ナルコレプシーとは?原因・症状となりやすい人の特徴

ナルコレプシーとは?原因・症状となりやすい人の特徴

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ナルコレプシーとは?原因・症状となりやすい人の特徴

健康 快眠・安眠
十分な睡眠時間を確保しているのにもかかわらず、日中に急激な睡魔に襲われると、自分が何かの病気なのか心配になります。 この記事では、病院に行くべきか悩んでおり、対処法があれば知りたいと思っている方に、過眠症のひとつである「ナルコレプシー」の原因や具体的な症状、なりやすい人の特徴と対処方法について解説しています。

ナルコレプシーとは?

厚生労働省が示す「ナルコレプシー| e-ヘルスネット(厚生労働省)」によると、「ナルコレプシーは古くから知られていた過眠症のひとつで、日中に突然強い眠気が出現して、眠り込んでしまう病気です」と記載されています。 ナルコレプシーの眠気は強烈で、睡眠発作と呼ばれており、絶対に起きていなくてはいけないタイミングでも眠り込んでしまうことがあります。また、眠気が襲ってきたことに気づく前に眠り込んでしまうため、居眠りをしたことに本人が気づかないこともあります。 また、「ナルコレプシーに特徴的な症状として、びっくりしたり大笑いしたときに全身や身体の一部の力が抜けてしまうカタプレキシー(情動脱力発作)、寝入りばなに出現する幻覚様の体験(入眠時幻覚)、寝入りばなに出現する金縛り(睡眠麻痺)があります」とも記載されています。

ナルコレプシーになる原因

近年、ナルコレプシーの原因が、覚醒した状態を保つのに必要な、脳の中のヒポクレチン(オレキシン)を作り出す神経細胞(ヒポクレチン・ニューロンまたはオレキシン・ニューロン)が働かなくなることによって起こることがわかりました。 しかし、まだまだ正確な原因は特定できておらず、インフルエンザなどの冬期の感染症が自己免疫過程に影響し、数か月後にナルコレプシーが生じる可能性もあると言われているほか、頭部外傷が引き金となる可能性も。また、一卵性双生児の場合、どちらか一方がナルコレプシーの場合、もう一方もナルコレプシーになることもあるなど、遺伝的要因もあると言われています。

ナルコレプシーの4大症状

ナルコレプシーの症状としてよくみられる、睡眠発作、脱力発作(カタプレキシー)、入眠時幻覚、睡眠麻痺について、詳しく解説します。

1:睡眠発作

その名の通り、発作的に強烈な眠気に襲われ、会議中や試験中、初デート中など、普段なら居眠りすることは考えられないような状況でも、眠り込んでしまうため、生活に大きな支障をきたしたり、怪我などの危険があります。 ナルコレプシーの方の最も基本的な症状で、数分から十数分程度の短い睡眠でも、眠気がスッキリと解消されることが多いのが特徴です。

2:脱力発作(カタプレキシー)

笑う、怒る、驚く、緊張する、感動するなどといった、感情の動き(情動)がトリガーとなって、急に体の一部ないし全身の脱力が生じます。 「膝の力が抜ける」、「持っている物を落とす」、「しゃべりにくい」などの脱力発作に続いて、入眠してしまうこともあります。ナルコレプシーの全ての方にみられる症状ではありませんが、ナルコレプシーの診断の上では重要な症状です。

3:入眠時幻覚

入眠直後に、非常に鮮明で現実感のある夢を見ることです。 ナルコレプシーの方自身はまだ眠っていないと思っている時に、「人や動物がそばにいる」、「体に触れる」、「何かがのしかかってくると感じる」、「体が浮いて空を飛ぶ浮遊感と幻視の合わさった幻覚」などの体験が特徴です。

4:睡眠麻痺

入眠時や睡眠からの覚醒時に、数秒から数分間程度、全身が麻痺して、声を出したり体を自由に動かすことができなくなる現象で、日本では「金縛り」と呼ばれています。医学的な病名としては、「反復性孤発性睡眠麻痺(はんぷくせいこはつせいすいみんまひ)」と呼ばれており、レム睡眠(体は休んでいるが、脳は活動している状態)に関連した睡眠時随伴症の一種です。 入眠時に不安や恐怖を感じて苦痛を生じるという特徴があり、睡眠麻痺は入眠時幻覚を合併することもあります。心霊現象ではなく、健常者でも起きることがありますが、ほとんどは明け方の覚醒時で、夜の入眠時に起こることはあまりありません。

過眠症との違い

過眠症は、夜間に十分な睡眠時間を確保できているにもかかわらず、日中に過度な眠気が生じる、睡眠障害のひとつです。 集中しなければならない状況でも、居眠りをしてしまうことがあり、一度、居眠りをすると、1時間以上眠ってしまったり、目覚まし時計で目覚めることができないくらい深い眠りに入ります。ですが、基本的には眠り込むのを我慢できないほどには強くないのが特徴です。 発症の原因はまだわかっていませんが、睡眠・覚醒を調整している脳の機能異常が指摘されています。 目が覚めた時に頭がスッキリしないことが多く、覚醒するまでに何度も眠り直してしまう方や、寝ぼけた状態が続くため、記憶がはっきり残らないような「睡眠酩酊(すいみんめいてい)」と呼ばれる状態になることもあります。また、めまいや立ちくらみ、頭痛などの症状を伴う方もいます。 睡眠時間を制限しない場合、1日に11時間以上眠ってしまうことが多いと言われています。また、症状が長期間にわたって慢性的に持続することが多いため、数カ月にわたって毎日16~18時間、眠ることもあります。 一概には言えませんが、過眠症とナルコレプシーの主な違いとしては、下記のような点が挙げられます。 〇ナルコレプシー ・居眠りの時間は短い(30 分以内) ・眠気に抵抗できず、居眠りしてしまう ・1 日の総睡眠時間は正常 ・寝入りばなにレム睡眠がおこりやすい ・情動脱力発作がみられる 〇過眠症 ・居眠りの時間が長い(1 時間以上続くことも) ・眠気はあるが、居眠りを我慢できる ・1 日の総睡眠時間が長い(典型例は11 時間以上) ・寝入りばなにレム睡眠はおこりにくい ・情動脱力発作がない

ナルコレプシーになりやすい人の特徴

ナルコレプシーになりやすい人には、いくつかの特徴があります。

日本人の有病率が最も高い

全ての人種において、ナルコレプシーの発症がみられますが、世界で最も高い有病率なのが日本人です。日本人の有病率は、一般的には約600人に1人と言われています。

発症年齢は14才〜16才がピーク

発症年齢は5歳以降で、10代から20代前半に多くみられ、14~16歳がピークとされています。また、ナルコレプシーの発症に男女差はないと考えられています。

家族にナルコレプシーの人がいる

解明されていない部分も多いですが、遺伝的な要素が関係しているとの研究結果もあるため、両親や兄弟にナルコレプシーの方ががいる場合、ナルコレプシーになりやすいと言われています。

ナルコレプシーの対処法

ナルコレプシーが発症した場合、どのような対処法があるのかご紹介します。

薬による改善

ナルコレプシーの薬には、主に「中枢神経刺激薬」 と「三環系抗うつ薬」の2つがあります。 中枢神経刺激薬 ナルコレプシーの基本的な症状として、日中に突然、強烈な眠気に襲われて眠り込んでしまう「睡眠発作」があります。 「睡眠発作」がある人は、中枢神経刺激薬 「モダフィニル」を朝1回服用します。効果は約12時間続きます。 モダフィニルの副作用は、投与初期に頭痛が生じることが多く、次いで動悸(どうき)、吐き気、食欲低下などがあります。ですが、ほかの精神刺激薬と比較して依存性が少なく、副作用もマイルドで、どの症状も次第に軽くなる場合が多いと言われています。 三環系抗うつ薬 「睡眠発作」に加えて、感情の動き(情動)が誘引となって起こる「情動脱力発作」がある人は、モダフィニルのほかに、少量の三環系抗うつ薬「クロミプラミン」を1日1回服用します。 主な副作用は、便秘、口の渇き、目のかすみなど。少量から開始して、1~2週間かけて徐々に用量を増やすことで、副作用を軽減することができます。

生活習慣による改善

ナルコレプシーの治療では、生活習慣を見直すことも大切です。規則的な生活をし、夜間に十分な睡眠をとりましょう。また、日中、積極的に短時間の睡眠をとることも有効なので、可能であれば数時間に1度、計画的に15分程度の昼寝がオススメです。 適量であれば、カフェインを摂取することも良いとされています。

病院で受診する場合は何科?

睡眠障害は、睡眠に詳しい専門医に相談するのが良いでしょう。日本睡眠学会では、睡眠医療認定を行った専門医や専門医療機関を公表しているので、お近くにないかぜひ探してみてください。 日本睡眠学会 -睡眠医療認定一覧 ただし、睡眠専門医や睡眠外来を持つ専門の医療機関の数はあまり多くありません。実際に認定医や認定機関がない都道府県も存在します。その場合、何科を受診するかは、症状や原因によって異なります。 ナルコレプシーの原因は、脳内の神経伝達物資の異常のため、脳神経内科が適しています。近くに脳神経内科がない場合は、心療内科でも構いません。 もし、夜にしっかり眠っているのにもかかわらず、一日中眠気を感じ、日中に強烈な眠気に襲われる「過眠症」が疑われる場合は、内科・精神科・脳神経内科などが適しています。また、過眠症は睡眠中の呼吸や脳機能に原因がある可能性もあるので、呼吸器内科や心療内科も視野に入れましょう。 ストレスが原因で睡眠障害に陥っている感じる場合は、精神科が適しています。睡眠障害が原因で体に悪影響(倦怠感や疲労感、昼間の眠気、集中力の低下など)が出ている場合は、心療内科を受診しましょう。 心身に影響はないものの、眠れない場合は、内科で受診するケースが多いので、迷った場合は内科を受診するのがオススメです。また、精神科や脳神経内科を受診するのに抵抗がある方も、まず内科や心療内科を受診しましょう。

睡眠時間だけではなく、睡眠の質にもこだわる

忙しい現代人が、毎日長い睡眠時間を確保するのは難しいもの。さらに長時間眠ったとしても、睡眠の質が良くなければ、しっかり疲労回復することができません。 現状の睡眠状態を可視化したり、自分に合った寝具を使って、満足度の高い睡眠を得ましょう。それでも日中、急激な眠気に襲われて眠り込んでしまう場合は、一度医療機関を受診してみましょう。
【参考】 厚生労働省:「ナルコレプシー| e-ヘルスネット(厚生労働省)」
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寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...