「睡眠」から可視化する 新・健康経営サービス
「睡眠」から可視化する 新・健康経営サービス
日本の睡眠時間の変化
コロナ禍以降睡眠時間は増加傾向にありましたが、2025年の有職者1万人における平均睡眠時間は6時間50分と、過去5年の調査において最も長い時間となった2024年と同等の結果となりました。コロナ禍以降睡眠時間は増加傾向にありましたが、OECD加盟国の平均睡眠時間である8時間28分と比較すると引き続き圧倒的に短い睡眠時間です。日本の睡眠時間は世界でも最低レベルにあることに変わりありません。今後日本の平均睡眠時間延長のためにはより意識的に改革する必要があると考えられます。
《調査結果》
2024年と比較して変化なし。
20~30代は平均睡眠時間7時間を超える


*全データにおいて一元配置分散分析を行い、有意差ありと確認(p<0.01)。また、前年との睡眠時間の比較についてはBonferroni補正したt検定を行い、2020~2024年において有意差ありと確認(いずれもp<0.01)
2020年以降右肩上がりに睡眠時間は増加傾向でしたが、2025年は2024年と同等の6時間50分という結果となりました。
また年代別では、20代・30代の平均睡眠時間は7時間を超えていることがわかりました。5年間で20・30代の若年層は増加傾向にあるのに対し、40・50代は微増に留まり、60代以上は減少していることがわかりました。
睡眠状態誤認
睡眠状態誤認とは「実睡眠時間」と「体感(本人が感じている)睡眠時間」に解離がある状態を言います。
《調査結果》
実睡眠時間より体感睡眠時間が23分短いと感じている方が多い


※実睡眠時間と体感睡眠時間の間でt検定を行い、有意差ありと確認(p<0.01)
本調査では約52%の方が実睡眠時間より体感睡眠時間の方が短く感じており、実睡眠時間の平均は6時間50分、体感睡眠時間の平均は6時間27分と、23分短い結果となりました。
さらに男女別で分析した際には男性は5分、女性は10分と女性の方が実睡眠時間を過小評価する傾向が見られました。
また起床時の「倦怠感」や「肩や腰の痛み」など不調を感じている人の方が睡眠時間を過小評価する傾向にありました。
定時後の優先行動の理想と現実のギャップ
日々の行うべきタスクが消化されてから、眠りにつくという方も多いのではないでしょうか。定時後に優先している行動が理想と現実で最も乖離があるのは「睡眠」という結果となりました。
《調査結果》
「睡眠」を優先したいと思っているが、
実際は「仕事(残業や通勤時間を含む)」が優先されている


* 最も優先したいと回答した方の割合について理想と現実の間でカイ二乗検定を行い、すべての行動において有意差ありと確認(p<0.01)
定時後に最も優先したい行動の「理想」として最も多かったのは「睡眠」の36.4%であり、「実際に」優先されているのは「仕事(飲み会を含む)」の25.2%という結果となり、「定時後」ではあるものの、仕事を選択している方が最多の回答でした。 また理想と比較して現実に優先している行動で減少しているのは「睡眠」と「趣味」であり、「睡眠」は最も差が大きいことがわかりました。 本調査より、睡眠を優先したいと思っている方は多いものの、実際には優先することが難しい状況であることがうかがえます。
通勤時間と睡眠の関係性
通勤時間※1と睡眠時間には相関性があることが報告されています。
本調査では通勤時間は、睡眠時間だけでなく、睡眠の質にも影響を及ぼすことが判明しました。
*1 多田・杉下,内閣府経済社会総合研究所,2010
《調査結果》
通勤時間が長いと、睡眠時間だけでなく睡眠の質にも影響がある


* 通勤時間:1日に通勤に費やしている時間
* 睡眠の質スコア:オリジナルの質問の回答結果をスコアリング
* 通勤時間と睡眠時間の間、通勤時間と睡眠の質スコアの間で回帰分析を行い、それぞれ有意であることを確認(p<0.01)
「睡眠時間」が最も長いのは通勤時間が「30分未満」の群で6時間58分、最も短いのは「3時間以上」の群で6時間24分で34分の差がありました。
「睡眠の質」が最も高いのは通勤時間が「0分(全く出勤しない)」方で57.3ポイント、「3時間以上」の方は51.4ポイントであり、約6ポイントの差が見られました。
睡眠時間が短縮するということは容易に想像ができると思いますが、本調査においては睡眠時間が短縮するだけでなく睡眠の質にも影響があることがわかりました。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の認知度
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」状態や無呼吸手前の弱い呼吸「低呼吸」状態が発生する睡眠障害です。
睡眠障害の中でも最も頻度が高い病気のひとつです。※1日本において潜在患者数は2,200万人と推測されており、治療が必要な中等症以上の患者数は940万人に上ると言われています。※2
※1 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020
※2 Benjafield AV, et al: Estimation of the global prevalence and burden of obstructive sleep apnoea: a literature-based analysis. 2019.
《調査結果》
SASの認知度は約77%


SASという病気を聞いたことがある方は約77%という結果となり、多くの方が耳にしたことがあることがわかりました。
またSASという病気を聞いたことがあると回答した人にどの程度SASを理解しているか聞いたところ、「いびき」や「太っている」こととの関連性はよく知られているが、「女性」や「子供」のSASに関する情報や保険適応となるケースがある事実はあまり知られていないことが明らかになりました。

ブレインスリープでは本調査に関する様々な情報提供が可能です。ご利用になりたい際はお問い合わせください。
※本調査内容をご利用の際、出典元として『睡眠偏差値® ブレインスリープ調べ』と必ず記載いただくようお願いいたします。
【調査概要】
調査手法:web調査
対象地域:全国
対象者条件:男女
サンプル数:n=10,000ss
調査実施期間:2025年1月
※集団間の睡眠偏差値、スコアの比較においては、一元分散分析、あるいはt-検定を行い、有意水準5%以下を統計的に有意な差と判定し記載しました。
※昨年と一部対象者、調査項目を変えて調査を行っております。

イノベーションパートナー
睡眠状態を可視化し、現状把握、解決施策提案、効果検証まで実施可能です。
より詳細なサービス内容は、下記よりご覧ください。
その他コンサルティング
【COMING SOON】
本年の睡眠偏差値の調査でも、いくつかの注目すべき結果が得られました。睡眠時間に関しては明らかな増減は見られなかったものの、約半数の人々が実際の睡眠時間よりも眠れていないと感じており、いわゆる「睡眠状態誤認」の傾向が明らかとなりました。さらに睡眠時無呼吸症候群については、約80%もの人が病気を認識しており、理解していると回答していたことは非常に興味深い結果でした。
睡眠の重要性の理解だけでなく睡眠に関連する病気についても関心が高まっていると言えます。また以前より謳われてた通勤時間と睡眠時間の関係についても、時間の短縮だけでなく、睡眠の質の悪化に繋がっていることも明らかとなりました。睡眠課題は、個人だけで解決することは困難なことも多く、企業や政府が行っている睡眠課題解決に向けた社会的な取り組みがより一層推進されることを期待しています。