梅雨から夏にかけては、寝る時の睡眠環境を調節するのが難しく、夜の寝苦しさに悩んでいる方が多いかと思います。この記事では、そんな暑くて寝苦しい夜でも、ぐっすり快眠できる方法とオススメのアイテムについて紹介しています。
寝苦しい夜の原因
人の体温には大きく分けて2種類あります。1つは体の表面の温度である皮膚温で、脇や口の中の温度を測ると分かる、一般的な体温です。もう1つは、脳を含めた内臓など、体の内部の温度である深部体温で、生命維持のために皮膚温より1℃程度高くなっています。 人は手足からの放熱によって深部体温が下がり、皮膚温との差が縮まることで、自然と眠気を感じるようになっています。また、体温を下げることで脳をリラックスモードに変えることができるので、深部体温を下げることが良質な睡眠のためには重要です。 ですが、夏場は温度・湿度ともに高いことで深部体温が下がりにくいため、なかなか寝つけず、寝苦しく感じることが多くあります。
寝苦しさを更に加速させる原因
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晩春から初秋にかけては、夜の暑さや湿度の高さによって寝苦しく感じますが、室温や湿度以外にも、寝苦しさを加速させる原因があります。
1:心身のストレス
通常、ストレスは交感神経を優位にするため、寝つきが悪くなり、睡眠の質を低下させます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じてしまうため、不眠症になりやすいと言われています。 ストレスは、人間関係の問題や、仕事のプレッシャーなど、負の感情だけではなく、翌日に旅行やデートなどの楽しい予定がある時にも感じます。また、転職や引っ越しなどによる生活環境の変化がストレスになることもあります。
2:生活リズム(体内時計)の乱れ
人の体には24時間12分のリズムで生理機能や行動を調節する体内時計が備わっていますが、睡眠習慣や生活リズムの乱れによって体内時計が乱れると、夜間の適切な時間帯に眠ることができなくなります。また、眠りが浅くなることで、十分な時間眠っても疲れが取れないこともあります。 夜更かしが多い方や、日勤と夜勤がある仕事をしている方などは注意が必要です。疲労感が取れず、だるさや頭痛、イライラしやすい、食欲低下などの症状につながります。
3:睡眠前の行動
睡眠前の行動によって、睡眠の質が変わります。 例えば、カフェインは覚醒を促すため、夕方以降に飲むと寝つきが悪くなることがあります。アルコールを大量に摂取すると眠りが浅くなったり、利尿作用によって目が覚めてしまう可能性があるので、注意が必要です。 また、明るい光は覚醒を促すので、入眠1時間前からは間接照明にして、パソコンやスマートフォンの使用を控えるようにしましょう。
4:睡眠環境が整っていない
眠る時の室内や寝具の環境が整っていないと、睡眠の質が低下してしまいます。 例えば、寝室の温度や湿度が高くて不快、照明が明るい、音がうるさいなどの睡眠環境では、深い眠りを得ることはできません。 また、寝心地が悪い、スムーズな寝返りが打てないなど、体に合わない枕やマットレスを使用すると、翌朝、疲れが取れていなかったり、体に痛みを感じる可能性があるので、寝具にこだわることも大切です。特に、肩こりや腰痛といった不調を感じる方は、現在使用している寝具との相性が悪い可能性があります。
寝苦しい夜を変えるための方法
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寝苦しい夜を、快適な睡眠に変える方法をご紹介します。
1:睡眠前の行動を変える
睡眠前の行動を意識することで、生活リズムや体内時計を整えることができます。できる限り、平日と休日が同じリズムにすることも大切です。
食事や飲み物 食後は消化をするために内臓が働くため、睡眠直前に食事をすると眠りが浅くなるので、食事は入眠3時間前に終えるようにしましょう。アルコールも眠りを浅くしたり、利尿作用によって目が覚める原因となるので、入眠3時間前には飲み終えましょう。
入眠モードに切り替える 眠る1~2時間程度前に、少しぬるめのお湯(40℃程度)につかると、リラックス効果で副交感神経が高まるだけでなく、体温が下がるタイミングで眠気を誘発させることができます。ただし、入眠直前に42℃以上の熱いお風呂につかると、交感神経が高くなるので気をつけましょう。 軽いストレッチも、体が適度に疲れ、自然に眠気が生じて入眠しやすくなるのでオススメです。
2:睡眠環境を整える
室温や湿度、寝床内温度、就寝前の寝室の照明、睡眠時に聞こえる音環境、体に合わない寝具などの睡眠環境によって、寝つきを悪くしたり、睡眠の質を低下させてしまうことがあります。
室温・湿度 寝室の室温は、
夏は25〜27℃前後、冬は15〜18℃前後、湿度は通年50〜60%が理想と言われています。また、寝床内温度は30℃前後、湿度は50%前後が快適とされています。 夏は熱帯夜のような暑い夜もあれば、雨の日など涼しい日もあるので、冷房の温度は26〜28℃を目安に調節して室内環境を整えましょう。また寝つきを良くするためには、眠る前に寝室を冷やしておくことが大切です。この時、掛け布団をめくっておくと布団の中も冷やされて、スムーズに眠ることができます。
照明 睡眠を促すホルモン「メラトニン」は、照度が高い光を浴びると分泌が抑制されて脳が覚醒し、スムーズな入眠を妨げるので、眠る1時間前からは間接照明にし、パソコンやスマートフォンの使用を控えるなどして、強い光を浴びないようにしましょう。 また、色温度も大切で、入眠前は色温度が高い白色~青色の寒色系の明かりよりも、色温度の低いオレンジ色に近い暖色系の明かりがオススメです。明るすぎず、赤みを帯びたやわらかい光でリラックスしましょう。
音 換気扇やテレビの音、ドアの開閉音などの生活機器が発する程度の音量でも、半数の人は睡眠が阻害されると言われているので、静かな部屋で眠るようにしましょう。 また、入眠前にリラックスする音楽を聴くことは良いとされていますが、テレビやラジオをつけっぱなしにして眠ると、覚醒が促されて睡眠の質が悪くなってしまうので、睡眠時には、家の外からの騒音を遮断し、テレビやラジオを消しましょう。 もし、電化製品などの小さな音が気になって眠れない場合は、睡眠用のヒーリング音楽などを流し、タイマーで切れるように設定しておくのがオススメです。
寝具 枕やマットレスは体格や睡眠の悩みに合ったものを選び、掛け布団は肌ざわりや軽さ、暖かさを意識しましょう。さらに、吸湿性や放湿性に優れた寝具を選ぶことで、湿気を溜め込まずに良質な睡眠を得ることができます。 また、私服のTシャツやスウェットではなく、睡眠の質を高めてくれるパジャマを着用するようにしましょう。パジャマは不必要な装飾や締め付けがなく、寝返りが打ちやすくなります。
寝苦しい夜とサヨナラ
梅雨から、夏、初秋までは、気温や湿度が高く、寝苦しいと感じる夜が増えます。 睡眠の質が低下すると、日中のパフォーマンスに影響が出るので、睡眠前の行動を意識したり、睡眠環境を整えることで、寝苦しさを改善しましょう。