レストレスレッグス症候群とは?

レストレスレッグス症候群は睡眠関連運動異常症の一つで、比較的頻度の高い疾患です。むずむず脚症候群や下肢静止不能症候群と呼ばれることもあります。脚の深部にむずむずと不快な感覚が起こって、じっとしていられなくなります。重症になると、深い睡眠が取れなくなり、不眠や過眠の症状が出てきます。
なお、レストレスレッグス症候群の半数以上の人が周期性四肢運動障害も発症していると言われています。周期性四肢運動障害では比較的眠りの浅い時に、一定の間隔で脚や腕が無意識に動いてしまいます。
レストレスレッグス症候群の症状や原因

どんな症状が現れるの?
レストレスレッグス症候群では、足の深部にむずむずとした不快な感覚が起こって、動かしたいという衝動に駆られます。じっとしている時に不快な感覚が起こったり、じっとしているとさらに悪化し動かすことによって改善するのが特徴です。また、日中に比べ、夕方や夜間に症状が悪化します。
そのため、入眠困難になったり、入眠後すぐに目が覚めてしまったり、睡眠が分断され深い睡眠が取れなくなったりします。
高齢者がなりやすい皮膚掻痒症では皮膚が痒くなるのに対して、レストレスレッグス症候群では表面ではなく、身体の内部に異常な感覚を生じます。むずむずするだけではなく、痛みや痒みが出る人もいます。また、脚だけではなく、手や腕に起こることもあります。
原因は?遺伝?年齢?
関連する遺伝子が複数見つかっていますが、原因は依然として不明です。しかしながら、近年では、鉄欠乏性貧血の人や腎不全で人工透析を受けている人にレストレスレッグス症候群を持つ方が多いことがわかってきており、中枢神経における鉄分の減少がドーパミンの機能低下につながっていると考えられています。
加齢とともに有病率が上昇するとされており、男性よりも女性に多いと考えられています。
レストレスレッグス症候群の治療法

治療法は、レストレスレッグス症候群が原因不明の特発性のものであるのか、他の疾患(脊髄・末梢神経障害、慢性腎不全など)や鉄欠乏、薬物の投与、過度な減量、妊娠中などによって起こる二次性のものなのかによってアプローチが異なってきます。
二次性のものであると疑われる場合、まずは二次性の治療として原疾患の治療や鉄欠乏の治療、薬物の中止などを行います。これで解決しない場合、二次性のものが否定され、特発性として、非薬物療法や薬物療法が行われます。
まず行われるべきは非薬物療法です。
- 睡眠環境を整え、
- 喫煙・飲酒やカフェインなどの誘発因子となり得るものの摂取を避けるよう指導し、
- 抗うつ薬など症状を悪化させる薬物を減量・中止し、
- 運動に関しては規則正しく中程度に留めるよう指導します。
軽症の場合、これら非薬物療法だけで改善することもあります。
非薬物療法のみでは不十分な場合、薬物療法を行います。第一選択としてはドーパミン作動薬が用いられます。