株式会社ブレインスリープ(本社:東京都千代田区、代表取締役:廣田 敦、以下「ブレインスリープ」)は、「Natural, Organic, Smart」をコンセプトに、地球にも人にも優しいホテルの運営を手掛ける株式会社スーパーホテル(代表取締役社長:山本 健策、本社:大阪府大阪市)と共同で、全国47都道府県の有識者1万人を対象とした共同睡眠調査を初めて実施しました。 調査結果ページ https://brain-sleep.com/service/sleepdeviationvalue/research2024/ 調査結果サマリー スーパーホテルはブレインスリープと共同で、全国47都道府県の有職者1万人(性別・年齢・都道府県で割付)を対象として睡眠環境や睡眠習慣に関する調査を行いました。本調査は、ブレインスリープが睡眠に関する様々な質問から構成する、睡眠状態評価をする「睡眠偏差値」と睡眠環境・睡眠習慣を掛け合わせて分析することで、どのような睡眠環境が良質な睡眠に繋がっているのかを把握することを目的としています。 本調査の対象として分析を行った睡眠環境は以下の通りです。 1.寝室の色 2.寝室での行動習慣 3.寝室の湿度環境 スーパーホテルは今回の共同調査で取得した1万人の睡眠環境に関するデータをベースに、お客様にさらに「ぐっすり眠れる環境」をご提供できるよう、今後も様々な活動を実施する予定であり、ブレインスリープは睡眠医学の観点からその活動をサポートしてまいります。 西野精治コメント: ブレインスリープ最高研究顧問、「スタンフォード式 最高の睡眠」著者 睡眠は“fragile”「壊れ物注意」と表現されることがあり、寝室等の外部環境によっても大きな影響を受けます。寝室の室温、湿度、照明によっても睡眠の状態が変わることが知られていますが、寝室の色調に関しては外国での調査報告はあるものの、日本での調査は見当たりません。 今回、ブレインスリープとスーパーホテルで睡眠環境、睡眠習慣に関する共同調査を行い、白い寝室で寝ている人がよい睡眠がとれていることがわかり,続いて茶色、ベージュの順で良い傾向がみとめられました。一方、一番よい睡眠がとれていないのは赤い寝室で寝ている人で、それらの人では、労働時間が長く、寝室で仕事や勉強をしている割合が多く、就寝前の飲酒や激しい運動を行う頻度も多いようでした。また、青色の寝室で寝ている人ではスマホ・タブレットで娯楽を楽しむ割合が高いことも判明しました。 原因か結果の見極めが必要ですが、日本人では、自然と調和するナチュラルな色の寝室での就寝が良い睡眠をもたらすという今回の結果は興味深いです。 西野 精治(にしの せいじ) スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所所長 株式会社ブレインスリープ 創業者 兼 最高研究顧問 医師、医学博士 認定資格 精神保健指定医、日本睡眠学会専門医、産業医 1.寝室の色と睡眠の関係性:睡眠の質向上には白い寝室がおすすめ 今回の調査で、寝室の色は白・ホワイトが36%主流であり、次点も「オフホワイト(クリーム)」「ベージュ」「茶色」が10%前後で続いており、落ち着いた色にする人が多いことがわかりました。 特に男性は女性と比較して「白・ホワイト」を基調とした寝室にしている割合が高く、その他の色について性年代別の傾向をみると、女性は「緑」「ピンク」が男性より高く、男性(特に若年)は「黒」が女性より高くなっています。 睡眠においては白い寝室で寝ている人がよい睡眠がとれていることがわかりました。睡眠の質のスコアが73.58と最も高く、平均睡眠時間も10,000人の平均である6時間50分確保できていました。続いて茶色、ベージュの順で睡眠の質が高い結果でした。 イギリスの2013年に行われた2,000人の調査結果では青が一番よい睡眠がとれる色と紹介されていました。またその調査ではカラーセラピー&ホリスティック・インテリア・コンサルタントのスージー・チアザリ氏は寝室のインテリアは、一晩の睡眠の質と量に確実に影響するため、寝室のインテリアの色はよく検討する価値があると述べていました。 今回ブレインスリープとスーパーホテルが行った日本人10,000人を対象とした調査で青系の寝室(ネイビー・紺/水色・ライトブルー・アクア/青・ターコイズ)で寝ている人は睡眠の質のスコアも悪くはないものの白や茶色には及ばない結果でした。国によって違いあることも大変興味深い結果となりました。 2.寝室での行動:寝室が赤色の人は仕事や勉強を行う割合が高く、青系統の人はスマホで暇つぶしする割合が高い 寝室で行う行動として多かった上位3つはすべてスマートフォンやタブレットを使用するものでした。 一番多かったのは41.3%が行っていた「SNS・ネットサーフィン」、次いで「動画閲覧」「ゲーム」の順でした。一方、睡眠以外に寝室でしていることはないと回答した人も全体で22.9%いました。 睡眠の質別にみると、質が良い層ほど「睡眠以外に寝室でしていることはない」割合が高く、悪い層ほど様々な作業・娯楽をしている割合が高くなっていました。 中でもスマホやタブレットを利用した行動をしている人によりその傾向が顕著にみられました。 また睡眠時間別に寝室での行動をみると、睡眠時間が長い人は「家族・パートナー・友人との会話」をする割合が高い傾向にありました。 また、寝室での行動については、寝室の色別に特徴的な傾向も見えてきました。 一番、特徴があったのが寝室の色が赤で「仕事」や「勉強」、さらには「飲食」をする割合が他の色よりも高く、全体的で多くの人が行っていたスマホ・タブレットで「SNS・ネットサーフィン」「動画視聴」「ゲーム」などをする割合は低い傾向にありました。 その他色別の行動特徴は以下の通りです。 青色(ネイビー/水色/青など):スマホ・タブレットで娯楽を楽しむ割合が高い ピンク:ネットショッピングや電話(テレビ通話を含む) 黄色:読書(紙・デジタル) グレー:家族・パートナー・友人との会話 シルバー:イギリスの結果同様、エクササイズ、音楽鑑賞と勉強 白/ベージュ/茶色:目立った特徴ない 3. 寝室の湿度環境:就寝時、夏以外は湿度管理器具を利用しない人が大半。睡眠の質が悪い人は、設定湿度が低い傾向 就寝環境の湿度は、温度と同様、睡眠に大きな影響を及ぼします。就寝時の寝室での湿度管理器具の利用状況を、季節別に調査すると、多湿環境である夏は約76%が利用しているものの、春・秋・冬は利用しない人が5割を下回るなど、就寝時には湿度管理はあまり行わせていないことがわかりました。特に春は7割以上が非利用でした。 湿度管理器具を利用し湿度設定を行っている方でも、約5割の方が睡眠の観点で推奨される湿度条件(春・夏:50-60%、秋・冬:40-50%)以外または湿度設定は不明と回答するなど、適正湿度を意識的に保とうとする人の割合が少ない傾向にありました。 湿度環境と睡眠の関係性をみると、睡眠時間が極端に短い人(4時間未満)や長い人(9時間以上)、また睡眠の質が悪い人(睡眠の質D判定)は、設定湿度が低い傾向にありました。 なお、睡眠学の観点から湿度は適正に保つことが理想とされているものの、本調査においては湿度管理器具の利用していない人の方が睡眠時間は短いものの、睡眠の質がよい傾向にありました。これはそもそも睡眠に悩んでいる人が睡眠の質改善のために就寝環境にこだわりを持っている可能性も示唆されるため、今後、スーパーホテルでは実際の客室を活かし、更なる検証を行ってまいります。 睡眠偏差値® 調査結果ページ 2024年度は睡眠全体に加え、睡眠環境における調査を重点的に行いました。発表した内容とは別に誰と一緒に寝ているか、温湿度、就寝環境のこだわり、入浴方法などのデータを業種・職種・性年代・地域別にご提供が可能です。 ※本調査内容をご利用の際、出典元として『睡眠偏差値®2024 ブレインスリープ調べ』と必ず記載いただくようお願いいたします。 https://brain-sleep.com/service/sleepdeviationvalue/research2024/ 【調査概要】 調査手法:web調査 対象地域:全国 対象者条件:男女 サンプル数:n=10,000ss 調査実施期間:2024年1月 ※集団間の睡眠偏差値、スコアの比較においては、一元分散分析、あるいはt-検定を行い、有意水準5%以下を統計的に有意な差と判定し記載しました。 ※昨年と一部対象者、調査項目を変えて調査を行っております。 ■睡眠偏差値®とは 睡眠に関する自覚症状や睡眠習慣を含む幅広い視点で睡眠の主観的評価を定量化する質問群を作成し、さらに日本人に馴染みのある「偏差値」として数値化することで、日本人全体の中での相対的な睡眠状態を把握することを可能にするシステム。 睡眠に関する商品やサービスの検証や研究領域、企業の健康経営サービス「睡眠偏差値for Biz」として展開しております。睡眠の主観評価として幅広くご活用いただくことが可能です。 ブレインスリープ企業コンサルティング: https://brain-sleep.com/corporate/corporate_consulting/ 【株式会社スーパーホテル】 設立: 1989年12月 所在地:大阪府大阪市西区西本町1-7-7 代表取締役:山本 健策 公式サイト : https://www.superhotel.co.jp/ Appendix 2.寝室での行動 2-1.寝室での行動×寝室の色 2-2.寝室での行動×睡眠時間・睡眠の質ランク 3.年代別就寝時の湿度管理器具の設定湿度