睡眠薬の種類にはどんなものがある?それぞれの効果や注意点

睡眠薬の種類にはどんなものがある?それぞれの効果や注意点

睡眠コラム

睡眠薬の種類にはどんなものがある?それぞれの効果や注意点

睡眠薬
「睡眠薬の種類が多すぎて何がなんだか分からない」 「それぞれの睡眠薬にはどんな効果があるの?」 このように、睡眠薬に関して疑問を持つのは、服用し始めたばかりの頃であれば当然です。 確かに種類も多く、風邪薬のように身近な存在でもないため、難しい部分ですよね。 しかし、睡眠薬の種類を知らないまま飲んでしまうと、適切な効果が得られなくなってしまいます。それだけでなく、飲み過ぎて体調を崩してしまうということもあるのです。 今回は、睡眠薬の種類について解説していき、それぞれの効果や注意点もご紹介していきます。 この記事を読めばどんな睡眠薬があるかが分かり、安心して服用することができますよ!

1.睡眠薬と睡眠改善薬はどう違う?

睡眠薬、睡眠導入剤、睡眠改善薬など、睡眠薬関係には様々な用語があり、それだけでも迷ってしまいますよね。 少しでもシンプルに考えられるように説明していきます。まず初めに、睡眠薬と睡眠導入剤は同じ意味と捉えて構いません。 寝付きを良くする薬のことを睡眠導入剤と言うこともありますが、薬としての成分、本質は同じです。 ある人が数ある睡眠薬の中で、ある薬を飲んだらすぐ寝られたとなったら、それは「睡眠を導入した」と言えるかもしれません。 個人差もあることになると思いますので、この2つの用語に関しては区別して使用する必要はないと言えるでしょう。 もし医師から寝られないことで、薬を処方されているのであれば「睡眠薬を処方された」と捉えて頂いていいと思います。 「睡眠薬は飲んでいるが睡眠導入剤は飲んでない」という表現は少し違和感を覚えますね。どちらかというと、睡眠薬の強さの違いが睡眠を導入するのか、それとも睡眠を維持するのかに関わってくるのです。 一方で睡眠改善薬は、薬局やドラックストアで買える一般用医薬品にあたります。医師の処方が必要な睡眠薬よりは効果は弱いです。 より自然な眠りを促進する効果が期待できると書かれていることもありますが、個人差があることかと思います。効果が弱い分、睡眠薬と比較すると即効性は弱いと言えるかもしれません。 依存性が少ないと言われることもありますが、それも人それぞれです。依存といっても幅はあると思いますが実際、市販のサプリメントを「これを飲まないと寝られないんです」とおっしゃる方もいました。 ある意味この人はサプリメントに依存していると言えるのかもしれません。

2.睡眠薬の種類を大きく分けると2種類

睡眠薬は大きく分けると2つになります。 「脳の活動全般を抑える薬」と「不眠の原因と考えられる体内の物質の分泌や伝達を調整する薬」です。 現在医師が処方する睡眠薬は脳の活動全般を抑える薬が多いですね。理由としてはこちらの薬が先に開発されたからであり、歴史もこちらの方が長いため。 その結果、今でも医療機関でよく処方されています。欧米ではこのような脳の活動全般を抑える薬のことを「ノックダウン型」として服用に警笛を鳴らしており、処方されることも減ってきました。

2-1.バビルツール酸系:最初にできた睡眠薬

バルビツール酸系の睡眠薬は、もともと麻酔の時に用いるために開発されたものです。 これが最初に登場した睡眠薬となります。脳の中枢神経、つまり脳そのものを鎮静させるようなイメージの薬ですね。そのため、効果は強力ですが、強すぎるので用法を少し間違えると危険なことになってしまい、取り扱いが大変難しい薬です。 このような背景から、最近では睡眠薬として使われることはほとんどありません。

2-2.ベンゾジアゼピン系:日本でも多く使われている睡眠薬

こちらもいわゆる「ノックダウン型」になります。 現在、日本でよく処方されている種類の薬と言ってもいいかもしれません。ベンゾジアゼピン系は脳神経の興奮を抑える働きをしているGABAに作用する薬です。 1930年代に登場し、最初は不安を取り省くために作られました。睡眠薬として使用されるようになったのはそのあと。バルビツール酸系と比べると安全とされて使用されるようになってきたのです。 しかし、ベンゾジアゼピン系の薬が浸透するにつれて、依存の問題が取り上げられるようになりました。「薬を飲まないと寝られなくなる」といったことがよく聞かれるようになったのです。 ベンゾジアゼピン系の薬も脳全体を鎮静させる薬になるので、不眠の原因を解消しているものにはなりません。 ベンゾジアゼピン系には副作用を少なくできないか、ということで開発された非ベンゾジアゼピンという薬もあります。筋弛緩や記憶障害などの副作用は抑えられているものの、薬の作用はベンゾジアゼピン系とほぼ同じです。

3.新しい睡眠薬の開発はどんどん進んでいる

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は世界的に使用頻度が減少しています。理由としては、依存が挙げられます。 飲み始めると止められなくなるという身体依存が多く報告され、問題視されているのです。そんな中で、不眠の原因と考えられる体内物質の分泌や伝達を調整することで、自然の眠りを作ろうという薬も開発されるようになりました。

3-1.メラトニン受容体を刺激する睡眠薬

メラトニンはサーカディアンリズムにおいて重要な役割を担うホルモンです。 また、メラトニンは光の刺激によって分泌が抑制されることが分かっています。メラトニンが分泌されることで体温が下がり、眠るための準備が整えられるということですね。 そのため、メラトニンは「睡眠ホルモン」「眠りのホルモン」と言われることもあります。このメラトニンに注目して作られたのが、メラトニン受容体作動薬。生体リズムをつかさどる、視交叉上核(しこうさじょうかく)にあるメラトニン受容体を刺激することで、メラトニンの神経伝達を促す仕組みになっています。 ベンゾジアゼピン系との大きな違いは記憶障害や筋弛緩などの副作用が少ないこと。そして、長く飲み続けても依存性が出ないことです。 アメリカではメラトニンは、サプリメントとしてドラッグストアなどで市販されています。副作用に関しては、まだ分からないことが多いですが、末梢に作用すると生殖機能、炎症促進作用、細胞増殖に影響を与える可能性の指摘が多いですね。

3-2.オレキシンの機能を抑制する睡眠薬

オレキシンの機能を抑制する睡眠薬は、睡眠薬として最も新しい薬です。オレキシンが働くことで人は覚醒することができています。 よって、そのオレキシンの働きを弱めることで眠気を引き出そうと考えられた薬だというわけです。それが、オレキシン受容体拮抗薬になります。 ベンゾジアゼピン系のように脳の活動全般を低下させる「ノックダウン型」ではありません。睡眠中の脳派も自然な形になります。副作用に関しては、まだ分かっていないことが多いですが、依存性はないと考えられることが多く安全性は高いと言えるでしょう。

3-3.睡眠改善薬

ここまで説明してきたのは、医師から処方してもらわないと服用できない睡眠薬です。 一方で薬局やドラッグストアなどで手に入る市販薬もあります。睡眠改善薬と記されている商品で、その多くは抗ヒスタミン薬のことです。 ヒスタミンは覚醒を促す物質のひとつ。ヒスタミンの受容体を抑制すると、副作用として眠気が出てきます。またサプリなども近年では発売されてきましたね。

4.睡眠薬の種類にも要注意!使う際に気をつけるべきこと

睡眠薬は使い方によっては適切な効果を得ることができません。基本的には医師と相談しながらの処方になるはずなので、あまり心配もいりませんが、服用する睡眠薬に関しての注意点は知っておいて損はないでしょう。 どの部分に注意したらいいのか、それぞれ解説していきます。

4-1.大前提として専門の知識を持つ医師に相談する

大前提として、睡眠薬を使う際には医師としっかりと相談するということが大切になります。 自分で睡眠薬を選ぶこともできますが、必ず医師に相談しましょう。相談しながら治療を進めることで、薬と向き合うことができ、睡眠薬を使わずに眠れるようになることもあります。 分からないことは積極的に質問することや、睡眠の状況に変化が見られたら逐一報告などをすると、医師も判断をしやすくなりますね。

4-2.睡眠薬の副作用についても理解する

睡眠薬によって副作用は異なります。処方されるのが、どういった睡眠薬で、どういった副作用があるのかはしっかりと聞いておきましょう。 副作用を知っておくことで、服用後の行動にも注意を払えるようになります。 また、持越し効果などの有無についても知っていれば、風邪なんかと混同することもなくなるでしょう。 処方時に医師から説明があるはずなので、メモなどを取っておくのもおすすめです。

4-3.安易に飲まずに正しい知識を手に入れる

睡眠薬を飲めば簡単に眠れるからといって、安易に飲み過ぎるのは良くありません。 そもそもの眠れない原因は何なのか。他の病気が関係していないかなども知ったうえで、医師から提案されて初めて使うというのが理想的です。 他の病気などが原因であれば、しっかり医療機関を受診して必要なら、その併存している疾患の治療を優先すること大切になってきます。 すぐに睡眠薬を飲むのではなく、どういった場合に飲むべきなのか、正しい知識は手に入れておきましょう。もちろん、最終的には医師に確認することが重要です。

まとめ:睡眠薬のリスクもしっかりと知って使おう

睡眠薬は、スムーズに睡眠に移行できる反面、副作用や依存などのリスクもあります。 眠れないとついつい手を出してしまうということも聞きますが、本来は簡単に使うべきではないものなのです。 最後に今回の記事をまとめておきます。
  • 睡眠薬は「バビルツール酸系」と「ベンゾジアゼピン系」の2種類が主
  • 睡眠薬は便利だが依存などのリスクもある
  • 睡眠薬を使用する際は、用法用量をきちんと守る
  • 睡眠薬を使用する際は、まず医師に相談する!
どんどん、睡眠薬の開発も進んでおり、負担がかかりにくいものも出てくるようになりました。 しかし、一般的には睡眠薬の知識は、まだまだ浸透していないのが現状です。便利ではありますが、使い方を間違えるとリスクも大きくなるので、しっかりと医師に相談して使うようにしましょう。
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寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...