ベッドに並んだ2つの枕

枕の理想的な高さとは?睡眠の質を高める枕の選び方も解説

枕の理想的な高さとは?睡眠の質を高める枕の選び方も解説

快眠・安眠 睡眠

「毎朝起きると、しっかり寝たはずなのに疲れが残っている」 「枕を買い替えてから、次の日のパフォーマンスが落ちた」 このように睡眠時間は確保できているのに疲れが取れないのは、枕の高さのせいかもしれません。

では、いま使っている枕の高さはどのくらいでしょうか?パッと答えられる方は、あまり多くないはずです。しかし枕の高さは、次の日の体調も変えてしまうほど人に影響を及ぼします。

そこで今回は、そんな枕の理想的な高さを解説します。 この記事を読んで、あなたに合った高さの枕を生活に取り入れてください。

枕の理想的な高さはどのくらい?

こちらを向いて横向き寝をする女性

理想的な枕の高さを知ることは、健康な毎日への第一歩です。 枕の理想的な高さには個人差がありますが、一般的には以下の通りです。

仰向けの場合 1.5〜5cm
横向きの場合 4~10cm
うつ伏せの場合 0.5~3cm

枕の専門店では個人に合わせて測定をおこない、ベストフィットな枕の高さを提案してくれますが、自分で理想の高さを知るには専門的な知識が必要なため、難易度が高いでしょう。 そこで、「自分で最適な枕を見つけたい!」という方のために、正しい枕の高さ選びのポイントを3つご紹介します。

1:頸椎をしっかり支えられる高さ

頸椎は、成人の体重の1/10程度を占める頭部を支える役割をしています。この頸椎を寝ているあいだに負担がかからないようしっかりと支えながら、正しい姿勢を保てる高さが理想的です。

仰向けで寝たときの頭から肩にかけての隙間を埋められるのが、1.5〜5cm程度といわれています。自分に合った高さに微調整してみるといいでしょう。

2:仰向き寝で背骨がゆるいS字を描く高さ

仰向けで寝る際の理想的な高さのイラスト

人間の背骨は身体を支えて二足歩行するために生理的に湾曲していて、ゆるいS字を描いています。しかし、本来の湾曲した背骨の形が歪むと、猫背や反り腰になってしまい、結果として身体に負担をかけることになります。

眠るときの姿勢もこれと同じことがいえます。 仰向けに寝た際にきれいなS字を描くことができないと、身体全体で体重を分散させることができず、肩こりや腰痛の原因にもなるのです。

具体的には、首から頭にかけての傾斜角度が10〜15度、額より顎の先が5度程度下がっている状態になるのが理想的な高さです。

適切な高さの枕を使用することで、背骨がゆるいS字を描き、快適な睡眠につながります。

3:横向き寝で背骨がまっすぐになる高さ

横向きで寝る際の理想的な高さのイラスト

普段から横向きで寝ることが多い方は、「背骨がまっすぐになる高さ」が理想的です。 枕が高すぎて首がうえに曲がってしまうと、身体の片方に負担がかかって肩こりなどの原因になってしまうため、図のように頭から足先まで身体が一直線になる高さの枕を選びましょう。

横向き寝に理想的な枕の高さは、仰向け寝の枕より少し高い4~10cm程度です。 横向き寝は、気道が確保されやすいことでいびきの改善に効果的というメリットもあるため、いびきに悩んでいる方は寝姿勢と枕の高さを一緒に見直してみることをおすすめします。

寝姿勢のことを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説

枕の高さが合わないと生じる症状

考え事をしている女性

枕が高すぎたり低すぎたりして正しい姿勢で眠れていないと、睡眠時に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。ここでは、枕の高さが合っていないことで引き起こされがちな症状を説明します。

  • いびき・睡眠時無呼吸症候群
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 腰痛
  • 睡眠の質の低下

いびき・睡眠時無呼吸症候群

枕が高すぎることにより気道が圧迫される、枕が低すぎることで舌が落ちて気道を塞ぐなどの原因によっていびきや睡眠時無呼吸症候群といった睡眠中の呼吸障害が引き起こされることがあります。

頭痛

枕が高すぎることが原因で、偏頭痛や緊張性頭痛といった頭痛が起こることもあります。これは、高い枕が首や頭部の血管を圧迫し、血流が悪くなってしまうためです。

また、枕が低すぎると、筋肉の緊張や血行不良によって頭痛が起こる場合があります。

肩こり

枕の高さが合わないことで、肩や胸周りの筋肉が緊張したり圧迫されたりして、肩こりを引き起こすことがあります。悪化すると体のしびれを感じたり、首の痛みにつながることもあるため注意が必要です。

寝起きの首の痛みは、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
寝起きで首が痛いのは枕が原因?枕が合わないと出る症状や正しい選び方

腰痛

枕が高すぎる、もしくは低すぎることで、理想の寝姿勢である「S字」をキープできなくなります。そうすると腰に体重がかかりすぎたり腰が反りすぎたりして、腰痛が引き起こされることがあります。

睡眠の質の低下

ここまでで説明した上記のような症状があると、睡眠の質に大きく悪影響を及ぼしてしまいます。

睡眠の質は日中の活動やパフォーマンスに関わるため、睡眠時間を確保するだけでなく、枕の高さや寝姿勢を見直し、質を担保することもとても大切です。

高さは工夫次第で変えることができる

枕を買ったあとに「やっぱりちょっと高さに違和感がある」という場合もありますよね。 そんなときはバスタオル一枚で高さを調整できます。

枕が低い場合

  1. 枕の下にタオルを敷き、頭を乗せる
  2. 首の隙間が埋まっているか、S字姿勢を保てているかをチェックする
  3. 合わない場合、タオルを増やしたり折りたたんだりして高さを調整する
枕が高い場合
  1. 肩の下にタオルを折りたたんで敷く
  2. 首の隙間が埋まっているか、S字姿勢を保てているかをチェック
  3. 合わない場合、タオル増やしたり折りたたんだりして高さを調整する

他にも中の素材の偏り具合を変えるだけでも、高さに違いが出てきます。 ちょっとした工夫ですが、次の日の体調が改善する可能性があるため、ぜひ試してみてください。

高さ以外に気をつけたい枕を選ぶポイント

ベッドに置かれた枕

大きさ

寝返りをうっても頭が落ちないよう、頭のサイズより多少余裕のある大きさの枕が理想です。

具体的には自分の頭3つ分の幅程度で、肩口までカバーできる奥行きもある、幅60cm以上、奥行き35cm以上のものを選ぶとよいでしょう。

硬さ(素材)

枕は素材によって劣化の進行度は変わり、数年同じ寝心地を保ってくれるものもあれば数ヶ月でヘタってしまうものも。

例えば、ポリエステル綿の枕はやわらかく、水洗いができるため清潔に使える分、耐久性がそこまでよくありません。

中身を変えられる素材であれば、入れ替えるだけで済みますが、そうでないものは買い替えるほかありません。好みの寝心地と耐久性を加味し、素材を事前に確認しておきましょう。

寝返りのしやすさ

寝返りがうまくできないと、頭や身体の同じ箇所にずっと負荷がかかり続けることになります。沈み込みやすい枕はフィット感がよい分、寝返りがしづらいものもあるため、適度に弾力のある枕を選ぶことをおすすめします。

お手入れのしやすさ

枕は一見キレイに見えても、様々な汚れが付着しています。放っておくと黄ばみやニオイ、カビやダニの発生につながってしまいます。

枕には洗濯ができるものとできないものがあるため、こまめにお手入れしたい方やお気に入りの枕を長く使いたい方は、洗濯できる素材のものを選ぶとよいでしょう。

洗濯可能な素材は主に以下の通りです。

  • ポリエステルわた
  • ポリエステル樹脂(パイプ)
  • ビーズ
  • 熱可塑性エラストマー(TPE)
  • コルマビーズ
  • ストロー

枕のお手入れ方法は、以下の記事も合わせてご覧ください。
枕の正しい洗濯方法とは?洗濯機・手洗いの方法や洗濯しやすい素材について

自分に合った高さの枕で熟睡感を手に入れよう

枕の高さを変えるだけで、次の日の体調やコンディションは大きく変わります。いままであまり気にしていなかった方も多いと思いますが、それだけ影響が大きいということをぜひ覚えておいてくださいね。

最後に今回の記事を簡単にまとめます。

  • 枕の高さは睡眠の質にも影響する
  • 仰向けになった際に背骨がゆるいS字を描く高さが理想的
  • 横向きになった際には背骨はまっすぐになる高さが理想的
  • 多少の高さならバスタオル1枚で調整できる
  • 枕は、高さ以外にも、大きさや寝返りのしやすさも大切

これらのポイントを踏まえ、自分に合った高さの枕を使用することで、毎日の熟睡感を手に入れましょう。

睡眠の質を高めるブレインスリープの枕3選

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寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...