために、眠りが浅くなってしまう原因や、その改善法をご紹介します。
<監修>

中島 正裕

理学博士/株式会社ブレインスリープ取締役CFO/睡眠健康指導士上級

1983年山口県出身。2007年東京大学理学部物理学科卒業、2012年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学博士)。 株式会社ブレインスリープには2019年5月の設立時より取締役として参画。CFOとして財務面の統括及びパートナー企業向けの睡眠コンサルティング関連事業に加えて、睡眠偏差値として公表している睡眠関連疫学調査の結果を基にした睡眠研究や企業向け健康経営サポート業務も担当。2021年11月に睡眠健康指導士上級資格を取得。

眠りが浅い人は意外と多い!?

厚生労働省が行った調査(※1)によると、「ここ1ヶ月間、あなたは睡眠で休養が十分とれていますか。」の問いに対して、「まったくとれていない」または「あまりとれていない」と回答した人の合計が、男性 19.7%、女性 19.6%となり、性・年齢別にみると、30代男性が最も多く28.4%という結果に。 つまり、日本全体では約5人に1人、30代男性に関しては約4人に1人は睡眠の質に満足できていないことがわかります。ただし、睡眠の質が悪いことを自覚していない人もいると考えると、実際はさらに数は多いかもしれません。 ※1:厚生労働省平成28年「国民健康・栄養調査」

睡眠のメカニズム"黄金の90分"とは?

“眠り始めの90分の質が悪いと、その後何時間寝ても睡眠の質が悪い”とまで言われているほど、入眠後の90分は重要なため"黄金の90分"と呼ばれます。その理由は、この黄金の90分の睡眠が深ければ深いほど、眠りたいという欲求である“睡眠圧”が放出され、自律神経とホルモンのバランスが整えられるからです。

ノンレム睡眠とレム睡眠の関係

睡眠には、“ノンレム睡眠(脳も体も熟睡している状態)”と“レム睡眠(体は休んでいるが、脳は起きている状態)”の2種類があります。 個人差はありますが、一般的に、入眠直後は、脳も体も眠っている“ノンレム睡眠”の状態です。そして入眠から約90分後に、脳は起きているが体は眠っている“レム睡眠”に変わります。その後は約90分ごとにノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返します。このような約90分の周期が、一晩に4~5回繰り返され、睡眠の前半3時間は深いノンレム睡眠が多く、明け方に近づくにつれ、レム睡眠が多くなっていきます。

"黄金の90分"の質を高めるとコンディションが良くなる

皮膚や骨、筋肉などの体に必要な要素を作るほか、細胞増殖や正常な代謝促進、アンチエイジングなどの大切な役割も果たすと言われているグロースホルモン(成長ホルモン)が、“黄金の90分”をしっかり深く眠ることでより多く分泌されたり、その後の睡眠の質も改善されるため、全体のスリープサイクルも整います。 一方でノンレム睡眠が浅かったり、レム睡眠の割合が多いと、長時間眠っても脳が十分に休まりません。また、夜中にちょっとした光や物音で目が覚めてしまうことが増え、目覚めたときの熟睡感が得られにくくなります。 脳と睡眠の関係ははっきりしないこともまだまだ多いですが、うつ病や統合失調症の患者は最初のノンレム睡眠が不十分なまま、すぐにレム睡眠が出現することがわかっています。こうしたことからも、最初のノンレム睡眠の質は非常に重要なのではないかと考えられています。

アテネ不眠尺度(AIS)で不眠症判定をしてみる

WHOが作成した、不眠度の判定を行えるアテネ不眠尺度をご紹介します。不眠症かどうかが心配、眠りが浅く満足感が足りない、長時間寝ても疲れが取れない、といった人は8つのセルフチェックを試してみましょう。 過去1か月間で、少なくとも週3回以上経験したものを選択し、右のスコアの合計を計算してみてください。 いかがでしたか?スコアの合計が4点未満の人は、良質な睡眠をとれていると言えます。 4~5点の人は、やや不眠症の疑いがあるので、心配なら専門医に診てもらいましょう。 6点以上の人は、不眠症の可能性が高いので、無理をせずに専門医に診てもらいましょう。

眠りが浅い原因とは?

常習的に睡眠の質が悪いと、集中力や記憶力、判断力などが低下して仕事や日常生活のパフォーマンスが落ちてしまうため注意が必要です。しかし、自身の睡眠の質が悪い原因がわからないケースも多いと思います。ここでは代表的な原因をみていきましょう。

1:ストレスや不安といったメンタル面

通常、日中は交感神経が、睡眠時は副交感神経が優位に働くのですが、仕事や日常生活で感じるストレスにより自律神経のバランスが崩れてしまうと、眠ろうと思っても交感神経が優位に働き、不眠を引き起こし、睡眠の質を下げてしまいます。

2:生活習慣の乱れ

就寝前に、スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトを浴びると、質の高い睡眠に不可欠なホルモンの“メラトニン”を減らしてしまいます。さらに、眠気が弱まって寝付きが悪くなるので、就寝の1〜2時間前はデジタルデトックスをしましょう。

3:寝具や寝室が最適でない

部屋の温度や湿度が不快、明るすぎる、騒音がひどい、といった環境ではスムーズに入眠できず、やっと寝付けても途中で目を覚ましてしまう原因に。また、寝具が自分の体に合っていないと体が休まらず、疲労回復の妨げになってしまいます。

4:深部体温が下がらない

人の体は、日中は活動するために体温が高く保たれていますが、睡眠時は深部体温(体の内部の温度)を下げることで眠くなり、脳や体をしっかり休息させる仕組みになっています。 その際、皮膚表面から熱を逃がすことで深部体温を下げますが、寝具によっては体に熱がこもってしまい、寝付きが悪く、良質な睡眠を得にくくなります。

眠りが浅い人に見られる傾向

眠りが浅い人によく見られる傾向としては、起床時からの疲労感や倦怠感、日中の強い眠気などが挙げられます。仕事場で怒られるような悪夢を見てしまう場合は、日中のストレスが溜まっているのかもしれません。 また、体内時計のリズムが乱れている人や、自律神経のバランスが乱れている人、ストレスが溜まっている人、就寝前に過剰な飲酒習慣のある人なども、眠りが浅くなりやすいので注意しましょう。

眠りが浅くて疲れが取れない時はどうしたらいい?改善法や対処法

睡眠の質のアップのために見直すべきポイントを4つご紹介します。睡眠の質が悪いと感じる方はぜひ試してみてください。

1:まくらの見直し

睡眠時に、立っている時と同じような正しい首のカーブを再現することで、日中、ダメージを受けた首の修復をすることができるので、睡眠時の姿勢を意識しましょう。もし高さや硬さが合わない枕を使用した場合、ダメージを回復するどころか、悪化させてしまう可能性があります。 また、入眠時の深部体温を約1度下げることで、寝付きが良くなります。脳をしっかり冷やすことで睡眠の質を高めることができるので、通気性のいい枕を使用しましょう。

2:生活習慣(リズム)の見直し

深部体温は、“上げた分だけ下がる”という性質があるので、就寝の1〜2時間前に38〜40℃のぬるめのお風呂に入浴して、一時的に体温を上げ、睡眠時に下がるように調節しましょう。 ぬるめのお湯は副交感神経を優位にするので、心身ともにリラックスして寝付きが良くなります。また、体が温まって末梢血管が広がると、手足からの熱放散がスムーズになるので、基本的には就寝時には靴下などは履かない方が深い睡眠に入ることができ、睡眠の質が高まります。 一方、42℃以上の熱い湯に浸かると交感神経が優位となり、眠りにつきにくくなってしまいます。熱いお湯は気分がスッキリして疲れがとれた感じがしますが、入眠前の入浴にはオススメできません。

3:室温と湿度の見直し

夏は室温26℃程度が良いとされ、28℃を超えると睡眠の質が低下します。一方、冬は16〜19℃が安定した睡眠を得られると言われています。また、湿度は50〜60%が理想的です。 眠る1〜2時間前からは、スマートフォンやパソコンの画面を見るのをやめ、やや暗めの暖色系の光の中で過ごすと寝付きがよくなります。睡眠中は暗いほどよいとされているので、真っ暗な状態が不安な人は暗めのフットライトを使用するのがオススメ。また、朝は太陽の強い光を浴びることで、スッキリと目覚めることができます。

4:食習慣の見直し

就寝前の食事や飲酒、コーヒーなどカフェインが含まれている飲み物を摂取すると、深い眠りを妨げてしまうため控えましょう。また、日光を浴びない生活や電気をつけたままの就寝は、睡眠ホルモンである“メラトニン”の分泌を抑制すると言われているので止めるようにしましょう。

浅い眠りから、深い眠りを獲得するために

眠りが浅いと、長時間眠っても十分な休息感を味わうことができず、日中のパフォーマンスが落ちてしまいます。いつものことだからと放置せず、原因究明や対策をして、満足度の高い、深い眠りを手に入れましょう。
一覧に戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。

PICK UP

RELATED ARTICLE

関連記事

PICKUP ARTICLE

編集部おすすめ

寝すぎで頭痛が起こる原因とは?タイプ別の治し方や予防策について

寝すぎで頭痛が起こる原因とは?タイプ別の治し方や予防策について

睡眠コラム

「寝すぎて起きたら頭痛がした。」という経験はありませんか? 睡眠には疲労回復の効果がありますが、実は必要以上の睡眠時間をとるいわゆる「寝すぎ」はかえって体に負担となり、身体の不調の原因となることがあります。 そこでこの記事では、寝すぎで起こる頭痛の種類や原因を解説し、さらにその治し方や予防策をまとめました。 寝すぎたときの頭痛のタイプと原因 寝すぎで起こる頭痛には主に、片頭痛(偏頭痛)と緊張型頭痛の2種類があります。 片頭痛の原因は完全には解明されていないものの、長時間睡眠による血管の拡張が原因で起こると考えられています。 それに対して緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢で寝ることによる筋肉の緊張が主な原因です。 片頭痛 片頭痛は、目の奥から側頭部、もしくは頭全体にズキズキと脈打つような痛みが主な症状です。他にも、頭を前後左右に動かすと痛みが強くなる、光・音・においに過敏になりやすいなどの特徴があり、人によっては吐き気を催す場合もあります。 眠っているあいだは、自律神経のうち回復や修復をつかさどる副交感神経が優位になり、脳内の血管が拡張します。寝すぎによる片頭痛は、長時間睡眠により脳内血管が必要以上に拡張し、その周辺の神経が引っ張られるためだと考えられています。 緊張型頭痛 緊張型頭痛は、後頭部や頭部全体が締め付けられるような痛みが主な症状です。時間の経過とともに痛みが増す傾向にあり、首や肩のこり、軽いめまいを併発することもあります。 緊張型頭痛の原因は、筋肉の緊張による血行不良です。 同じ姿勢で長時間寝たり、寝相が悪いまま寝てしまったりすると、筋肉が緊張して血流が悪化。筋肉の血管が収縮して神経が刺激され、締め付けられるような痛みが発生します。 寝すぎたときの頭痛に対する治し方 寝すぎによる頭痛の原因は、片頭痛が血管の拡張、緊張型頭痛が筋肉の緊張による血行不良であり、その治し方も異なります。ここからはそれぞれの対処方法を確認していきましょう。 片頭痛は「冷やす」 血管の拡張によって起こる片頭痛を和らげるには、冷やすのが効果的です。 体温が上昇して血流が良くなると痛みが強くなるため、ズキズキと痛む部分や首の後ろを冷やしましょう。特に、うなじの中央のくぼんだ部分である「盆の窪」を、保冷剤や冷却シートなどで冷やすとよいでしょう。 誘発因子である光や音に過敏になっている場合は、暗く静かな場所で安静にするようにしましょう。 また、カフェインには血管収縮作用があるため、起床時にコーヒーや紅茶などを飲むと痛みを軽減できる可能性があります。ただし、飲みすぎは逆効果になる可能性もあるため、注意が必要です。 緊張型頭痛は「温める」 血行不良によって起こる緊張型頭痛を和らげるには、体を温めて血流を良くすることが効果的です。目や肩、首などを温めるほか、お風呂に入って全身を温めることもよいでしょう。また、軽い運動やストレッチ、マッサージで筋肉をほぐすと、痛みが和らぎます。 なお、慢性的な姿勢の悪さは血流を悪化させるため、普段から正しい姿勢を心がけるようにすることも意識しましょう。 そもそも寝すぎてしまう原因とは 睡眠が足りていない状態を「睡眠負債」と呼びます。 睡眠負債が溜まっていると、不足している睡眠を補おうとして週末などに長く寝てしまいがちです。 睡眠負債には睡眠の長さだけでなく質も関係しているため、普段から質のよい睡眠を十分にとることが大切です。 >>寝すぎてしまう原因は何?もしかして病気?解決策を知って快眠する方法 寝すぎの頭痛を予防する方法...

寝すぎで頭痛が起こる原因とは?タイプ別の治し方や予防策について

睡眠コラム

「寝すぎて起きたら頭痛がした。」という経験はありませんか? 睡眠には疲労回復の効果がありますが、実は必要以上の睡眠時間をとるいわゆる「寝すぎ」はかえって体に負担となり、身体の不調の原因となることがあります。 そこでこの記事では、寝すぎで起こる頭痛の種類や原因を解説し、さらにその治し方や予防策をまとめました。 寝すぎたときの頭痛のタイプと原因 寝すぎで起こる頭痛には主に、片頭痛(偏頭痛)と緊張型頭痛の2種類があります。 片頭痛の原因は完全には解明されていないものの、長時間睡眠による血管の拡張が原因で起こると考えられています。 それに対して緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢で寝ることによる筋肉の緊張が主な原因です。 片頭痛 片頭痛は、目の奥から側頭部、もしくは頭全体にズキズキと脈打つような痛みが主な症状です。他にも、頭を前後左右に動かすと痛みが強くなる、光・音・においに過敏になりやすいなどの特徴があり、人によっては吐き気を催す場合もあります。 眠っているあいだは、自律神経のうち回復や修復をつかさどる副交感神経が優位になり、脳内の血管が拡張します。寝すぎによる片頭痛は、長時間睡眠により脳内血管が必要以上に拡張し、その周辺の神経が引っ張られるためだと考えられています。 緊張型頭痛 緊張型頭痛は、後頭部や頭部全体が締め付けられるような痛みが主な症状です。時間の経過とともに痛みが増す傾向にあり、首や肩のこり、軽いめまいを併発することもあります。 緊張型頭痛の原因は、筋肉の緊張による血行不良です。 同じ姿勢で長時間寝たり、寝相が悪いまま寝てしまったりすると、筋肉が緊張して血流が悪化。筋肉の血管が収縮して神経が刺激され、締め付けられるような痛みが発生します。 寝すぎたときの頭痛に対する治し方 寝すぎによる頭痛の原因は、片頭痛が血管の拡張、緊張型頭痛が筋肉の緊張による血行不良であり、その治し方も異なります。ここからはそれぞれの対処方法を確認していきましょう。 片頭痛は「冷やす」 血管の拡張によって起こる片頭痛を和らげるには、冷やすのが効果的です。 体温が上昇して血流が良くなると痛みが強くなるため、ズキズキと痛む部分や首の後ろを冷やしましょう。特に、うなじの中央のくぼんだ部分である「盆の窪」を、保冷剤や冷却シートなどで冷やすとよいでしょう。 誘発因子である光や音に過敏になっている場合は、暗く静かな場所で安静にするようにしましょう。 また、カフェインには血管収縮作用があるため、起床時にコーヒーや紅茶などを飲むと痛みを軽減できる可能性があります。ただし、飲みすぎは逆効果になる可能性もあるため、注意が必要です。 緊張型頭痛は「温める」 血行不良によって起こる緊張型頭痛を和らげるには、体を温めて血流を良くすることが効果的です。目や肩、首などを温めるほか、お風呂に入って全身を温めることもよいでしょう。また、軽い運動やストレッチ、マッサージで筋肉をほぐすと、痛みが和らぎます。 なお、慢性的な姿勢の悪さは血流を悪化させるため、普段から正しい姿勢を心がけるようにすることも意識しましょう。 そもそも寝すぎてしまう原因とは 睡眠が足りていない状態を「睡眠負債」と呼びます。 睡眠負債が溜まっていると、不足している睡眠を補おうとして週末などに長く寝てしまいがちです。 睡眠負債には睡眠の長さだけでなく質も関係しているため、普段から質のよい睡眠を十分にとることが大切です。 >>寝すぎてしまう原因は何?もしかして病気?解決策を知って快眠する方法 寝すぎの頭痛を予防する方法...

寝起きで首が痛いのは枕が原因?枕が合わないと出る症状や正しい選び方

寝起きで首が痛いのは枕が原因?枕が合わないと出る症状や正しい選び方

寝具の選び方

昨晩まではなんともなかったのに、翌朝起きたら首が痛い…という経験をすると、いままで寝具に対してそこまで興味がなかった方でも、自分に合う寝具を検討したくなります。 この記事では、首の痛みが気になり、その原因は「枕が合っていないせいかも?」と思っている方に、首が痛くなる原因やその解決方法を詳しく解説しています。 枕が合わないことで首が痛くなる原因 真っ直ぐに立った姿勢(正常立位姿勢)のとき、首の骨は通常、背骨から頭を真っ直ぐ支えるために緩やかなS字を描くようにカーブしています。睡眠時にも、その背骨のカーブを自然な状態に保つことで、体の圧力が均等に分散され、血液が循環しやすくなります。 そこで重要なのが枕です。 枕には、睡眠中の頭や首を支えて首のカーブをサポートしたり、睡眠中の姿勢を整える役割があります。ですが高さや硬さの合わない枕を使用すると、頭や首をうまく支えることができず、無理な姿勢を長時間続けることになるので、睡眠中に首や肩周りの筋肉に大きな負担がかかり、こりや痛みが起こります。 また、横幅が小さすぎる枕は、寝返りを打ったときに枕から頭が落ちやすいため、肩こりや寝違えにつながる可能性があります。 枕が合わないと出る症状 合わない枕を使用することで起こる症状の代表は以下の4つです。 肩・首・腰・頭の痛み いびき ストレートネック 睡眠の質低下 それぞれ詳細を見ていきましょう。 肩・首・腰・頭の痛み 高さや硬さの合わない枕で眠ると睡眠中の姿勢が不自然になり、頭から首、肩周りにかけての筋肉に負担がかかってしまうため、肩・首・腰・頭の痛みやこり、寝違えの原因となります。 例えば、高すぎる枕を使うと頭が持ち上がるため、首や肩に負担がかかり、使い続けることで頭痛や首こり、肩こりなどの原因になります。 反対に、低すぎる枕では首とマットレスの間に隙間ができ、首だけで頭を支えている状態になるため、肩こりや首の痛み、呼吸のしづらさなどの原因になります。 また、首と腰にかけて背骨で繋がっているため、首に負担がかかることで腰にも影響が及ぶ可能性があります。特に体を支える筋肉が少ない方は、枕が合わないことで腰痛が起きやすいと言われています。 いびき 高すぎる枕で眠ると、気道が圧迫されるので、いびきをかきやすくなります。 首の自然なカーブをつくれる枕の高さは人によって異なりますが、華奢な方であれば5cm程度、体格が標準の方は6cm程度、体格のよい方は8cm程度の高さを目安に調整しましょう。 ストレートネック ストレートネックとは、スマートフォンの使用やデスクワークなど、生活習慣のなかで前傾姿勢が長時間続くことで、首のカーブが伸び、ストレートになった状態のことです。 人は睡眠中、ストレートネックでダメージを受けた首の修復をはかろうとしていますが、高さや硬さが合わない枕を使用していると、ダメージや疲労を回復するどころか、悪化させてしまう可能性があります。 下記記事では、ストレートネックの症状や簡単な診断方法、症状緩和に有効なストレッチなどをまとめています。気になる方はぜひあわせてご覧ください。 >>ストレートネック(スマホ首)の見分け方を紹介! 症状や対策枕の選び方も解説 睡眠の質の低下 自分の体に合っていない枕は、寝返りがしにくかったり、寝心地が悪くて逆に寝返りをし過ぎてしまうので、睡眠の質が低下します。「十分な時間寝たのに翌朝疲労感がある」「夜中に目が覚めてしまう」という方は、枕を見直してみましょう。...

寝起きで首が痛いのは枕が原因?枕が合わないと出る症状や正しい選び方

寝具の選び方

昨晩まではなんともなかったのに、翌朝起きたら首が痛い…という経験をすると、いままで寝具に対してそこまで興味がなかった方でも、自分に合う寝具を検討したくなります。 この記事では、首の痛みが気になり、その原因は「枕が合っていないせいかも?」と思っている方に、首が痛くなる原因やその解決方法を詳しく解説しています。 枕が合わないことで首が痛くなる原因 真っ直ぐに立った姿勢(正常立位姿勢)のとき、首の骨は通常、背骨から頭を真っ直ぐ支えるために緩やかなS字を描くようにカーブしています。睡眠時にも、その背骨のカーブを自然な状態に保つことで、体の圧力が均等に分散され、血液が循環しやすくなります。 そこで重要なのが枕です。 枕には、睡眠中の頭や首を支えて首のカーブをサポートしたり、睡眠中の姿勢を整える役割があります。ですが高さや硬さの合わない枕を使用すると、頭や首をうまく支えることができず、無理な姿勢を長時間続けることになるので、睡眠中に首や肩周りの筋肉に大きな負担がかかり、こりや痛みが起こります。 また、横幅が小さすぎる枕は、寝返りを打ったときに枕から頭が落ちやすいため、肩こりや寝違えにつながる可能性があります。 枕が合わないと出る症状 合わない枕を使用することで起こる症状の代表は以下の4つです。 肩・首・腰・頭の痛み いびき ストレートネック 睡眠の質低下 それぞれ詳細を見ていきましょう。 肩・首・腰・頭の痛み 高さや硬さの合わない枕で眠ると睡眠中の姿勢が不自然になり、頭から首、肩周りにかけての筋肉に負担がかかってしまうため、肩・首・腰・頭の痛みやこり、寝違えの原因となります。 例えば、高すぎる枕を使うと頭が持ち上がるため、首や肩に負担がかかり、使い続けることで頭痛や首こり、肩こりなどの原因になります。 反対に、低すぎる枕では首とマットレスの間に隙間ができ、首だけで頭を支えている状態になるため、肩こりや首の痛み、呼吸のしづらさなどの原因になります。 また、首と腰にかけて背骨で繋がっているため、首に負担がかかることで腰にも影響が及ぶ可能性があります。特に体を支える筋肉が少ない方は、枕が合わないことで腰痛が起きやすいと言われています。 いびき 高すぎる枕で眠ると、気道が圧迫されるので、いびきをかきやすくなります。 首の自然なカーブをつくれる枕の高さは人によって異なりますが、華奢な方であれば5cm程度、体格が標準の方は6cm程度、体格のよい方は8cm程度の高さを目安に調整しましょう。 ストレートネック ストレートネックとは、スマートフォンの使用やデスクワークなど、生活習慣のなかで前傾姿勢が長時間続くことで、首のカーブが伸び、ストレートになった状態のことです。 人は睡眠中、ストレートネックでダメージを受けた首の修復をはかろうとしていますが、高さや硬さが合わない枕を使用していると、ダメージや疲労を回復するどころか、悪化させてしまう可能性があります。 下記記事では、ストレートネックの症状や簡単な診断方法、症状緩和に有効なストレッチなどをまとめています。気になる方はぜひあわせてご覧ください。 >>ストレートネック(スマホ首)の見分け方を紹介! 症状や対策枕の選び方も解説 睡眠の質の低下 自分の体に合っていない枕は、寝返りがしにくかったり、寝心地が悪くて逆に寝返りをし過ぎてしまうので、睡眠の質が低下します。「十分な時間寝たのに翌朝疲労感がある」「夜中に目が覚めてしまう」という方は、枕を見直してみましょう。...

理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説

理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説

睡眠コラム

最近は“睡眠時間”の大切さだけでなく“睡眠の質”に注目が集まっており、良質な睡眠を得るために、“理想の寝姿勢”を考える人が増えています。そこで、寝姿勢の種類やそれぞれのメリット・デメリット、理想の寝姿勢などをご紹介します。自分に合った寝姿勢や適切な寝具を選んで、快眠を目指しましょう! 寝姿勢とは? “寝姿勢”とは、寝ているときの姿勢のことで、主に、仰向け、横向き、うつ伏せなどがあります。寝姿勢が崩れている場合、肩こりや腰痛、首の痛みのほか、寝起きのだるさなど、翌日の体調に悪影響を及ぼすことも。反対に、背骨が自然な状態の寝姿勢で眠ると、効率的に疲労回復でき、背骨の歪みを整える効果が期待できます。 日中は、デスクワークの方も立ち仕事の方も、同じ姿勢を取り続けて身体に負担をかけていることが多いため、睡眠時には理想の寝姿勢で快眠を得て身体の不調を解消することが大切です。 また、睡眠には免疫力の向上や精神の安定、記憶の整理や定着などの効果もあるといわれており、快眠によって頭がクリアな状態にリセットされ、仕事や日常生活のパフォーマンス(生産性)向上が期待できます。 人生の3分の1を費やすといわれている睡眠。せっかくなら整った寝姿勢で睡眠の質を高め、効率よく疲労回復しましょう。 寝姿勢の種類とメリット&デメリット 寝姿勢は主に下記の3種類に分けられます。 仰向け寝 横向き寝 うつ伏せ寝 どの寝姿勢にもメリットとデメリットがあるため、入眠時は、ご自身が心地よく感じる寝姿勢で寝て問題ありません。 肝心なのは、熟睡している際の寝姿勢と寝返りの打ちやすさです。一般的に人は一晩で平均20~30回寝返りを打つといわれており、寝返りを打つことで体液循環や背骨の歪み調節など、身体をリセットしています。 それでは、各寝姿勢の概要とメリット・デメリットをそれぞれご説明します。 仰向けは、リラックスした状態の寝姿勢 仰向けは、日本人に多い“平たい体格の人”向き。背中全体で体重による圧力(体圧)を支えるので、身体への負担が少なく余分な力も入りません。また、手足を動かしやすく体液循環がよいことから、筋肉がこりにくいといわれており、猫背の改善や防止が期待できます。 「睡眠時に仰向け寝の時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしている」とされているほど、最も安定・リラックスできる寝姿勢です。 ただし、尾てい骨を圧迫しやすく、反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすいので、寝返りが打ちやすいマットレス選びが重要です。ほかにも、舌が重力で落ち込むため気道が塞がれやすく、横向き寝に比べるといびきにつながるといったリスクが挙げられます。 メリット 体液循環が良くて筋肉がこりにくい 体圧が均等に分散されて負担が少ない デメリット いびきにつながることがある 反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすい 横向きは、いびき予防に有効な寝姿勢 横向き寝は、肥満や扁桃腺肥大等で気道が狭くなっている方向きの寝姿勢です。舌が落ち込むことによる気道の妨げが起きにくいため、“いびきをかきにくく呼吸がしやすい”特徴があります。 また、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりにくいです。個人差はありますが、左側を下にすると消化系の臓器などに負担がかかりにくいともいわれています。 ただし、身体とマットレスの接する面積が小さく、体圧による血流の滞りが起きやすいため、長時間横向き寝の状態が続くと筋肉のこりや冷えの原因に。特に一方向で寝続けた場合は、身体の歪みや肩・骨盤の圧迫による痛みも生じやすいため、スムーズな寝返りをサポートしてくれる寝具を選ぶ必要があります。 メリット 呼吸がしやすくいびきをかきにくい...

理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説

睡眠コラム

最近は“睡眠時間”の大切さだけでなく“睡眠の質”に注目が集まっており、良質な睡眠を得るために、“理想の寝姿勢”を考える人が増えています。そこで、寝姿勢の種類やそれぞれのメリット・デメリット、理想の寝姿勢などをご紹介します。自分に合った寝姿勢や適切な寝具を選んで、快眠を目指しましょう! 寝姿勢とは? “寝姿勢”とは、寝ているときの姿勢のことで、主に、仰向け、横向き、うつ伏せなどがあります。寝姿勢が崩れている場合、肩こりや腰痛、首の痛みのほか、寝起きのだるさなど、翌日の体調に悪影響を及ぼすことも。反対に、背骨が自然な状態の寝姿勢で眠ると、効率的に疲労回復でき、背骨の歪みを整える効果が期待できます。 日中は、デスクワークの方も立ち仕事の方も、同じ姿勢を取り続けて身体に負担をかけていることが多いため、睡眠時には理想の寝姿勢で快眠を得て身体の不調を解消することが大切です。 また、睡眠には免疫力の向上や精神の安定、記憶の整理や定着などの効果もあるといわれており、快眠によって頭がクリアな状態にリセットされ、仕事や日常生活のパフォーマンス(生産性)向上が期待できます。 人生の3分の1を費やすといわれている睡眠。せっかくなら整った寝姿勢で睡眠の質を高め、効率よく疲労回復しましょう。 寝姿勢の種類とメリット&デメリット 寝姿勢は主に下記の3種類に分けられます。 仰向け寝 横向き寝 うつ伏せ寝 どの寝姿勢にもメリットとデメリットがあるため、入眠時は、ご自身が心地よく感じる寝姿勢で寝て問題ありません。 肝心なのは、熟睡している際の寝姿勢と寝返りの打ちやすさです。一般的に人は一晩で平均20~30回寝返りを打つといわれており、寝返りを打つことで体液循環や背骨の歪み調節など、身体をリセットしています。 それでは、各寝姿勢の概要とメリット・デメリットをそれぞれご説明します。 仰向けは、リラックスした状態の寝姿勢 仰向けは、日本人に多い“平たい体格の人”向き。背中全体で体重による圧力(体圧)を支えるので、身体への負担が少なく余分な力も入りません。また、手足を動かしやすく体液循環がよいことから、筋肉がこりにくいといわれており、猫背の改善や防止が期待できます。 「睡眠時に仰向け寝の時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしている」とされているほど、最も安定・リラックスできる寝姿勢です。 ただし、尾てい骨を圧迫しやすく、反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすいので、寝返りが打ちやすいマットレス選びが重要です。ほかにも、舌が重力で落ち込むため気道が塞がれやすく、横向き寝に比べるといびきにつながるといったリスクが挙げられます。 メリット 体液循環が良くて筋肉がこりにくい 体圧が均等に分散されて負担が少ない デメリット いびきにつながることがある 反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすい 横向きは、いびき予防に有効な寝姿勢 横向き寝は、肥満や扁桃腺肥大等で気道が狭くなっている方向きの寝姿勢です。舌が落ち込むことによる気道の妨げが起きにくいため、“いびきをかきにくく呼吸がしやすい”特徴があります。 また、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりにくいです。個人差はありますが、左側を下にすると消化系の臓器などに負担がかかりにくいともいわれています。 ただし、身体とマットレスの接する面積が小さく、体圧による血流の滞りが起きやすいため、長時間横向き寝の状態が続くと筋肉のこりや冷えの原因に。特に一方向で寝続けた場合は、身体の歪みや肩・骨盤の圧迫による痛みも生じやすいため、スムーズな寝返りをサポートしてくれる寝具を選ぶ必要があります。 メリット 呼吸がしやすくいびきをかきにくい...

欠伸をする女性

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...