寝返りが打てない原因は?大人の寝返りの必要性と快眠を手に入れるための寝具選び方

寝返りが打てない原因は?大人の寝返りの必要性と快眠を手に入れるための寝具選び方

寝具の選び方

寝返りが打てない原因は?大人の寝返りの必要性と快眠を手に入れるための寝具選び方

快眠・安眠
目覚めると体が痛い、よくよく考えてみると寝た時の姿勢と同じ姿勢で起きることが多い……。そんな方は、もしかすると今使っているマットレスや枕が合っていないために、寝返りが打ちにくいのが原因かもしれません。そこでこの記事では寝返りと睡眠の関係性について解説していきます。
<監修>

中島 正裕

理学博士/株式会社ブレインスリープ取締役CFO/睡眠健康指導士上級

1983年山口県出身。2007年東京大学理学部物理学科卒業、2012年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学博士)。 株式会社ブレインスリープには2019年5月の設立時より取締役として参画。CFOとして財務面の統括及びパートナー企業向けの睡眠コンサルティング関連事業に加えて、睡眠偏差値として公表している睡眠関連疫学調査の結果を基にした睡眠研究や企業向け健康経営サポート業務も担当。2021年11月に睡眠健康指導士上級資格を取得。

寝返りの意味と必要性

睡眠中に無意識に姿勢を変える「寝返り」には、様々な効果があり、質の高い睡眠を得るためには必要不可欠です。そのメリットや重要性をご紹介します。

寝返りをすることで得られるメリット

寝返りをすることで得られるメリットは、大きく2つあります。 1:体にかかる負担を軽減する

睡眠中は布団と接している体の部分に体圧がかかりますが、適度に寝返りを打つことで体にかかる負担が軽減され、睡眠の質が高まります。

また、寝返りには血行を促進し、体温を調節する働きがあるとも言われていて、腰痛などの不調をリセットするためにも必要不可欠です。仰向けに寝ると、起きている間に丸まった背骨が自然と伸びますが、寝返りをするとさらに、反るストレッチ効果が加わり、体をほぐす効果もあると言われています。 2:寝具の空気を入れ替える

寝返りには、布団の中にこもった温度や湿気などの空気を入れ替える働きもあります。空気の入れ替えによってムレを解消することができるので、季節に関わらず快適な睡眠環境を作りやすくなります。通気性に優れた寝具を使うことでもムレを予防することができますが、温度や湿度の調節には適度な寝返りも大切です。

寝返りをしないことでもたらされるデメリット

寝返りを打てないでいると、体の一部に負担がかかり、血行不良の原因になります。その結果、体のコリや腰痛、床ずれ、睡眠の質の低下に繋がります。寝返りは、睡眠中に誰もが無意識に行うはずの動作ですが、体と寝具が合っていない場合や、体が疲れてコリが溜まっている状態が続いている方は、上手に寝返りが打てないこともあります。

寝具や睡眠環境などの要因で寝返りを打てない状態が続くと、睡眠の質が低下してしまいます。十分な睡眠時間を確保しているのに疲れが残ってしまう方は、寝返りが打てているかを意識してみましょう。

大人が一晩で寝返りする回数

健康な大人の場合、睡眠時間8時間に対して一晩に打つ寝返りの回数は10~30回、平均的には20回前後と言われています。これよりも寝返りが少ないと、体への負担が大きくなったり睡眠の質が低下する恐れがあります。
良質な睡眠に欠かせない寝返りは、寝具を変えることによってある程度コントロールすることが可能なので、質の高い睡眠を求める方は、一度、寝返りの回数を計測してみるといいかもしれません。最近は睡眠中の様子を計測できるデバイスやアプリがたくさんあるので、試してみてはいかがでしょうか。 ちなみに、子どもが一晩に打つ寝返りの回数は50〜90回が理想と言われていて、大人とは異なります。

大人が寝返り出来ない原因

本来、無意識に打つ寝返りですが、うまく寝返りを打てない方もいらっしゃいます。その原因は大きく2つあります。

1:睡眠環境の問題

使っている寝具の質や部屋の温度や湿度など、睡眠環境が原因で寝返りを打てない場合があります。

例えば、柔らかすぎるマットレスでは体が沈み込んでしまうため、体が動かしにくくなり、寝返りを妨げてしまいます。また、パートナーや子どもと近い距離で寝ている場合、人数に合った大きさのマットレスでないと寝返りが打ちにくくなります。 さらに、掛け布団や毛布が重すぎる場合も、体が圧迫されて物理的に寝返りが打ちにくくなるので気をつけましょう。

2:肉体的な問題

日常の姿勢や生活習慣などによって、筋肉が硬直して柔軟性がなくなると、睡眠中に体を上手く動かすことができずに寝返りの回数が減ってしまいます。

筋肉は動かさないことで血流が悪くなりコリ固まってしまうので、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、長時間同じ姿勢でいるのは避けましょう。また、家事や育児、スマートフォン操作のように下を向いた状態で作業を続けると猫背になりやすくなるので注意が必要です。

寝返りと寝具の関係

自分の体に合っていない寝具はスムーズな寝返りを妨げてしまう可能性があります。ここでは寝返りが打ちやすい寝具選びのポイントをご紹介します。

自分の体に合う枕は体型や好みによって変わりますが、寝返りを妨げない枕を選ぶことが大切です。枕が寝返りを妨げる原因は大きく3つあります。 1:枕が小さすぎる 体のサイズと比べて小さい枕を使用していると、寝返りをした時に頭が落ちたり、頭が落ちそうになるので、無意識的に目覚めてしまう原因になります。日本の枕は、一般的に3通りのサイズがあります。小柄な人は35×50cm、中柄な人は43×63cm、大柄な人は50×70cm以上のサイズを選ぶようにしましょう。 2:枕の高さが低すぎる 枕が低すぎると、仰向けから横向きに寝返りをした時に首が落ちたように曲がってしまい、その違和感を避けるために寝返りが打ちにくくなったり、目が覚めてしまうことがあります。 3:枕が頭を固定している 仰向けから横向きに寝返りをした時に違和感がないように、中央が低く、サイドが少し高くなっている枕も販売されています。実際に寝返りがしやすくてオススメなのですが、高さの差が極端すぎる場合は頭が固定されてしまい、寝返りが打ちにくくなってしまうので気をつけましょう。

マットレス

マットレスを選ぶ際は、柔らかさ、反発力、ムレにくさにこだわりましょう。 1:体圧分散性(柔らかさ) 寝ている時は、体の一部に体圧がかかります。その圧迫を分散させるためにも、寝返りが必要不可欠です。体にフィットして圧迫感を減らすためにある程度の柔らかさは必須になりますが、柔らかすぎるマットレスは体が沈み込んでしまうため、寝返りを妨げてしまう恐れがあります。 2:反発弾性(反発力) 少しの力で寝返りできる、弾力性があるマットレスを選びましょう。寝姿勢が安定し、首や肩、背中の筋肉疲労を和らげてくれます。 3:通気性と吸放湿性 人は寝ている間にコップ約1杯分の汗をかくと言われているので、マットレスは想像以上にムレやすくなっています。そのため、通気性がよく、寝汗を素早く吸収・発散してくれるマットレスを選びましょう。ムレることなく最適な温度や湿度を保つことができれば、寝返りを打ちすぎることもなく、スムーズな入眠と良質で深い眠りを得ることができます。

パジャマ

Tシャツやスウェットは寝具と摩擦が生じて、スムーズな寝返りを阻害すると言われています。また、パーカーなどのフードが付いている衣類は、首を圧迫するので睡眠時の着用には向いていません。
1:しめつけ感がなく体がリラックスできる 普段着であるTシャツはジャストサイズの作りが多く、しめつけ感があり、血の循環が悪くなる可能性があります。また、スウェットのような厚手の衣類は、寝返りを打つのに負担がかかります。血の循環が悪くなると、体がリラックスできずに睡眠の質を低下させます。ほどよく薄手で、伸縮性があるような生地のパジャマは、寝返りも打ちやすく、睡眠中の血の循環をよくしてくれます。 2:吸湿性がよく眠りを妨げない 寝汗や湿気を吸収・放出してくれる素材でないと、睡眠中にムレ感を感じて睡眠を妨げます。ポリエステルなどの化学繊維は吸湿性が低いので、吸水性、吸湿性に優れている、綿や麻、絹などの天然素材のパジャマを選びましょう。 3:肌触りがよく心地よい 直接肌に触れるパジャマの素材が心地よければ、体も脳もリラックスして眠ることができます。また、自然由来の天然繊維は脳へのストレスが少ないとも言われています。

寝返りは快眠に必要不可欠

寝返りは体の負担を和らげるほか、体温や寝床内温度、湿度の調整をする働きがあり、快眠をする上では重要な要因です。

睡眠の質を高めてくれる寝返りをスムーズにするために、体に合った寝具を選びましょう。

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寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...