意外と知らない!寝姿勢ごとの枕の正しい使い方

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寝具の選び方

意外と知らない!寝姿勢ごとの枕の正しい使い方

快眠・安眠
今まで寝具にあまり興味がなかった方でも、朝、目が覚めた時に、首や肩に痛みやこりを感じることが頻繁に起こると、枕が合っていないせいかも…と、枕の買い替えを検討するかと思います。しかし、原因は枕ではなく、「枕の使い方」にあるかもしれません。 この記事では、仰向け寝・横向き寝・うつ伏せ寝など、寝姿勢ごとの枕の正しい使い方を詳しく解説しています。枕の買い替えを検討する前に一度、正しい使い方を試してみましょう。

寝姿勢によっても使い方が異なる

そもそも枕には、頭だけでなく首も支えてサポートしたり、理想的な寝姿勢を整える役割があります。そのため、枕を正しい位置で使用しないと、寝姿勢が崩れて首や体に負担がかかってしまいます。 “理想の寝姿勢”とは、真っ直ぐに立った姿勢(正常立位姿勢)に近い背骨のラインを保つことなので、仰向け寝、横向き寝、うつぶせ寝など、寝姿勢によって正しい枕の使い方が異なります。

正しい枕の使い方の基本

人の体には凹凸があるため、横になるとマットレスと首の間に隙間ができてしまうので、その隙間に枕をフィットさせて首を支えることが大切です。そのため、頭だけでなく首も乗せて使用するのが正しい枕の使い方です。これは、高反発・低反発ウレタンや羽根、ビーズ、そば殻など、枕の素材に問わず、共通していることです。 人の頭は体重の約10%の重さと言われており、枕を使用して、頭圧分散(頭の重みをより広い範囲で分散させる)しないと、後頭部の一部に負担が集中するため、血流が悪くなったり、しびれの原因となります。 ですが高さや硬さの合わない枕を使用すると、頭や首をうまく支えることができず、無理な姿勢を長時間続けることになるので、睡眠中に首や肩周りの筋肉に大きな負担がかかり、こりや痛みが起こります。 例えば、高すぎる枕を使うと頭が持ち上がるため、首や肩に負担がかかり、使い続けることで頭痛やストレートネックの原因となることがあります。反対に、低すぎる枕では、首とマットレスとの間に隙間ができてしまうため、頭を首だけで支えている状態になるので、肩こりだけでなく、首を痛めたり、呼吸がしにくくなることがあります。 また、マットレスや敷布団によって体の沈み込み方が異なるので、どの寝姿勢でも、枕とマットレスとの相性も大切です。

仰向けで寝る場合の枕の使い方とあて方

左右に寝返りを打てるようにするため、枕の真ん中に頭を乗せます。 頭を乗せたら少し頭を上げ、枕の両端をつかんで肩口に引き寄せましょう。枕と肩口があたるようにして、首とマットレスの間に隙間を作らないことがポイントです。頭だけでなく、後頭部から首筋にかけての全体が枕に乗ることで首のカーブをしっかり支え、肩や首のこりを軽減します。 また、仰向けの状態で頭を乗せた時に、首から頭にかけての傾斜角度が10~15度、額より顎の先が5度程度下がっている状態が理想の寝姿勢と言われています。真っ直ぐに立った状態の正しい姿勢と同じように、首の骨が緩やかなS字カーブになる高さの枕がオススメです。

横向きで寝る場合の枕の使い方とあて方

寝返りをした時に頭が枕から落ちないように、左向きで寝る時は左端、右向きで寝る時は右端に、頭を乗せます。 仰向け寝と同様に、頭を乗せたら少し頭を上げ、枕の両端をつかんで肩口に引き寄せましょう。枕と肩口があたるようにして、首とマットレスの間に隙間を作らないことがポイントです。真っ直ぐに立った状態の正しい姿勢と同じように、頭から背中にかけての骨が真っ直ぐになることで、首や肩にかかる負担を抑えることができます。 横向き寝の姿勢では肩幅の分、頭や首がマットレスから離れるため、枕の高さが必要になるので、「仰向け寝」と「横向き寝」では最適な枕の高さが異なります。 最近は、中央部が低く、両サイドが高めになっているような立体的な枕や、枕の左右が硬くなっていて頭の沈み込みを抑えることのできる枕などがあるので、寝返りが多い方は試してみてください。

うつぶせで寝る場合の枕の使い方とあて方

うつ伏せ寝の時は、基本的に顔を横に向けて眠るため、枕が高いと頭に不自然な角度がついて首に負担がかかるので、低めで柔らかい素材の枕がオススメです。うつ伏せ寝用として、真ん中にくぼみがある形の枕もありますが、通常の枕を使う場合は、枕を抱えるようにして、マットレスと体の間に隙間ができないようにしましょう。 しかし、うつ伏せ寝は、背骨や首がねじれるため、寝起き時の首の痛みやこり、輪郭や歯並びの歪み、顎関節症(がくかんせつしょう)のリスクが高まるなど、デメリットが多い寝姿勢のため、入眠時などの短時間のみの場合は良いですが、長時間の寝姿勢としてはオススメできません。

枕が合わないと起きる主な症状

枕の高さや硬さ、サイズなどが合っていない時に起きる症状を4つご紹介します。

1:睡眠の質が低下

自分に合わない枕で眠ると、スムーズな寝返りが打てなかったり、反対に寝心地が悪くて過度な寝返り繰り返して、睡眠の質が低下することがあります。 十分な睡眠時間を確保したのにも関わらず疲労感が取れない方は、枕が合っていない可能性があります。

2:いびきの原因

いびきの原因には様々ありますが、高すぎる枕を使用すると、顎が下がって気道が圧迫されるため、いびきをかきやすくなります。 高さが7cm以上ある枕を使っている方は、一度正しい寝姿勢がとれているか確認してみましょう。特に女性や小柄な人は、低めの枕がオススメです。

3:肩・首・腰・頭の痛みに繋がる

枕の高さや硬さが合っていないと、不自然な寝姿勢になってしまうため、首や肩に負担がかかって痛みにつながります。 また、首や肩周りの筋肉が緊張状態になり、首のこりを招きます。その結果、血流が悪くなったり、頭蓋骨の筋膜にまで悪影響が及ぶため、頭全体や後頭部が締め付けられたり、圧迫されるような痛みを感じる可能性があります。 さらに、首と腰は背骨で繋がっているため、首に負担がかかると腰にまで影響することがあります。特に体を支える筋肉が少ない方は、合わない枕を使用することで腰痛が起きやすいと言われています。

4:ストレートネックの原因

ストレートネックとは、通常、緩やかなS字を描くようにカーブしている首が真っ直ぐに伸びてしまう状態のことです。 スマートフォンの使用やデスクワークなどで前傾姿勢が長時間続くことが原因となりますが、高すぎる枕を使用することも、ストレートネックの原因のひとつです。 高すぎる枕では、頭が持ち上がり、首や肩に負担がかかります。ストレートネックを予防・改善するには、日中の姿勢を矯正するだけでなく、仰向け寝の状態で、首の自然なカーブを再現できる枕を使うことも大切です。

枕が合わない主な原因

枕を選ぶ際に重要なのが、高さ・硬さ・サイズです。

1:高さ

枕は高すぎても低すぎてもよくありません。後頭部が高いと首が圧迫されて、首や肩のこり、痛み、いびきの原因になることがあります。反対に低すぎる枕では頭が安定せず、首や肩に負担がかかります。そのため、呼吸や寝返りがしやすい高さを選びましょう。 一般的に、仰向けの状態で頭を乗せた時に、首から頭にかけての傾斜角度が10~15度、額より顎の先が0~5度程度下がる状態が理想の寝姿勢とされています。 また、横向きに寝返りを打った時も理想の寝姿勢を維持するためには、中央部が低く、両サイドが高くなった、立体的な枕が理想的です。

2:硬さ

硬すぎる枕では、頭圧分散されずに後頭部に集中して負荷がかかるほか、横になったり寝返りを打った時に耳が痛くなります。反対に柔らかすぎる枕では、頭が沈み込みすぎて安定せず、首や肩に負担がかかるほか、寝返りが打ちにくくなります。 クッション性の高いウレタンフォームや、柔らかさと弾力性のあるポリエステル綿、耐久性・通気性・弾力性に優れて丸洗い可能なパイプ素材、適度な硬さがあるそば殻など、素材によって硬さが異なるので、自分に合った硬さの枕を選びましょう。

3:サイズ

寝返りを打ちやすくするためには、枕のサイズにもこだわる必要があります。 体格によって異なるため一概には言えませんが、一般的に、左右どちらに寝返りを打っても頭が枕から落ちないように、自分の頭3つ分の幅以上の枕を選びましょう。さらに肩口までカバーできる奥行きも必要なので、幅60cm以上、奥行き35cm以上が理想のサイズです。

枕が合わないときの対策法

現在使用している枕が合わないと感じた時に、試したい対策法を3つご紹介します。

1:枕のあて方を調整してみる

首とマットレスの間に隙間を作らないことが大切なので、頭を乗せたら少し頭を上げて枕の両端をつかみ、肩口とあたるように引き寄せましょう。 枕を肩ギリギリまで引き寄せるだけで、首への負担が軽くなるので、首や肩、腰の痛みを予防することができます。

2:高さを調整してみる

高さの合っていない枕を使用している場合は、バスタオルで調整しましょう。 仰向け寝では、首から頭にかけての傾斜角度が10~15度、額より顎の先が5度程度下がっている状態、横向き寝では、頭から背中にかけての骨が真っ直ぐになる状態が理想の寝姿勢です。 枕が低い時は、枕の下に畳んだバスタオルを敷き、枕が高い時は、体の下にバスタオルを敷いて、微調整してください。 ただし、タオルは寝ている間にずれてしまうことも多いので、あくまでも応急処置として考えましょう。

3:枕を買い替える

どうしても枕が合わない時は、自分に合った枕の購入を検討しましょう。自分の体格や寝姿勢に合った枕を使用することが大切なので、デザイン性や購入しやすい価格帯だからなどではなく、良質な睡眠を提供するために開発された枕がオススメです。

自分にあった枕を正しく使うのが正解

正しい枕の使い方を参考に試してみても、そもそもの枕が自分に合っていなければ本末転倒。「人生の3分の1を占める」と言われている睡眠は、毎日の疲れを癒し、心も体も回復させる大切な時間だからこそ、自分の体型や寝姿勢に合った枕を正しく使用して、快適な睡眠を手に入れましょう。
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寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...