あなたの睡眠は脳まで休めてる?新常識「脳眠」のすゝめ

あなたの睡眠は脳まで休めてる?新常識「脳眠」のすゝめ

睡眠コラム

あなたの睡眠は脳まで休めてる?新常識「脳眠」のすゝめ

「人はなぜ眠るんだろう?」 「質の良い睡眠の意味とは?」 と考えたことはないでしょうか? 睡眠は疲れをとるためだと漠然と理解している方は多いですが、睡眠の本質についてしっかりと理解している方は少ないです。ただ体を休めるだけだと思っている方も多いと思います。 確かに、睡眠について学ぶ機会は少なく、当たり前のことすぎてなかなか調べようとも思いませんよね。 今から70年前頃までは、睡眠は受動的な行動・意識状態だと考えられていました。 すなわち、部屋が暗くなったり、静かになったりすれば、 人や動物は外界に反応して自然に眠ると考えられていたのです。 ところが、その頃さかんに行われた動物実験では、外界の状況に反応して動物が寝たり起きたりすることはなく、睡眠・覚醒は脳が制御する行動・意識状態で、脳の自発的活動によって調節されていることが初めて分かりました。 脳内には、覚醒や睡眠時に活動が高まる神経細胞が存在し、それらの活動の増減により睡眠・覚醒が生じることが分かったのです。 また、ほぼ同時期にレム睡眠が発見され、 睡眠は単なる休息ではなく、睡眠中に脳は起きているときにできない脳と体のメンテナンスを行っていることも分かりました。 いわゆる近代の睡眠研究の幕開けです。 私達は、「睡眠は体の単なる休息ではなく、睡眠中にも脳は自発的に眠りながらも重要な生理機能を担っている」ということに注目して、脳が自ら眠ること、すなわち、「脳眠」(ブレインスリープ)という言葉を提唱し、令和元年に私達が設立した会社の名前にも冠しました。 今回は、そんな睡眠の新たな概念である「脳眠」に注目し、睡眠の意味について解説していきます。 この記事を読めば、睡眠の本当の意味について理解することができ、睡眠と上手く付き合うことができますよ!

1.睡眠は未知の領域でまだまだ分からないことが多い分野

最近では睡眠への関心が高まり、様々な本なども見かける機会が増えましたよね。 睡眠に関して悩んでいる方も多く、注目されている分野でもあります。 しかし、睡眠について研究が進んでいる現代ですが、まだまだ分かっていないことが多いのも現実。 それもそのはずで、睡眠が研究分野として考えだされたのが、ほんの70年ほど前だからです。 レム睡眠中には、起きているときと同じように、脳の運動野や視覚野が活発には働いていて夢をみます。 記憶の定着や消去にも睡眠が重要であることも分かり、さらには入眠直後の深いノンレム睡眠に体の発育や、修復に重要な成長ホルモンが分泌されること分かりました。 寝る子は育つだけでなく、寝る子は賢くなる可能性があります。 また、睡眠の機能が明らかになるとともに不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群などの種々の睡眠障害が存在することも明らかになってきましたね。 近年、睡眠障害の患者は増えており、特に日本では睡眠障害は国民病とも呼ばれています。 このように、睡眠は解明されたことも増えましたが、睡眠医学はまだまだ若い学問ですので、 睡眠研究者としての立場からみても睡眠についてはっきり分かっていることは全体の10%にも満たないと思っています。 現に新しい発見も未だに増えてきており、謎は深まるばかり。 睡眠についての研究は日々進んでいるものの、分からないことも多い分野なのです。

2.睡眠の新常識!「脳眠」とは一体どんなこと?

今回の主題でもある「脳眠」は眠っている間にも、脳がしっかりと機能して、睡眠中にしかできない重要な役割を果たしている事を言います。 すなわち、「脳眠」は良質で熟睡でき、脳も体もリフレッシュできる睡眠を指すのです。 「睡眠」と一言で言っても、ただ寝ているだけで、ちゃんと睡眠がとれているのかと言うとそうではありませんよね。 同じ時間睡眠をとっても、疲れがとれている時とそうでない時があるという違いを経験した方も多いでしょう。 それは睡眠の質に原因があります。睡眠にも質の良し悪しがあり、質の良い睡眠をとっている方が、翌日起きた際に満足感を得やすいのです。 睡眠の質に関しては別の記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。 睡眠は体を休めることに意識が向いてしまいがちですが、脳が休まる、つまり脳が眠ることが睡眠の質を高める上では非常に大切なのです。 この脳眠がとれているのと、とれていないのでは大きな差があります。脳眠については、後ほどさらに詳しく解説していきますね。 脳眠の解説の前に、基本的な睡眠がどんな役割を持っているのかおさらいしておきましょう! 案外知られていない役割もあるので、要チェックです。

3.睡眠(脳眠)はなぜ必要?5つの役割を振り返ろう

睡眠が必要な理由は脳と体の両方に関係していて、大きく5つあります。 ぐっすりと眠った次の日は体も軽く、頭が冴えているように感じたことはないでしょうか? そう感じる理由は睡眠の質が高く、脳も体もしっかりと休まったからだと言えます。 睡眠の質が高くなれば、翌日のパフォーマンスも向上するのです。 特に眠り始めの90分は重要。寝ている時間の中で最も深い睡眠がとれるので「黄金の90分」と呼ばれています。 この黄金の90分をしっかりととることで、睡眠の質も変わるというわけですね。 質の良い睡眠をとることで翌日のパフォーマンスが上がるだけでなく、長期的に脳と体、そして精神面の健康に繋がるでしょう。 では、なぜ質の高い睡眠をとると良いのか。それは睡眠が持っている役割を知ることで見えてくるはずです。 早速5つの役割を見ていきましょう!

3-1.脳と体を休める:睡眠と言えばコレ!

睡眠の役割の中で最も重要なのが休息です。 疲れをとるためには寝ることが大切だと考えている方は多いですよね。その通りです。 ただ、「睡眠=休息」だけではないということは覚えておいてください。 人の体では、無意識に自律神経が常に働いていますが、この自律神経について知ることが睡眠には大切です。 「交感神経」と「副交感神経」という言葉を知っている方は多いのではないでしょうか。 それぞれには優位働いている時間があり、交感神経は活動モード、副交感神経はリラックスモードとして知られていますね。 日中は交感神経が優位になり、ノンレム睡眠中や食後には副交感神経が優位になります。 レム睡眠は体を休息させている状態ですが、ノンレム睡眠は脳まで休息を与える貴重な時間です。そのため、睡眠前にはこの副交感神経へのスムーズな切り替えが大切になります。 上手く切り替えることができないと深い眠りにつくことができません。 そうなるとノンレム睡眠が最も深くなる、黄金の90分もしっかりと活用できないことに。 脳と体をしっかりと休ませられる状態にして、睡眠の質を上げましょう。

3-2.記憶の整理や定着:テスト前の一夜漬けは逆効果

特定の睡眠段階で記憶が定着すると言われることがありますが、実は研究グループによって様々な意見があり、完全には統合されていません。 また、記憶の過程は複雑で、簡単に単純化できないことも多いです。 しかし、学習後に睡眠をとることで記憶の定着が進むという知見は多くあります。 レム睡眠とノンレム睡眠で整理・定着される記憶は異なると考えられており、以下のように分けることが可能です。
  • レム睡眠はエピソード記憶を定着させる(いつどこで何をしたか)
  • 浅いノンレム睡眠では体で覚える記憶の定着させる(運動や楽器演奏など体の記憶)
  • ノンレム睡眠やレム睡眠中に嫌な記憶を消去する
レム睡眠とノンレム睡眠は寝ている間に4~5回ほど切り替わるので、記憶が徐々に整理され定着するというわけですね。 上記のように睡眠は記憶の定着に欠かせないものだと言えるでしょう。 また、最近では黄金の90分に海馬から大脳皮質に情報が移動し、記憶の定着に関わるといった報告もなされています。

3-3.ホルモンバランスを整える:睡眠は最高の美容法

睡眠不足になると肌の調子が悪くなっているように感じたことはありませんか? それは睡眠時に多く分泌されるホルモンが、足りていないからかもしれません。 睡眠時にはグロースホルモンという、いわゆる成長ホルモンが分泌されます。筋肉や骨、皮膚の成長、修復には大切なホルモンで、このホルモンにより代謝が正常に機能するのです。 グロースホルモンは黄金の90分に最も多く分泌されることが知られています。 同様に生殖行動に関係するプロラクチンなんかも、黄金の90分に多く分泌されることは覚えておきましょう。 これだけではありません。他にも睡眠が影響を与えるホルモンバランスがあります。 それは食欲抑制するレプチンと食欲を増進するグレリンです。睡眠不足になると、レプチンが減少し、グレリンが増加することが分かっています。 つまり、食欲が抑えきれなくなってしまうというわけですね。そうなると当然、太りやすくもなります。レプチンとグレリンに関しては別の記事で詳しく書いているので、ぜひ読んでみてくださいね! 上記のように睡眠とホルモンバランスは密接な関係にあり、睡眠は最高の美容法だと言えるのです。

3-4.免疫力の向上:睡眠で風邪予防

睡眠は免疫力の向上にも一役買ってくれます。 「風邪を引いたら寝て治す」ということは昔から言われていますが、これは免疫力向上と休息という面で理に適っているわけです。 睡眠不足になると体調を崩しやすくなる理由も、ホルモンバランスの乱れで免疫の働きがおかしくなるため。睡眠不足であると、風邪やインフルエンザの罹患率も高くなりますね。 実際にインフルエンザの予防接種を受けても、睡眠がとれていなければ効果が認められないという報告も上がっています。 風邪を引いたら寝るということも大切ですが、風邪を引かないようにするためにも睡眠は大切なのです。 もちろん、風邪だけでなくアレルギーや他の疾患にも免疫力は欠かせないので、日頃からしっかりと睡眠をとることは意識したいですね。

3-5.脳の老廃物の除去:睡眠中に一気に掃除

意外と知られていない睡眠の役割に脳の老廃物を除去するというものがあります。 脳の老廃物?と疑問に思う方も多いですよね。脳は「脳脊髄液」という液体によって守られています。 この脳脊髄液によって振動などがあっても、脳が頭蓋骨に直接ぶつからないのです。 そして脳脊髄液はずっと同じ液があるわけではなく、1日の中で4回程度入れ替わっています。入れ替えの際に脳の老廃物も一緒に除去される仕組みですね。 通常、脳の老廃物は脳を活発に使う覚醒時に溜まることが分かっています。脳脊髄液の入れ替えは日中も行われていますが、それだけでは老廃物が溜まる量に追いつきません。 そこで、一気に老廃物を整理するメンテナンスを比較的、脳が使われていない睡眠中に行います。 つまり、脳の大掃除タイム。この大掃除が正常に行われないと、老廃物が溜まっていきアルツハイマーの原因にもなります。 直接的な原因ではないですが、危険因子であることは確かです。こういったことからも、睡眠中に行われる脳の老廃物の除去は大切だということが分かりますね。

4.睡眠は体を休めるだけじゃない!脳も休めてこその脳眠

睡眠の5つの役割を見てきましたが、体を直接休める役割の他に脳にも関係していることが分かりましたね。体も脳もしっかり休めてこその脳眠なのです。 実感しやすいのが、体の疲労が抜けているということであるが故に、そこばかりに注意がいってしまいがちですよね。 しかし、記憶の定着や老廃物の除去などにも効果があるのは、数々の研究からも分かっています。 目に見えて分かるものではありませんが、意識をすれば「確かに頭がスッキリして冴えている!」となることもあるはず。 よく寝た日とそうでない日を意識的に比べてみると分かりやすいでしょう。 忙しい現代の人は放っておくと脳も体も酷使してしまいます。 際限なく働いたり、勉強をしたりしていると睡眠を削ってしまいがちなになるのは日本人の悪いクセです。そうならないためにも、意識的に休むことが必要になります。 脳も体も休めることで日々のパフォーマンスを上げていきましょう!

5.睡眠中に脳で起こっていることとは?~脳眠の働き~

睡眠は脳にも体にも重要ですが、実際に寝ている際には脳にどのようなことが起こっているのでしょうか。 睡眠中に脳で起こっていることは、シナプスの整理や脳内の老廃物の除去などです。 体のように成長が目に見えて分かったり、傷が治ったりするわけではないので感じにくい部分ではありますが、起こっていることを理解することは大切です。 早速見ていきましょう。

5-1.睡眠中に脳ではシナプスの整理が行われている

人は眠ることでシナプスの整理がされます。 シナプスとは、神経情報を出力する側と入力される側の間に発達した、情報伝達のための接触構造です。 人それぞれの環境や経験によってシナプスの数は変化し、記憶力に差をつけます。 そんなシナプスの樹状突起をレム睡眠に刈り込むことが分かってきました。 刈り込みにより、数が減ることで繋がりが整理され、強化されます。 つまり、学習したことが記憶されやすくなるのです。 こういった整理・強化は特に発育期の小児に大切ですが、大人でも同様の変化が起こっています。

5-2.睡眠中の脳のお掃除!グリンパティック・システム

先述したように睡眠中は脳の老廃物を除去するメンテナンスの時間です。 この働きを「グリンパティック・システム」と呼びます。 通常、体内の老廃物はリンパ系に集まり、体を循環して尿として排出されます。 俗に、リンパ腺のマッサージで皮膚のゴツゴツしたものが取れるかもと言いますが、末梢の場合、それらに老廃物が含まれているような表現です。 しかし、脳にはリンパ系が通っていません。 その代わりに脳脊髄液があり、老廃物を洗い流しています。この仕組みがグリンパティック・システムです。 老廃物の除去は日中の活動している時間にも行われますが、睡眠中にはこの働きが4~10倍になります。 これだけの働きを、睡眠を十分にとらないことで、逃してしまうと老廃物はどんどん溜まっていくことになるのです。 しっかりと老廃物を除去するためにも睡眠は大切ですね。

6.脳の発育に睡眠は必要不可欠!

さて、睡眠は体だけではなく、脳とも密接に関わっていることが分かりました。 大人になってからも重要ですが、脳の発育が急速に行われる成長期には特に重要です。 ただ、「早く寝なさい」とは言われるものの、なぜかを説明してくれる大人はそう居ません。 それはそもそも、そういった知識がない大人が多いため。 そこで、睡眠を対する意識を高めようとする教育が近年始まってきました。 それは「眠育」と呼ばれ、徐々に広がりつつあります。眠育がどんなものなのか紹介していきますね。

6-1.日本中に広がっている「眠育」に注目!

眠育は各地で行われてきましたが、その代表が大阪府堺市の眠育です。 眠育は規則正しい生活で睡眠がしっかりと、とれていない、特に夜更かし傾向でリズムが後ろにずれ、朝起きるのが辛くなり不登校に繋がる例が多いことから始められました。 『「みんいく」ハンドブック』なるものを低学年、中学年、高学年と分けて配り、それぞれの年齢に合わせて睡眠の大切さや問題をまとめています。 眠育を始めてから不登校などの問題は3年で30%も減ったそうです。 このように、しっかりと効果も出てきてきたので、眠育は広がってきています。 小学校や中学校だからこそ、教育の中に取り入れやすいですが、大人にもこういった機会は大切なはず。 海外ではオフィスに仮眠室を用意したり、昼寝の時間を休み時間とは別に設けたりしている企業も多いです。 徐々に睡眠の大切さが、一般の方にも広がってきている証拠ですね。日本でも少しずつではありますが、こういった企業が増えつつあります。 眠育で睡眠に関する意識の底上げができれば、将来はもっと睡眠と上手く付き合える人が増えるでしょう。

6-2.正しい睡眠の知識を得られれば人生が変わる

睡眠を1日に8時間とると考えると、人生の1/3は睡眠に費やしていることになります。 それだけの時間を使うのにも関わらず、睡眠に関して学んでいる方は少ないです。 もしも、睡眠について理解を深めたら、人生の1/3が大きく変化します。 寝ている時間だけでなく、その後のパフォーマンスの向上にも繋がることを考えれば、それ以上に効果は得られるでしょう。 睡眠と記憶の関係について知っていれば、一夜漬けをせずに済んだかもしれません。 「大人になった今からでは遅い」と思う方もいると思いますが、そんなことはないです。 睡眠により免疫力が向上し、風邪で寝込むことが少なくできるかもしれませんし、しっかりと眠ることで仕事のパフォーマンスが上がるかもしれませんね。 毎日とる睡眠だからこそ、いつ勉強を始めても遅いということはないのです。 正しい睡眠の知識を得て、今までよりも素敵な生活を送りましょう。 しっかりと睡眠をとるメリットをまとめた記事もあるので、読んでみてくださいね!

7.取捨選択が大事!睡眠に関する情報は曖昧なものも多い

睡眠に関しての情報は近年注目されていることもあり、目にする機会が増えました。 しかし、中には根拠の乏しい首をかしげたくなるような情報もあるのが現状ですね。 睡眠に関する知識は一般的ではないことから、ついネット上の情報を鵜呑みにしてしまいがちですが、それは危険です。 正しいと思ってやっていることでも、実は間違っているということもあります。 例えば、「睡眠中に靴下を履く」という行為。結構実践されている方も多いですよね。 ただ、足から熱を放線させて深部体温を下げるという観点から見ると、就寝中は靴下を履かない方が良いのです。 というように日常的に行っていることが、逆に睡眠の妨げになっていることもあるので注意しましょう。 情報は鵜呑みにするのではなく、しっかりと取捨選択をすることが大切です。 どういうスタンスによって書かれた情報なのか、エビデンスは残されているのか、あなたがその情報をどう活かしたいのかを考えて選択しましょう。 そうすることで、睡眠に関する真の情報を知ることができ、間違った道に進むことがなくなりますよ!

まとめ:新常識「脳眠」を活用して最高の睡眠習慣を

睡眠は脳と体の両方に関わっていることが分かりましたね。 「今まで体が疲れているから寝よう」と考えていたのに加え、「脳が疲れているから寝よう」となるのが理想的です。 体だけでなく脳もしっかりと休める「脳眠」意識すれば、生活も変わってくるでしょう。 最後に今回の記事をまとめておきますね。
  • 脳眠とは体だけでなく脳もしっかりと休めていて、深い睡眠がとれていること
  • 睡眠には大きく5つの役割がある
  • 睡眠中に脳ではシナプスの整理が行われている
  • グリンパティック・システムによって脳内の老廃物が寝ている間に除去される
  • 眠育などにより、正しい睡眠の知識を得られれば人生が変わる
睡眠は人にとって、切っても切れない関係にあります。 寝ようと思っていなくても、眠くはなりますし、寝ることが大好きだという方も多いですよね。 しかし、上手く付き合えていないと日々のパフォーマンスにも影響してきます。 逆を言えば、付き合い方さえ知ってしまえば、上手く生活に役立てることができるのです。 自分で意識するのはもちろんですが、きちんと脳眠をとるためにもパートナーや家族など同室、同じベッドで寝ている場合は、相手の眠りを妨げないようにすることも大切になってきます。 先に寝ているのであれば、なるべく物音はたてないようにしたり、強い明かりをつけたりしないように気をつけましょう! お互いに配慮し合うことで、より良い睡眠生活が送れるはずです。 脳眠がしっかりと、とれるようにこれを機に睡眠習慣について見直してみてくださいね。
【関連記事】 「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」とは?意外と知らない眠りの種類
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睡眠コラム

最近は“睡眠時間”の大切さだけでなく“睡眠の質”に注目が集まっており、良質な睡眠を得るために、“理想の寝姿勢”を考える人が増えています。そこで、寝姿勢の種類やそれぞれのメリット・デメリット、理想の寝姿勢などをご紹介します。自分に合った寝姿勢や適切な寝具を選んで、快眠を目指しましょう! 寝姿勢とは? “寝姿勢”とは、寝ているときの姿勢のことで、主に、仰向け、横向き、うつ伏せなどがあります。寝姿勢が崩れている場合、肩こりや腰痛、首の痛みのほか、寝起きのだるさなど、翌日の体調に悪影響を及ぼすことも。反対に、背骨が自然な状態の寝姿勢で眠ると、効率的に疲労回復でき、背骨の歪みを整える効果が期待できます。 日中は、デスクワークの方も立ち仕事の方も、同じ姿勢を取り続けて身体に負担をかけていることが多いため、睡眠時には理想の寝姿勢で快眠を得て身体の不調を解消することが大切です。 また、睡眠には免疫力の向上や精神の安定、記憶の整理や定着などの効果もあるといわれており、快眠によって頭がクリアな状態にリセットされ、仕事や日常生活のパフォーマンス(生産性)向上が期待できます。 人生の3分の1を費やすといわれている睡眠。せっかくなら整った寝姿勢で睡眠の質を高め、効率よく疲労回復しましょう。 寝姿勢の種類とメリット&デメリット 寝姿勢は主に下記の3種類に分けられます。 仰向け寝 横向き寝 うつ伏せ寝 どの寝姿勢にもメリットとデメリットがあるため、入眠時は、ご自身が心地よく感じる寝姿勢で寝て問題ありません。 肝心なのは、熟睡している際の寝姿勢と寝返りの打ちやすさです。一般的に人は一晩で平均20~30回寝返りを打つといわれており、寝返りを打つことで体液循環や背骨の歪み調節など、身体をリセットしています。 それでは、各寝姿勢の概要とメリット・デメリットをそれぞれご説明します。 仰向けは、リラックスした状態の寝姿勢 仰向けは、日本人に多い“平たい体格の人”向き。背中全体で体重による圧力(体圧)を支えるので、身体への負担が少なく余分な力も入りません。また、手足を動かしやすく体液循環がよいことから、筋肉がこりにくいといわれており、猫背の改善や防止が期待できます。 「睡眠時に仰向け寝の時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしている」とされているほど、最も安定・リラックスできる寝姿勢です。 ただし、尾てい骨を圧迫しやすく、反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすいので、寝返りが打ちやすいマットレス選びが重要です。ほかにも、舌が重力で落ち込むため気道が塞がれやすく、横向き寝に比べるといびきにつながるといったリスクが挙げられます。 メリット 体液循環が良くて筋肉がこりにくい 体圧が均等に分散されて負担が少ない デメリット いびきにつながることがある 反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすい 横向きは、いびき予防に有効な寝姿勢 横向き寝は、肥満や扁桃腺肥大等で気道が狭くなっている方向きの寝姿勢です。舌が落ち込むことによる気道の妨げが起きにくいため、“いびきをかきにくく呼吸がしやすい”特徴があります。 また、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりにくいです。個人差はありますが、左側を下にすると消化系の臓器などに負担がかかりにくいともいわれています。 ただし、身体とマットレスの接する面積が小さく、体圧による血流の滞りが起きやすいため、長時間横向き寝の状態が続くと筋肉のこりや冷えの原因に。特に一方向で寝続けた場合は、身体の歪みや肩・骨盤の圧迫による痛みも生じやすいため、スムーズな寝返りをサポートしてくれる寝具を選ぶ必要があります。 メリット 呼吸がしやすくいびきをかきにくい...

理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説

睡眠コラム

最近は“睡眠時間”の大切さだけでなく“睡眠の質”に注目が集まっており、良質な睡眠を得るために、“理想の寝姿勢”を考える人が増えています。そこで、寝姿勢の種類やそれぞれのメリット・デメリット、理想の寝姿勢などをご紹介します。自分に合った寝姿勢や適切な寝具を選んで、快眠を目指しましょう! 寝姿勢とは? “寝姿勢”とは、寝ているときの姿勢のことで、主に、仰向け、横向き、うつ伏せなどがあります。寝姿勢が崩れている場合、肩こりや腰痛、首の痛みのほか、寝起きのだるさなど、翌日の体調に悪影響を及ぼすことも。反対に、背骨が自然な状態の寝姿勢で眠ると、効率的に疲労回復でき、背骨の歪みを整える効果が期待できます。 日中は、デスクワークの方も立ち仕事の方も、同じ姿勢を取り続けて身体に負担をかけていることが多いため、睡眠時には理想の寝姿勢で快眠を得て身体の不調を解消することが大切です。 また、睡眠には免疫力の向上や精神の安定、記憶の整理や定着などの効果もあるといわれており、快眠によって頭がクリアな状態にリセットされ、仕事や日常生活のパフォーマンス(生産性)向上が期待できます。 人生の3分の1を費やすといわれている睡眠。せっかくなら整った寝姿勢で睡眠の質を高め、効率よく疲労回復しましょう。 寝姿勢の種類とメリット&デメリット 寝姿勢は主に下記の3種類に分けられます。 仰向け寝 横向き寝 うつ伏せ寝 どの寝姿勢にもメリットとデメリットがあるため、入眠時は、ご自身が心地よく感じる寝姿勢で寝て問題ありません。 肝心なのは、熟睡している際の寝姿勢と寝返りの打ちやすさです。一般的に人は一晩で平均20~30回寝返りを打つといわれており、寝返りを打つことで体液循環や背骨の歪み調節など、身体をリセットしています。 それでは、各寝姿勢の概要とメリット・デメリットをそれぞれご説明します。 仰向けは、リラックスした状態の寝姿勢 仰向けは、日本人に多い“平たい体格の人”向き。背中全体で体重による圧力(体圧)を支えるので、身体への負担が少なく余分な力も入りません。また、手足を動かしやすく体液循環がよいことから、筋肉がこりにくいといわれており、猫背の改善や防止が期待できます。 「睡眠時に仰向け寝の時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしている」とされているほど、最も安定・リラックスできる寝姿勢です。 ただし、尾てい骨を圧迫しやすく、反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすいので、寝返りが打ちやすいマットレス選びが重要です。ほかにも、舌が重力で落ち込むため気道が塞がれやすく、横向き寝に比べるといびきにつながるといったリスクが挙げられます。 メリット 体液循環が良くて筋肉がこりにくい 体圧が均等に分散されて負担が少ない デメリット いびきにつながることがある 反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすい 横向きは、いびき予防に有効な寝姿勢 横向き寝は、肥満や扁桃腺肥大等で気道が狭くなっている方向きの寝姿勢です。舌が落ち込むことによる気道の妨げが起きにくいため、“いびきをかきにくく呼吸がしやすい”特徴があります。 また、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりにくいです。個人差はありますが、左側を下にすると消化系の臓器などに負担がかかりにくいともいわれています。 ただし、身体とマットレスの接する面積が小さく、体圧による血流の滞りが起きやすいため、長時間横向き寝の状態が続くと筋肉のこりや冷えの原因に。特に一方向で寝続けた場合は、身体の歪みや肩・骨盤の圧迫による痛みも生じやすいため、スムーズな寝返りをサポートしてくれる寝具を選ぶ必要があります。 メリット 呼吸がしやすくいびきをかきにくい...

欠伸をする女性

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...