枕ってどのくらい汚れているの?
枕カバーは日常的に洗濯する方が多いかと思いますが、枕本体にも汚れが溜まっています。汚れを落とさないまま使用し続けると、カビやダニが発生する原因となってしまいます。長期間使った枕にはダニやカビがこんなにたくさん!
ブレインスリープが行った調査によると、1年間使用した枕には、ウレタン素材の枕で5,000匹以上、フェザー素材の枕では20,000匹を超えるダニが繁殖することがわかっています。 枕は素材によって丸洗いすることができるので、ハウスダストやダニアレルギーをお持ちの方や、小さいお子様がいる家庭では、丸洗い可能な枕を選びましょう。あなたの枕は洗える?
一般的に洗える素材と洗えない素材があるので、まずは素材別でみていきましょう。
洗える素材
ポリエステルのわた
多くの枕に使われている素材で、わたのようにふわふわした人口繊維です。基本的には洗濯可能ですが、商品によって水洗いできないものがあるので、洗濯表示をチェックしましょう。もし洗えない場合は、天日干しするのがオススメです。
ビーズ
一般的に、細かいビーズは水分をたくさん吸収して乾きにくいので、水洗いには不向きとされています。ですが、中が空洞になっているマルコビーズは弾力性や耐久性に優れているため水洗いが可能です。
パイプ
ストローのような筒状のものを細かく切ったパイプは、耐久性や通気性に優れているため水洗いが可能です。繰り返し洗っても劣化しにくいのも特徴です。
ポリエチレン
ポリエチレンは耐久性や通気性に優れているため、洗濯機で洗える商品が多いです。特殊な作りになっているものや、洗って変形するものなど、手洗いのみ可能な商品もあるので洗濯表示を確認しましょう。
洗えない素材
そばがら
そばがらなどの植物性の素材は乾くのが遅いため、水洗いするとカビが生えやすく、腐って雑菌が繁殖したり虫がわいたりすることがあるので、濡らさないように気をつけましょう。
低反発ウレタン
低反発ウレタンは小さな気泡が連続するスポンジ状の構造のため、水に浸すと限りなく吸収して重くなり、強度も弱くなります。一部、洗濯可能な商品もありますが、一般的には水に濡れると破れやちぎれの原因となり、低反発力も弱まってしまいます。
羽毛
羽毛などの動物性の素材は乾くのが遅く、とてもデリケートです。水に濡れるとふんわりした感触が失われてしまうので、洗濯できない商品が多いです。
素材だけで判断してはダメ!
枕についている洗濯表示はしっかり確認しましょう。素材ごとで洗えるか洗えないかを判断することも可能ですが、同じ素材でも洗える場合と洗えない場合があるので要注意です。また、洗える素材についても、洗い方が異なるので気を付けましょう。
洗える枕には、洗濯桶のマークとタンブル乾燥可能のマークが書かれています。タンブル乾燥とは、家庭用ドラム式洗濯乾燥機やコインランドリーの乾燥機の乾燥方法で、丸の中に書かれた点が1つの場合は60℃、点が2つの場合は80℃が使用可能な乾燥機の上限温度となります。
また、洗濯桶のマークは洗濯機での洗濯が可能、温度表示は洗う時の水の上限温度を示しています。選択桶に手がついているマークは、手洗い可能のマークで、温度表示はありませんが上限温度は40℃です。間違って洗濯機に入れないようにしましょう。
枕を洗う頻度は?
洗うことができる枕の素材の場合、どれくらいの頻度で洗濯するのが良いのでしょうか。 厚生労働省が発表している「旅館業における衛生等管理要領」では、枕を清潔に保つためには6か月に1回以上は丸洗いが必要とされています。ですが、もし汚れやニオイが気になる場合は、そのタイミングで洗濯をしてください。睡眠中、頭や顔が触れ続ける枕は、寝汗や皮脂、フケなどで想像以上に汚れます。
枕カバーを洗濯しても、枕本体に汚れが溜まることでカビやダニが発生し、肌荒れや髪のトラブルの原因にもなりかねないので注意しましょう。 また、枕を完全に乾かさないまま使用するとカビが発生しやすいので、水洗いする時はカラッと晴れた日に洗濯するか、乾きやすい素材の枕を選ぶようにしましょう。
素材ごとの洗い方
洗える素材といっても、洗濯機の使用や手洗いなど様々なので、素材ごとの洗い方をご紹介します。
■ポリエステルのわた
一般的には手洗いで洗える商品が多く、洗剤はいつも使っている洗濯用洗剤を使用して大丈夫です。
準備するもの
衣類用中性洗剤、枕が入る大きな洗面器(洗面所の洗面ボウルでもOK)、ぬるま湯
洗濯手順
1:枕カバーを外して、中袋を取り出す。枕カバーは別途、洗濯機で洗いましょう。
2:強い汚れやシミがある場合は、事前に洗剤を染み込ませて浮かせる。
3:洗面器や洗面ボウルにぬるま湯を張り、中性洗剤を入れて混ぜ溶かす。
4:枕の中袋を入れて全体に染み込ませ、手で押し洗いする。
5:洗い終わったら泡が出なくなるまでよくすすぎ、洗濯機に入れて3分程度、脱水をする。中の素材が偏らないように、短めにしましょう。
6:中素材をたたいて均等に整え、風通しの良い場所で天日干しする。
7:しっかりと乾いたら、枕カバーをかけて完了。 中の素材が偏ると寝心地が悪くなってしまうので、脱水後は形を整えて平たい台の上において干すのがオススメ。商品によっては吊り下げて乾燥させることもできますが、偏りが出やすいので注意が必要です。
■ビーズ・パイプ
一般的には手洗いで洗える商品が多く、洗剤はいつも使っている洗濯用洗剤を使用して大丈夫です。
準備するもの
衣類用中性洗剤、枕が入る大きな洗面器(洗面所の洗面ボウルでもOK)、ぬるま湯
洗濯手順
1:枕カバーを外して、中袋を取り出す。枕カバーは別途、洗濯機で洗いましょう。
2:強い汚れやシミがある場合は、事前に洗剤を染み込ませて浮かせる。
3:洗面器や洗面ボウルにぬるま湯を張り、中性洗剤を入れて混ぜ溶かす。
4:枕の中袋を入れて全体に染み込ませ、手でもみ洗いする。
5:洗い終わったら泡が出なくなるまでよくすすぎ、バスタオルに包んで水気を取る。
6:素材をたたいて均等に整え、風通しの良い場所に吊るして陰干しする。
7:パイプの中までしっかりと乾いたら、枕カバーをかけて完了。 部分的に汚れてしまった場合は、枕全体ではなく強い汚れやシミの部分だけに洗剤をつけて洗うのがオススメ。早く乾燥するためカビの発生を防ぐことができます。もし、ビーズやパイプを中袋から取り出せる場合は、全部出してザルなどに移して水洗いすると簡単です。
■ポリエチレン(パイプ)
一般的には洗濯機で洗える商品が多く、洗剤はいつも使っている洗濯用洗剤を使用して大丈夫です。ただし、事前に洗濯表示を確認するようにしましょう。
準備するもの 衣類用中性洗剤、洗濯ネット
洗濯手順
1:枕カバーを外して、中袋を取り出す。枕カバーは別途、洗濯機で洗いましょう。
2:強い汚れやシミがある場合は、事前に洗剤を染み込ませて浮かせる。
3:洗濯ネットに入れ、洗濯機に入れる。
4:中性洗剤を所定の位置に入れ、「手洗い」や「ドライ」など、ソフト洗いのコースを選んで洗濯する。
5:全ての工程が終了したら取り出し、中素材をたたいて均等に整え、天日干しする。
6:しっかりと乾いたら、枕カバーをかけて完了。 大きくて洗濯機に入らない場合は手洗いを行いましょう。また、大きい枕や分厚い枕は、たっぷりの水を使って奥まで洗う「毛布モード」もオススメです。 洗濯中に中身が出てしまうリスクがあるので、枕だけを洗う場合でも洗濯ネットに入れましょう。
また、枕本体のファスナーがしっかり閉まっているかを確認してください。開いていると中の素材が出て、形を整えるのが大変になります。 枕が完全に乾燥するまで4~5日要する場合も考ありますが、完全に乾かさないとカビの発生の原因となるので、中までしっかり乾燥しているかを確認しましょう。
自宅の洗濯機に入らない時はコインランドリーを使うのもあり
コインランドリーは、自宅の洗濯機よりも大きいサイズの洗濯機が用意されている場合が多いので、大きいサイズの枕を使用している人にオススメです。 また、コインランドリーには乾燥機つきの洗濯機や独立乾燥機があるため、利用することで干す時間も削減することができます。さらに、アレルギーの原因となるダニが死滅するには60℃以上の温度が必要とされているので、乾燥機を使用することで時短だけでなくダニ対策が可能。乾燥機の使用が可能かどうかは、枕についている洗濯表示を確認しましょう。 まれに枕の洗濯を禁止しているコインランドリーがあるので、事前に確認することも大切です。ドラム式洗濯機で洗う際の注意点
また、ポリエステルわたの枕は脱水にかけると中身が偏りやすいので、乾燥させる前に中素材をたたいて均等に整えるのがポイントです。
洗ってはいけない枕のお手入れ方法
次に、洗えない枕のメンテナンス方法をご紹介します。洗えない枕のお手入れの方法は、基本的に定期的に外干しして乾燥させることです。多くの素材は天日干しが理想ですが、天日干しが適さない素材もあるので、その場合は風通しのよい場所で陰干しをしましょう。
■そばがら
そばがらは、天日干しがオススメです。様々な面に太陽の光が当たるように返しながら干せば、日光消毒の効果も期待できます。
お手入れ手順
1:そばがらを取り出し、重ならないように新聞紙の上に広げる。
2:風で飛ばされないように、フードカバーをかぶせる。乾燥用ネットに取り出しても大丈夫です。
3:直射日光を当てて乾燥させる。 少なくとも6か月に1回程度の天日干しがオススメですが、毎日行っても問題ありません。日が沈んでからも外に出しておくと湿気を吸収するため、遅くとも15時くらいには取り込みましょう。
■低反発ウレタン
低反発ウレタンは、陰干しがオススメです。直射日光が当たらない通気性が良い場所に干してください。室内で干す場合は、扇風機の風を当てて通気性を高めましょう。
お手入れ手順
1:素材保護用のカバーをつけたまま、風通しのよいところで陰干しする。
低反発ウレタンは小さな気泡が連続しているするスポンジ状の構造のため、空気の出し入れをするだけで清潔に保つことができます。毎日使用するだけでも空気の入れ替えができるので、頻繁に陰干しする必要はありません。ですが長時間使用していない場合は古い空気が溜まっているので、一度陰干ししてから使用しましょう。
■羽毛
羽毛は、週に一度くらいの陰干しがオススメです。直射日光が当たらない通気性が良い場所に干してください。室内で干す場合は、扇風機の風を当てて通気性を高めましょう。
お手入れ手順
1:風通しのよいところに新聞紙を置いて枕を乗せ、陰干しする。
2:干した後は両側から軽く叩いて中の羽根をほぐす。 新聞紙の上に枕を乗せると、枕の湿気を吸い取ってくれるので効率的に湿気を除去できます。