第7条 就寝90分前に入浴完了/すぐ寝るときはシャワーにする

第7条 就寝90分前に入浴完了/すぐ寝るときはシャワーにする

睡眠コラム

第7条 就寝90分前に入浴完了/すぐ寝るときはシャワーにする

疲労回復やデトックスダイエットでなるべく湯船に浸かろうとしたり、入浴剤や入浴グッズを購入したりしますが、熟睡のために入浴に気を配るということはあまり行われていないのではないでしょうか。 今回は、良い睡眠をとるための、入浴の時間や方法、シャワーとの使い分けなどをご紹介します。

睡眠に効果的な入浴方法

良い睡眠のためには、就寝の90分前に入浴を済ませるのがお勧めです。人により基礎体温が異なりますが(※1)、40度前後の温度で全身浴を行うのが、体の芯まで温まって良いとされています。 熱いお風呂を好む方もいらっしゃいますが、熱いお風呂だと交感神経が活発になり覚醒が優位になるため、その後の睡眠に悪影響を与えてしまいます。また、熱いお風呂だと心拍数が急上昇するため、高血圧の人や体温調節機能が低下している高齢者、抵抗力の弱い乳児は、ぬるめの温度設定にした方が望ましいです。

90分前に入浴する理由:ポイントは体温の「上げ・下げ」

体温には皮膚温度深部体温があり、深部体温の方が皮膚温度よりも最大2℃ほど高いと言われています。睡眠には皮膚温度と深部体温の差が縮まること、すなわち最終的に皮膚温度が高く深部体温が低くなることが重要です。そのためには、まず皮膚の血流を増やし、皮膚から熱放散して深部体温を下げなければなりません。スムーズかつ良質な睡眠をとるために、入眠前に意図的に深部温度を上げる方法があります。深部体温を上げる理由としては、深部体温は上がった分だけ大きく下がろうとする性質があるからです。手軽な方法として、就寝前の入浴が最も効果的だと言えます。 ヒトの体は、恒常性(ホメオスタシス)によって、大幅な体温変化が起こらないようになっています。入浴による皮膚温度の変動は、約0.8~1.2度の上昇となります。深部体温は、恒常性の影響を強く受けるため、なかなか変動しませんが、入浴は変動に大きく寄与することができます。40℃のお風呂に15分入浴した場合、深部体温は約0.5-0.6度上昇したことが実験により示されました。 入浴によって一時的に急上昇した深部体温は、恒常性によって、元の体温に戻ろうと体温を下げる方向に作用しますが、特徴として、上がった分だけ大きく下がろうとする性質があります。そのため、入浴により、より効果的に深部体温を下げることができます。重要なこととしては、実際の実験により判明した結果ですが、約0.5−0.6度上昇した体温がもとに戻り下降に転じるまでに90分要したことです。従って、入眠前に40℃のお風呂に15分入浴する際には90分前に入浴を済ます必要があります。 入眠予定の約90分前に入浴し、皮膚温度と深部体温を上昇させ、その後発汗などの熱放散で深部体温が下がり始め、入眠予定時間で元の体温になり、その後さらに深部体温が下がり皮膚温度と深部体温との差が縮まることで、自然と眠くなり深い睡眠が得られます。

より効果を高める秘策

40度程度のお湯のお風呂が一般的ですが、好みで入浴剤を入れたり、旅行等で温泉に行ったりすることもあるかと思います。それらが効能やリラックス効果以外に睡眠に対してどの程度効果があるのでしょうか。 睡眠への効果を調べるため、40度の、普通のお風呂・ナトリウム泉・炭酸泉に入った場合の体温の変化の調査が行われました(※2)。その内容によると、入浴時の深部体温が、普通浴よりナトリウム泉・炭酸泉といった温泉浴の方がより大きく上がり、熱放散後の深部体温は、普通浴よりナトリウム泉・炭酸泉といった温泉浴の方がより大きく下がることが分かりました。さらに、温泉浴では、最重要な入眠後90分にあたる、睡眠第一周期のノンレム睡眠の振幅がより大きくなる、つまりより深く眠れることが分かりました。ただし、ナトリウム泉は湯疲れやのぼせといった入浴後の疲労感を生じやすかったり、出来たばかりの傷口にしみたりするデメリットがあります。 以上を踏まえると、炭酸泉は、普通浴と同じく湯疲れがないため、総合的にみて炭酸泉が一番お勧めと言えます。特に毎日温泉に入りたい方や、お年寄り、スポーツ選手に推奨できます。睡眠には総合的に炭酸泉が一番おすすめですが、ナトリウム泉などの温泉はそれぞれ効能があり、休暇の有無。怪我や疲労回復、美肌効果などの用途に応じて使い分けると良いでしょう。

すぐ寝たいときの対処法

忙しく疲れていて、すぐに寝たい時もあるかと思います。ゆっくり湯船に浸かって90分前に入浴を済ます時間はないけど、メイクを落として髪や体を洗い流してすっきりして寝たい場合には、シャワーで済ませることをお勧めします。 実験データにより、40℃のお風呂に15分入浴した場合深部体温は約0.5℃上昇しますが、40℃未満の緩いお風呂に浸かった場合や手短にシャワーで済ませた場合は、深部体温の上昇は低く抑えられます。そのため、元の温度に戻るまでにかかる時間は短く、入浴した場合の90分より早く眠気が訪れます。ただ、半身浴ほど強い入眠効果は期待できません。 ただ、入浴に比べ深部体温の上がりが少ない分、下げも少なく、睡眠圧の度合いは入浴に劣るので、時間があるときはなるべく90分前の入浴を心掛けると良いでしょう。

【参考】

※1: お風呂って何℃がいいの?、お風呂のソムリエSHOP! 

※参考元;一般財団温泉医科学研究所

https://www.rakuten.ne.jp/gold/bathlier/b-cafe/ofuro_recipe/ofuro_recipe4/ofuro_recipe4_4.html

※2:(SCNラボOGOBの秋田大の神林さん・上村さんとの共同研究)

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寝起きで首が痛いのは枕が原因?枕が合わないと出る症状や正しい選び方

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最近は“睡眠時間”の大切さだけでなく“睡眠の質”に注目が集まっており、良質な睡眠を得るために、“理想の寝姿勢”を考える人が増えています。そこで、寝姿勢の種類やそれぞれのメリット・デメリット、理想の寝姿勢などをご紹介します。自分に合った寝姿勢や適切な寝具を選んで、快眠を目指しましょう! 寝姿勢とは? “寝姿勢”とは、寝ているときの姿勢のことで、主に、仰向け、横向き、うつ伏せなどがあります。寝姿勢が崩れている場合、肩こりや腰痛、首の痛みのほか、寝起きのだるさなど、翌日の体調に悪影響を及ぼすことも。反対に、背骨が自然な状態の寝姿勢で眠ると、効率的に疲労回復でき、背骨の歪みを整える効果が期待できます。 日中は、デスクワークの方も立ち仕事の方も、同じ姿勢を取り続けて身体に負担をかけていることが多いため、睡眠時には理想の寝姿勢で快眠を得て身体の不調を解消することが大切です。 また、睡眠には免疫力の向上や精神の安定、記憶の整理や定着などの効果もあるといわれており、快眠によって頭がクリアな状態にリセットされ、仕事や日常生活のパフォーマンス(生産性)向上が期待できます。 人生の3分の1を費やすといわれている睡眠。せっかくなら整った寝姿勢で睡眠の質を高め、効率よく疲労回復しましょう。 寝姿勢の種類とメリット&デメリット 寝姿勢は主に下記の3種類に分けられます。 仰向け寝 横向き寝 うつ伏せ寝 どの寝姿勢にもメリットとデメリットがあるため、入眠時は、ご自身が心地よく感じる寝姿勢で寝て問題ありません。 肝心なのは、熟睡している際の寝姿勢と寝返りの打ちやすさです。一般的に人は一晩で平均20~30回寝返りを打つといわれており、寝返りを打つことで体液循環や背骨の歪み調節など、身体をリセットしています。 それでは、各寝姿勢の概要とメリット・デメリットをそれぞれご説明します。 仰向けは、リラックスした状態の寝姿勢 仰向けは、日本人に多い“平たい体格の人”向き。背中全体で体重による圧力(体圧)を支えるので、身体への負担が少なく余分な力も入りません。また、手足を動かしやすく体液循環がよいことから、筋肉がこりにくいといわれており、猫背の改善や防止が期待できます。 「睡眠時に仰向け寝の時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしている」とされているほど、最も安定・リラックスできる寝姿勢です。 ただし、尾てい骨を圧迫しやすく、反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすいので、寝返りが打ちやすいマットレス選びが重要です。ほかにも、舌が重力で落ち込むため気道が塞がれやすく、横向き寝に比べるといびきにつながるといったリスクが挙げられます。 メリット 体液循環が良くて筋肉がこりにくい 体圧が均等に分散されて負担が少ない デメリット いびきにつながることがある 反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすい 横向きは、いびき予防に有効な寝姿勢 横向き寝は、肥満や扁桃腺肥大等で気道が狭くなっている方向きの寝姿勢です。舌が落ち込むことによる気道の妨げが起きにくいため、“いびきをかきにくく呼吸がしやすい”特徴があります。 また、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりにくいです。個人差はありますが、左側を下にすると消化系の臓器などに負担がかかりにくいともいわれています。 ただし、身体とマットレスの接する面積が小さく、体圧による血流の滞りが起きやすいため、長時間横向き寝の状態が続くと筋肉のこりや冷えの原因に。特に一方向で寝続けた場合は、身体の歪みや肩・骨盤の圧迫による痛みも生じやすいため、スムーズな寝返りをサポートしてくれる寝具を選ぶ必要があります。 メリット 呼吸がしやすくいびきをかきにくい...

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寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...