夢はどうして見るの?睡眠と夢の謎だらけを解決します

夢はどうして見るの?睡眠と夢の謎だらけを解決します

睡眠コラム

夢はどうして見るの?睡眠と夢の謎だらけを解決します

目が覚めた時「今日は幸せな夢だったな」と続きを見たくなる夢を見る人もいれば、誰かに怒鳴られてハッと「夢か〜」と悪夢のような夢から目覚めた経験は誰しもがあるのではないでしょうか。 夢を見ると「どうしてあのような夢を見たのだろうか」「夢を見ていたような、見ていなかったような」という疑問がわいてくることもありますよね。 そこで今回は、寝ている間にどうして夢を見るのかという謎だらけの夢について解説。それに加え、レム睡眠やノンレム睡眠で見る夢の違い、意識的に良い夢を見ることができるのか、などもお伝えてしていきます。 未だに解明されていないことが多い夢ですが、これを機会に夢の知見を深めていきましょう。

1.人はどうして睡眠時に夢を見るの?

寝ている時に、良い夢を見て目覚めると幸せな気分になったり、悪い夢を見ると恐怖感を得たり、なんだか不思議な夢を見たら、「あれは何だったんだろう」と朝からおとぎの世界にいたよう感覚になったりしませんか? 夢を見ていると「人はどうして夢を見るのだろう」と疑問を持つことがありますよね。 夢を見る理由は諸説ありますが、人間は普段の生活で起きた出来事や脳に蓄積したあらゆる情報を整理するために夢を見ると言われています。 脳内に溜まった過去の記憶や直近の記憶が結びつき、それらが睡眠時に処理され、ストーリーとなって映像化したものが「夢」です。 夢は無数にある情報と記憶が組み合わせられ、心身の内部的な状態が寝ている間に映し出されます。 脳内にある記憶を適当に結びつけているため、時には関与したくもない人とデートしているという、意味もわからない状況が夢の中で描写されることもあります。

1-1.現段階でははっきりとしたことは分かっていない

「なぜ人は夢を見るのか」という問いへの回答は実際よくわかっていないのが現状です。 夢への科学的な研究が始まってから80年程度が経過しておりますが、未だ解明されていないことが多くあります。 一晩の眠りの段階で「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」を繰り返しながら、それぞれのサイクルで、夢を見ていることは証明されています。 目覚めた時に記憶に残っている夢は、レム睡眠中に見ていた夢であることが既に分かっており、その期間中、呼吸や心拍を変動させる自律神経活動が呼応するように起こる生理活動の一環でもあります。 またレム睡眠中は視覚・情動・記憶などへの処理活動が行われるため、脳内で活発に各部位が活動することも観察されています。 ただし、現段階では夢に関しては未解明の内容の方が多いため、夢の正体は謎だらけということです。

1-2.睡眠時に夢を見る理由の仮説

睡眠時に夢を見る理由には、学んだことの整理、シミュレーション、記憶の暗号化などの諸説あります。 夢に関する研究は夢学(ユメオロジー)と呼ばれ、「夢の解釈」や「夢のコントロール」を目的に夢のメカニズムの探求が行われてきました。 しかし、心理学や脳科学、神経科学などまだまだ解明されていないことが多く、研究者の中でも「夢を見る理由」の仮説の段階です。 代表的な仮説の1つとして挙げられるものは、20世紀の初頭にオーストリアの精神科医で精神分析学者でもあるジークムント・フロイトが唱えた説。 フロイトは人々の夢を分析した結果、夢は満足したいという願望の表れだと仮説を提唱しました。 この研究は現在でも多くの研究者から支持を受けており、怖い夢も含めて睡眠時に見る夢は人々が望んでいる何かを映し出したものであるという可能性があるそうです。 つまり、フロイトの仮説によれば夢は人々の充足願望であるということですね。 この観点から夢について考えたフロイトは、夢には隠れた感情や記憶等を助けることができる手立てがないかと仮説を立てました。

2.睡眠時のどのタイミングで夢を見ている?

夢はタイミングによって覚えているかどうかが異なります。 一般的に認知されているのは、レム睡眠状態で見た夢は鮮明に覚えており、レム睡眠に入っている人を起こすと「先ほどまで、夢を見ていた」と必ず答えるということ。 最近の研究では「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」のいずれの睡眠周期でも、人間は夢を見ることが分かっているため「ノンレム睡眠」の夢は記憶に残っておりませんが、人間は「ノンレム睡眠」でも夢を見ていると考えられます。 夢が記憶に残るか、残らないかは睡眠周期のタイミングで異なるのです。両者の違いを見ていきましょう。

2-1.「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の違い

人間の睡眠には大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠があり、この睡眠サイクルは一夜に繰り返しが行われ、1サイクルあたり90〜120分を要すると言われています。 そのため基本的に求められる6から8時間の睡眠では、4〜5回の睡眠周期が起きています。 夢を見るタイミングはレム睡眠の時と伝えられてきました。起床時間に近づくほどレム睡眠が増える傾向にあるため、朝起きたときに夢とともに目覚めたり、眠りがそこまで深くない状態の時に夢を見たりすることが多いのです。 このレム睡眠 は、1953年にシカゴ大学のKleitman教授とその大学院生Aserinskyによって発見されました。この実験では睡眠時の人間の脳波を測定したところ、レム睡眠状態には3つの特徴があると述べられました。※2
  1. レム睡眠時に眼球が動く
  2. 筋肉の緊張が緩み、体が動かなくなる
  3. レム睡眠状態に外的刺激を与えると、約80%の人が夢を見た
特に第三の特徴によりレム睡眠は認知度をあげ、「夢見睡眠」として有名となりましたが、実際はノンレム睡眠でも夢を見ると言われており、同様にノンレム睡眠下で刺激を与えて覚醒させたところ、20~60%ほどの被験者が夢を見ていました。 これら研究から、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の両方で夢を見ていると伝えられています。

2-2.起きた後に夢を覚えているのは「レム睡眠」時の夢が多い

上記の研究結果で伝えたように、寝ている時に夢を見るタイミングは主にレム睡眠時です。夢は現実離れした内容にもかかわらず、朝起きたときに記憶が鮮明に残っており、恐怖感や違和感を得たりします。 一方で目が覚めたときに、眠りの中で見ていた夢を忘れてしまうことも実際にあります。 レム睡眠・ノンレム睡眠に関わらず人間は多くの夢を見ていると言われていますが、記憶に残っているのは「レム睡眠」で目覚めた時です。 いくつもの夢を見ていても、記憶に残らないのは「ノンレム睡眠」の最中。 起床時に夢を覚えていないということは「ノンレム睡眠」で目覚めているとうことになります。 その他にも、朝起きて直ぐに活動する、アラームで強制的に起こされたなど、外的刺激により意識をかき消されたという理由もあるかもしれません。 また、夢はほとんどが画像イメージで現れ、音や触覚などの感覚はあまり現れないことが知られています。 これは、夢を見ている時には、脳幹から後頭葉にかけての活動が活発になることが、脳波の研究で分かっており、視覚の処理をする後頭葉の働きで、夢は視覚情報の画像イメージとして現れてくるのです。

3.見たい夢を見ることは可能?良い夢を見るポイントとは

夢の続きがみたい!夢の中での居心地が良すぎて、「もう一度、夢でいいから」みたいと思った事はありませんか? 良い夢は忘れにくいため、幸せな気分で朝を迎えることができます。 いい夢を忘れないためには起きた瞬間にメモに書く、音声で残すなどに内容を書き留めておくことで、もう一度同じ夢が見られる可能性があるそうです。 しかし、未だに夢は意識的にコントロールすることも難しいと言われているので、一概に何をすれば良いかという定かではありません。誘発方法は現段階では不確定なことも事実です。

3-1.夢を意識的にコントロールすることは難しい

人間は様々な段階で夢を見る事は現在分かっていますが、それらを意識的にコントロールしできるかどうかは現段階では、はっきりと分かっておりません。 各国で研究は進んでおり、寝ている間に見る夢で人は幸せなれたり、恐怖に陥れたりと多くの感情が混ざり合うことから、神経科学、心理学などの観点から研究されています。 実際に、オーストラリアで明晰夢研究をしているデンホルム・アスピー博士の研究では明晰夢は夢の内容を意識的にコントロールできる可能性があると発表されました。※3 その研究によると夢には心と体の関係や深層心理の解明に役立つことができるそう。意識的に夢の中でトレーニングをすることで身体能力の向上や創造力の向上、問題解決能力の発掘が可能だということです。 それに加え、悪夢障害の治療などにも使えるのではないかと応用が見込まれています。 現段階では明晰夢に関する具体的な誘導方法は、確立されておらず、どのような方法で効果的かつ安定した有効な手法が解明されていません。そのため、現段階で夢を思い通りに操る事は、難しいと言えるでしょう。

3-2.睡眠時に良い夢を見るためのポイント

夢を見るなら良い夢を見て良い気持ちで朝を迎えたい人は多いと思います。 おそらく周囲の人でも経験があると思いますが、眠りにつく前にどんな夢を見たいかをイメージして寝るだけで、幸せな夢を見た経験はあるのではないでしょうか。 一方で寝る前に恐怖感を得てしまうようなホラー映画を見ると、実際にその映画で起きたようなシチュエーションが映像となり怖い夢を寝ている間に見る可能性が増えます。 つまり睡眠中に幸せな夢を見るためには、寝る前に頭の中で自分が見たい夢を想像し眠りにつくことが、心地良い夢を見る第一歩なのです。 それに加え心身の状態を落ちつかせた状態で布団の中に入ることも重要。イライラした状態で布団に入るとなかなか寝付くことができません。 リラックスして良い睡眠をとるには、寝る前に40度程度のお風呂に入って体を温めたりホットミルクや白湯を飲んだりして体温を整える。 心が落ち着くようなリラックスソングを聴いて体をリラックスモードにするなど、寝る前の準備も意識的に調節してください。 寝る前にきちんとお風呂に入る、ストレッチで体をほぐすなど心身の状態を整えてから布団に入りましょう。

4.見た夢の意味を知りたい人はフロイトの「夢判断」を参考に!

見た夢の解釈したい、意味を知りたいと考えている人はオーストリアの精神科医ジークムント・フロイトの著書『夢判断』を参考にしましょう。 フロイトは現代の精神分析学を切り開いた人物と言われておりその思想は人々に大きな影響を与えています。 本書では1950年代から本格的に始まったとされる「夢」に関する研究について行っている各著名人の内容をはじめ、覚醒状態、夢の記憶など、未だに解明されていない夢への疑問や解釈が掲載されています。 現代でも未だ謎の多い「夢」について、まとめた書籍ですので、お手にとって読んでみてくださいね。

まとめ:夢についてはまだまだ謎が多い!

どうして人は夢をみるのか?現時点で謎の多い夢ですが、少しは疑問が晴れたでしょうか。 瞬間的に残っている夢や未だに記憶に残っている夢などありますが、私たちは毎日夢を見ています。 今回の記事で紹介した内容をまとめると以下のようになります。
  • 夢は記憶の集合体
  • 記憶に残るのは「レム睡眠」
  • 夢は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」で見ている
  • 意識的に良い夢は見ることができる可能性がある
  • 夢について知りたいのであればフロイトの「夢判断」を読みましょう
日頃から多くの情報をインターネットや雑誌、TVから得ています。 しかし、それらから得た情報を整理・処理する時間を設けたりできておりません。夢にはそれらの情報は寝ている間に、処理・整理するという役割があると考えられています。 これを機会に夢が与える影響に向き合い、寝る前の過ごし方などを変えてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】 「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」とは?意外と知らない眠りの種類 睡眠は最初の90分が肝心!ノンレム睡眠を深くする睡眠術! 意外と知らない睡眠のメリット7選!疲れがとれるだけじゃない 【参考文献】 ※1 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 ※2 第16回 「夢はレム睡眠のときに見る」のウソ ※3 Reality testing and the mnemonic induction of lucid dreams: Findings from the national Australian lucid dream induction study.

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寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

睡眠コラム

「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...

寝ても寝ても眠いのはなぜ?一日中眠くなってしまう原因と対策を解説

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「いくら寝ても頭がスッキリしない」「日中に眠くなるので仕事に影響が出てしまう」などの症状を誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中眠くなるのにはいくつかの原因があります。 この記事では寝ても寝ても眠いと感じる方のために、原因や対処方法を紹介します。病気や疾患が隠されている可能性があるので、早めに対策を取りましょう。 寝ても寝ても眠い原因とは? 寝ても寝ても眠気が取れない原因は、睡眠時間や質の低下、精神的・身体的ストレス、アルコールの影響、潜在的な疾患など様々な要因が関係していますが、大きく以下の4つに分類できます。 日常生活の問題 病気・疾患の問題 女性ホルモンによる影響 季節の変化 いくら寝ても日中に眠くなる症状は単なる睡眠不足だけでなく、うつ病や甲状腺機能低下症など、基礎疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 ここからは、それぞれの分類について詳しくご紹介していきます。 日常生活の問題による影響 睡眠不足や環境による睡眠の質の低下により、日中に強い眠気を感じることがあり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに精神的・身体的ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠障害を引き起こすこともあるかもしれません。 具体的な要因についていくつか見ていきましょう。 日常的な睡眠不足 日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短い水準にあり、男女ともに「6時間以上7時間未満」が最も多い傾向で約53.7%、次いで「6時間未満」が約37.9%となります。 しかし、個人差はありますが一般的に適切な睡眠時間は、成人で6〜9時間が推奨されており、睡眠不足とされる方が多くいるのが現状です。さらに睡眠不足が続くと、「睡眠負債(睡眠の借金)」と呼ばれる状態となり、目覚めが悪い、日中の眠気が強い、体調不良、イライラするなどの症状が現れます。 参考:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと - e-健康づくりネット(厚生労働省) 睡眠不足による睡眠負債が続いた場合、日中に眠くなるのが当たり前のようになることも懸念点として挙げられます。 睡眠負債はまとめて一日たっぷり眠っただけでは解消できず、長期的な取り組みが必要です。睡眠負債は心身に悪影響を及ぼすため、早期に対策を立てるようにしましょう。 睡眠の質の低下 寝室の温度や湿度、照明、生活音などが適切でないと、質のよい睡眠を取れなくなります。例えば、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠リズムが作れず眠りにくくなります。また、明るい照明や外部からの騒音も、脳が刺激されて安定した睡眠を妨げる要因になるため要注意です。 さらに、寝具の状態が悪いと、体が十分に休めず朝起きても疲れが取れないため、日中に眠くなってしまう可能性があります。このように、睡眠環境は質のよい睡眠を得るために重要な要素となります。 心理的なストレス 心理的なストレスとは、生活上の出来事や環境の変化などによって引き起こされる心理的な緊張、不安、焦りなどの心の状態のことです。 心理的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼし、睡眠不足の原因となることがあります。通常、夜間は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で入眠しやすくなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になります。 交感神経系が優位になると、脳の疲労回復に重要なノンレム睡眠(深い眠り)の時間が減少するため、十分な休息が得られず翌日の眠気や集中力の低下につながってしまうのです。...