概日リズムとは?崩れると睡眠障害の危険性も…
概日(サーカディアン)リズムとは?
私たち人間の身体には、地球の自転に伴う環境変化に適応するために獲得した
概日(サーカディアン)リズムがあります。
体内時計による1日周期のリズムと言っても良いでしょう。サーカディアンリズムは睡眠・覚醒リズムや、血圧、体温、ホルモン分泌量の変化などに密接に関わっています。例えば、海外に行くと体調が崩れますが、これは時差によって身体のリズムが狂ってしまうことが原因です。
概日リズムが崩れると睡眠障害になる?
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人間の平均的な概日リズム(日内変動のリズム)は
24.2時間ほどと言われています。そのため、何もしないでいると毎日時間が少しずつ後ろにずれていってしまうことになりますが、人間は日々体内時計を調節することで社会生活を営めるようにしています。この調節ができなくなると、体内時計の周期を24時間周期に同調することができなくなるため、学校や会社に時間通りに通えなくなり、社会生活を営む上で問題を抱えます。このようなリズムの乱れは、
概日リズム睡眠障害と呼ばれ次のような症状が現れます。
概日リズム睡眠障害の種類
睡眠相後退症候群
睡眠相後退症候群では、睡眠・覚醒のリズムが遅れ、明け方まで眠れないようになり、起床時間も遅くなります。睡眠時間や睡眠パターンには問題ないことが多いものの、午前3~6時の就寝になるため、起床時刻も午前11時~午後2時頃になってしまいます。思春期から青年期にかけて多く起こり、学校の遅刻や欠席が増えます。
睡眠相前進症候群
逆に、リズムが前にずれることで、就寝時刻が前にずれていくのが睡眠相前進症候群です。夕方頃から眠気を感じ、深夜に目がさめるパターンになります。睡眠相後退症候群に比べ、深刻度は低いとされていますが、勤務時間内に眠くなって集中力が落ちてしまったり、就寝時刻が遅れて早朝に覚醒するため睡眠時間が十分に取れないなどの支障が出ます。
上記二つの障害は就寝時間が通常と外れているものの、毎日ほぼ一定であるのが特徴ですが、睡眠・覚醒のリズムが毎日どんどんずれていく
非24時間型睡眠覚醒症候群(フリーラン)という障害もあります。多くは1日に1時間程度ずつずれていくと言われています。特に視覚障害者の場合に、体内時計を光によって24時間周期に調節できないため起こりやすいとされていますが、稀に目が見える人にも存在します。
その他、脳機能障害の患者さんに見られる、明確な睡眠・覚醒の概日リズムに欠ける不規則型睡眠・覚醒パターン、交代勤務従事者に見られる体調不良である交代勤務睡眠障害、時差ボケ(時差症候群)も概日リズム睡眠障害です。
概日リズムを整えるための習慣
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概日リズムを調整するために何が有効なのでしょうか。
最も大きな因子は
「光」になります。朝強い光を浴びると体内時計は早まると言われています。そのため、後退症候群の人は朝から午前中に、前進症候群の人は夕方以降に、強い光を浴びると効果があるとされています。
「食事」も体内時計のリズムを調節する大事な要素の一つと言われています。特に朝食は必須で、身体の目覚まし時計の意味もあるとされています。
もう一つ大切なのが「運動」で、日中に適度に身体を動かして活動量を上げることが睡眠の質を高めるためにも、リズムを整えるためにも大事です。日中の活動量が活発でないと、身体は睡眠モードに入りにくいです。
7つの習慣を守ってあなたも体内時計マスター!
これらを踏まえ、最後に体内時計を整えるための7つの習慣をご紹介します。
1.起きる時間を一定にする:平日、週末共に一定にすることが大切。週末に遅く起きてしまうと、月曜日にリズムを戻せず、軽い時差ぼけのような状態になる。
2.朝起きたら、朝日を浴びる
3.朝食をきちんと摂る
4.日中はしっかり活動する
5.体温変化を意識する:体温が下がってくるタイミングが眠りやすい時間。お風呂やシャワーを工夫することで眠りをコントロールしやすくなる
6.夜は強い光をできるだけ浴びない:眠る前にスマホを見ない
7.規則正しい生活を心がける