睡眠とカフェインはどう関係する?カフェイン摂取の上限とは?

睡眠とカフェインはどう関係する?カフェイン摂取の上限とは?

睡眠コラム

睡眠とカフェインはどう関係する?カフェイン摂取の上限とは?

食事

睡眠とカフェインが密接な関係にあることを知っている方は多いと思います。 その効果を利用して朝にコーヒーを飲んで眠気を取り除いたり、寝る前は、コーヒーを控え、温かいハーブティーなどを飲んでリラックスされている方も多いのではないでしょうか。

しかし、睡眠に対するカフェインの影響を知らず、毎日寝る前にコーヒーを飲み、慢性的な寝不足や、不眠症に悩まされている方も多いと言われています。 そんな悩みを解消するためにも、カフェインが身体にどのような影響を及ぼすかを知っていただくのが一番です。

今回は各飲み物のカフェイン含有量や就寝前のおすすめの飲み物なども併せてご紹介します。 これを機会にカフェインと睡眠の関係性を知り、良質な睡眠習慣を作りましょう!

1.睡眠前にカフェインを摂取するとなぜ眠れない?

入眠前にカフェインを含むお茶やコーヒーを摂取すると脳が覚醒し、寝つきが悪くなり、睡眠時間が短くなると、翌日の目覚めにも影響があることはよく知られています。 夜にお茶やコーヒーを摂取することは不眠や寝不足の原因になりかねません。

この眠気を阻害するメカニズムは興奮作用を引き起こすカフェインと睡眠物質であるアデノシンの関係が大きく影響しています。 通常アデノシンは覚醒物質であるヒスタミンを抑制し睡眠欲求を高めるもの。

しかし、視床下部の腹外側視索前野におけるアデノシン受容体をカフェインが阻害するため、覚醒物質であるヒスタミンが放出されやすくなり、脳が覚醒し寝つきが悪くなるのです。 睡眠を促すアデノシンは店を早く閉めたいオーナーで、寝る前のカフェインは閉店間際の面倒なお客さんです。 閉店準備は出来ているけどお客さんがいるから閉めることができないというわけですね。

1-1.カフェインを摂取すると覚醒効果が現れる

コーヒーの飲み過ぎや栄養ドリンクの過剰摂取で、カフェイン中毒になったという話を聞き、カフェインにネガティブな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

カフェインの効果・効能は人によって異なりますが、良い意味で脳の活動を活性化させたり、仮眠後に仕事のパフォーマンスを上げてくれる心強い味方でもあります。 これは、カフェインが眠気を抑制する強い覚醒効果を持っているからです。

「朝の目覚めに1杯コーヒーを 」とコーヒーを飲んで眠気を飛ばす習慣をもっている方も多いのではないでしょうか。これはまさしく覚醒効果の一つです。 コーヒーを飲むことを上手く日常に取り入れると多くの効果を与えてくれます。

特に覚醒作用を利用することで、注意力や集中力を高めるなど仕事に役立ちます。 その他の効果では、代謝や血行を促進することでダイエットや運動能力の向上により老廃物の排出作用業や新陳代謝が上がるなど様々です!

日々の健康な体作りのパートナーとしても力を発揮してくれるので、これを機会にカフェインを体の味方にしましょう。

1-2.実際にカフェインが睡眠にどう影響するのか

寝る前にコーヒーを飲むと眠れなくなるのは本当なのか? 仕事を終えてホッと一息しながらマグカップ1杯のコーヒーを飲むと睡眠に悪影響を与えるのかどうかを見つけるために、寝る前のカフェイン摂取を調べた実験があります。※1

実際にデトロイトのヘンリーフォード病院で複数の被験者を対象に行われた実験では、3つの異なるタイミング(寝る直前、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取させたところ、寝つきや睡眠の深さに大きな影響を与えているという結果が現れたそうです。

この実験では、400mgという多量のカフェインが投与されていますので、実際の場面とは異なる状況ですが、寝る6時間前のカフェイン摂取でも睡眠に影響があったという結果が出ています。

つまり、就寝前にカフェインを含む飲料や食品を取ることは体に少なからずの悪影響を与え、睡眠サイクルが崩れ、寝不足や不眠症を引き起こすということです。

2.絶対に睡眠前にコーヒーを飲んではいけない?

ここまでの内容でコーヒーにはカフェインが入っていて睡眠を阻害する効果があるので、寝る前には絶対に飲まない方が健康に良いと印象を得た方は多いのではないでしょうか。

しかし、コーヒーにはリラックス効果や睡眠のパフォーマンスを上げ、朝の目覚めをすっきりさせる効果もあるのです。 「いやいや、コーヒーを摂取するとカフェインによる興奮作用があるって言ってるじゃん!」と矛盾しているように思われるかもしれませんが、コーヒーの香りが脳に作用しα(アルファ)波を増やし、リラックス効果が得られることが研究により立証されています。※2

では、どうすれば良いのか? それはコーヒーを飲むのではなく、コーヒー豆をベッドルームに置き、香りを楽しむことが良いでしょう。こうすることにより疲労回復効果や筋肉疲労を和らげ、朝の目覚めをよくする効果が得られるのです。

2-1.タイミングによっては目覚めが良くなることも

「短時間の昼寝や仮眠を取る前にお茶や缶コーヒーを1杯飲むと、目覚めがスッキリする」と聞いたことはありませんか?

その理由は、カフェインは摂取から約30分後に効果を発揮し、睡眠後の仕事のパフォーマンスに大切な注意力や集中力を向上させてくれるからです。

ランチ後に睡魔に襲われて仕事が捗らないときに「15〜20分の仮眠を取ってきたら?」と言われることもあると思います。 この時に、カフェインを含む飲料を摂取した後に仮眠を取ることで、寝起きのタイミングに覚醒効果が現れ、だるさや眠気などを取り除くことができます。

午後の仕事で集中力を取り戻して生産性を上げるためにも、カフェイン摂取と昼寝を合わせて行ってみてくださいね。

2-2.カフェインを摂るタイミングに注意しよう

どのタイミングでカフェインを含む飲料を摂取するかで、その日のパフォーマンスと睡眠への影響が変わってきます。

睡眠で、頭や身体の疲れをどれだけ回復できるかは、深い睡眠を取れるかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。 深い睡眠をとるためには、寝る前の習慣を意識的に変えることが必要なのです。

カフェインの影響力は5〜8時間、完全に体からなくなるのは数日かかると言われることがあります。 朝や昼間にコーヒーなどでカフェインを摂ることは、脳を覚醒し、能率を上げるなどの効果があるので、完全なノンカフェイン生活にするよりも、カフェインを摂るタイミングを調節し、上手く利用することが大切ですね。 カフェインの半減期は4時間とされているので、最低でも就寝4時間前からコーヒーなどのカフェインを含んだ飲み物を摂取しないことが睡眠の質を上げるために重要です。

睡眠時間は人それぞれですが、コーヒーやお茶、チョコレートなど、「カフェインを摂取する時間に門限を設ける」という方法があります。例えば、夕方の6時を門限にして、それまでならコーヒーやお茶、チョコレートなどを摂ってよしとするのです。 夕方以降のカフェインをやめるだけで睡眠の質は変わります。

「夜中に目覚めることがなくなり不眠症が改善した」など、夜のカフェイン摂取をやめただけで、大きな効果があった方も多いです。

3.カフェインを摂る適切なタイミングと量は?

カフェインの摂取は、体内リズムや日々の生活に大きな影響を与えます。適切なタイミングでどれくらいの量を摂れば、日中のパフォーマンスを上げ、安らかな眠りを取れるかを知ることは大きなアドバンテージです。

カフェインには、眠気を醒ます、疲労感をとるなど良い効果があり、コーヒーやお茶のほか、エナジードリンクをはじめとした栄養ドリンクにも多く含まれています。 コーヒー1杯のカフェイン量は100~120mg。カフェインの最大摂取量の目安は1日300~400mgと言われています。

1日に飲めるコーヒーは2〜3杯程度なので、タイミングとしては朝1杯、昼1杯程度が適切でしょう。 過剰摂取によるカフェイン中毒や依存症、胃腸障害などにより体の不調をきたしてしまうことを忘れてはなりません。

まずは身体にもたらす影響や弊害を理解した上で適切なタイミングと量をご理解ください。

3-1.夜寝る4時間前は絶対にカフェインを摂らない

カフェインの半減期は約4時間とされ、摂取してから5〜8時間は体内に内在し効果が続くため、8時間前にコーヒーの門限を設定するのが理想です。

例えば、夜の22時にいつも寝ている方はコーヒーやエナジードリンクを飲むのを午後2時までとするだけで眠りの質は高まります。 しかし、どうしても寝る前にお茶を飲んで身体を温めて眠りつきたい方は、カフェインの入っていないコーヒー(デカフェ)やノンカフェインのハーブティーなどをとると良いでしょう。 ノンカフェインのルイボスティーなどもおすすめです。

また、年齢や体型などにより感受性が高い方や高齢者のように睡眠が浅くなりがちな方は極力夕方以降のカフェイン摂取は控えましょう。

3-2.カフェインの摂取量は1日400mg以下を目安に

1日あたりのカフェインの目安は1日300~400mgと前述でもお伝えしました。 カフェインを含む飲料はコーヒーだけでなく、お茶やレッドブルなどのエナジードリンクで含有量が異なります。

最近ではノンカフェイン飲料などもコンビニやスーパーで販売されています。 「でも個人差があるし、男女や妊婦、子供では異なる目安があるのでは?」 基本的にカフェインの摂取許容量の基準以下なら毎日摂取しても問題ありませんが、男性の目安は400mg、生理に影響を及ぼすこともあり女性は300mgが許容量とされています。※3

  • 男性:400mg
  • 女性:300mg
  • 妊婦:200mg
基本的にはマグカップ1杯(150~200ml)のコーヒーには、100〜120mg前後含まれているので、1日あたり1〜2杯が適量です。 最近ではカフェインにアレルギー反応を示す方がいることも知られていますので、カフェインを含む飲み物を飲んで、体の不調を感じたらカフェインを摂ることをやめて、体調が良くなるか観察してみましょう。

4.実際に飲み物に含まれているカフェインはどのくらい?

一般的に「カフェイン」と耳にするとコーヒーを想像するかもしれません。 実際には烏龍茶、ココアなどをはじめ、緑茶、紅茶、食べ物ならチョコレートにカフェインが含まれます。

最近ではカフェイン濃度が強いエナジードリンクが売られる一方、ノンカフェインのお茶などのペットボトル商品なども多くのコンビニなどで販売され、消費者の選択肢も豊富。 各飲み物の種類で含有量が異なりますので、実際にどの飲料にどれくらいのカフェインが含まれているかを確認していきましょう。

【主なカフェイン含有量とおおよそのカフェイン濃度】※4

飲料名:カフェイン濃度

  • コーヒー:60mg/100ml
  • インスタントコーヒー:57mg/100ml
  • 烏龍茶:20mg/100/ml
  • 紅茶:30mg/100ml
  • 玉露:160mg/100ml
  • せん茶:20mg/100ml
  • エナジードリンク:36~150mg/本

身近な飲み物の中でコーヒーが最も多くのカフェインを含んでいますが、エナジードリンクや缶コーヒーは種類によっては含有量が多いものがあるので注意しましょう。 最近では「カテキン緑茶や濃い緑茶」などペットボトルのお茶も通常のものから濃い味など種類も豊富です。 カフェイン量も表示されているので、コンビニやスーパーで購入する時に、カフェイン量を意識した上で購入するのをおすすめします。

5.睡眠前におすすめの飲みもの

睡眠前にカフェインを多く含むコーヒーなどを飲みことはおすすめできません。 しかし、「睡眠前に身体を温めて入眠したいんだけど、睡眠の質を改善できるおすすめの飲み物はないのかな」と知りたい方もいるはずです。

入眠前はミルクを温め、ホットミルクにしたり、ノンカフェインのハーブティーやルイボスティーなどがあるので紹介しますね。 【おすすめのドリンクと効果】

  • ハーブティー:香りによる癒しと鎮静
  • 生姜湯:身体を体内から温め、生理痛の鎮静など
  • 白湯(さゆ):リラックス効果
  • ホットミルク:自律神経を整え快眠
  • 豆乳:美肌効果と疲労回復効果

NGドリンクはコーヒーや紅茶、栄養ドリンク。覚醒作用が強いので避けましょう。睡眠1時間前を目安に身体を体内から整えてくれる生姜湯やホットミルクを時間をかけてゆっくり飲むことを心がけましょう。これは、「睡眠儀式」とも言われ、寝る前に暖かい飲み物をゆっくり飲むという、生活習慣が、良い睡眠に導いてくれるのです。

さらにスローなストレッチなどをして、身体をほぐして寝ることで筋肉もほぐれ、安眠効果と疲労回復が促進されることも期待できます。

まとめ:カフェインの作用を知って睡眠・覚醒のリズムを作ろう

睡眠とカフェインが密接に関係していることをご理解頂けたでしょうか。 日々、普通に飲んでいる目覚めのコーヒーがなぜ良いのかも分かりましたね!

夜寝付けない、朝起きるのが辛いといった症状のある方は、入眠前の飲み物の習慣に原因があったのかもしれません。ぜひ見直してみてください。 今回のポイント

  • カフェインの覚醒効果を仮眠や昼寝で活用できる
  • カフェインを摂取する門限を決める(コーヒーは午後62時までなど)
  • 1日の目安は300~400mgまで(コーヒー2杯まで)
  • 寝る4時間前は極力摂取しない
  • 入眠前はホットミルクやルイボスティーを飲む

カフェインは適切なタイミングで取ることで仕事に好影響を与えてくれたり、運動やダイエットの手助けとなりメリットも多い成分です。 しかし、摂取方法を間違えると健康に大きな影響を与えかねないのがカフェインでもあります。 日常で簡単に手にすることできるカフェインの作用を理解して、より良い生活リズムを作って、日々のライフスタイルに好影響を与える睡眠習慣を作ってみてはいかがでしょうか。

【参考文献】

※1 Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 Hours before Going to Bed

※2 香りから生まれる、 「癒し」と「集中力」。

※3 【2020年】生理中の食事はなにがいい?生理痛(PMS)対策になる食べ物・飲み物を解説

※4 食品安全委員会

 

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理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説

睡眠コラム

最近は“睡眠時間”の大切さだけでなく“睡眠の質”に注目が集まっており、良質な睡眠を得るために、“理想の寝姿勢”を考える人が増えています。そこで、寝姿勢の種類やそれぞれのメリット・デメリット、理想の寝姿勢などをご紹介します。自分に合った寝姿勢や適切な寝具を選んで、快眠を目指しましょう! 寝姿勢とは? “寝姿勢”とは、寝ているときの姿勢のことで、主に、仰向け、横向き、うつ伏せなどがあります。寝姿勢が崩れている場合、肩こりや腰痛、首の痛みのほか、寝起きのだるさなど、翌日の体調に悪影響を及ぼすことも。反対に、背骨が自然な状態の寝姿勢で眠ると、効率的に疲労回復でき、背骨の歪みを整える効果が期待できます。 日中は、デスクワークの方も立ち仕事の方も、同じ姿勢を取り続けて身体に負担をかけていることが多いため、睡眠時には理想の寝姿勢で快眠を得て身体の不調を解消することが大切です。 また、睡眠には免疫力の向上や精神の安定、記憶の整理や定着などの効果もあるといわれており、快眠によって頭がクリアな状態にリセットされ、仕事や日常生活のパフォーマンス(生産性)向上が期待できます。 人生の3分の1を費やすといわれている睡眠。せっかくなら整った寝姿勢で睡眠の質を高め、効率よく疲労回復しましょう。 寝姿勢の種類とメリット&デメリット 寝姿勢は主に下記の3種類に分けられます。 仰向け寝 横向き寝 うつ伏せ寝 どの寝姿勢にもメリットとデメリットがあるため、入眠時は、ご自身が心地よく感じる寝姿勢で寝て問題ありません。 肝心なのは、熟睡している際の寝姿勢と寝返りの打ちやすさです。一般的に人は一晩で平均20~30回寝返りを打つといわれており、寝返りを打つことで体液循環や背骨の歪み調節など、身体をリセットしています。 それでは、各寝姿勢の概要とメリット・デメリットをそれぞれご説明します。 仰向けは、リラックスした状態の寝姿勢 仰向けは、日本人に多い“平たい体格の人”向き。背中全体で体重による圧力(体圧)を支えるので、身体への負担が少なく余分な力も入りません。また、手足を動かしやすく体液循環がよいことから、筋肉がこりにくいといわれており、猫背の改善や防止が期待できます。 「睡眠時に仰向け寝の時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしている」とされているほど、最も安定・リラックスできる寝姿勢です。 ただし、尾てい骨を圧迫しやすく、反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすいので、寝返りが打ちやすいマットレス選びが重要です。ほかにも、舌が重力で落ち込むため気道が塞がれやすく、横向き寝に比べるといびきにつながるといったリスクが挙げられます。 メリット 体液循環が良くて筋肉がこりにくい 体圧が均等に分散されて負担が少ない デメリット いびきにつながることがある 反り腰の方は腰への負担が大きくなりやすい 横向きは、いびき予防に有効な寝姿勢 横向き寝は、肥満や扁桃腺肥大等で気道が狭くなっている方向きの寝姿勢です。舌が落ち込むことによる気道の妨げが起きにくいため、“いびきをかきにくく呼吸がしやすい”特徴があります。 また、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりにくいです。個人差はありますが、左側を下にすると消化系の臓器などに負担がかかりにくいともいわれています。 ただし、身体とマットレスの接する面積が小さく、体圧による血流の滞りが起きやすいため、長時間横向き寝の状態が続くと筋肉のこりや冷えの原因に。特に一方向で寝続けた場合は、身体の歪みや肩・骨盤の圧迫による痛みも生じやすいため、スムーズな寝返りをサポートしてくれる寝具を選ぶ必要があります。 メリット 呼吸がしやすくいびきをかきにくい...

欠伸をする女性

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...