日本睡眠学会第48回定期学術集会にて NMNと睡眠の関係性、子どもの睡眠に関して発表 ~スタンフォード大学と共同研究・調査分析を実施~

PRODUCT

株式会社ブレインスリープ(本社:東京都千代田区、代表取締役:廣田 敦、以下「ブレインスリープ」)は、2024年7月18日(木)~19日(金)にパシフィコ横浜 ノース(神奈川県)にて開催された「日本睡眠学会第48回定期学術集会(以下、「本学会」)」にて、ブレインスリープ最高研究顧問であり、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長を務める西野 精治氏と共同研究、調査を元にした分析の成果を発表いたしました。本発表では、NMNと睡眠の関連性、また、ブレインスリープが独自調査した子どもの睡眠の実態「睡眠偏差値KIDS」に関する分析等、4つの発表とシンポジウムを実施しました。また、本学会ではブレインスリープ初となるブースも出展いたしました。
参考:2021年度「睡眠偏差値KIDS」調査結果発表
https://brain-sleep.com/service/sleepdeviationvalue/research2021kids/

発表概要

スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)と共同で行った研究と分析の発表をいたしました。調査分析は、ブレインスリープが独自調査した子どもの睡眠の実態に関する内容となります。

共同研究①
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の摂取による睡眠への影響

近年、細胞内のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)濃度の低下が老化関連障害を引き起こすことが明らかとなり、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の投与が細胞内のNAD+を増幅させ、老化イベントを緩和させるとして注目を集めています(M. Igarashi et al., 2022)。老化イベントに関連して、NMNが睡眠の質向上に寄与する論文もいくつか報告されていますが、これら報告では主観的な睡眠の質の評価のみで、客観的な睡眠データを取得した報告はほとんどありません。そこで本研究では、NMN摂取による睡眠への影響を客観的な指標も加え明らかにすることを目的とし、被験者30名を対象に14週間の臨床研究を実施しました。

調査分析①
親の不適切な睡眠観念が子どもの睡眠不足を引き起こす

小児の睡眠不足は健康や成長に悪影響を与えることが明らかになっておりますが、実際に睡眠不足を生じさせる要因は何か、どのような方策がその問題を改善しうるのかは十分に明らかになっていないため、今回親の睡眠観念と子どもの睡眠時間との関連性の分析を行いました。その結果、親が子どもにとっての必要睡眠時間を過少認識していると、その子どもの睡眠時間が短縮することがわかり、子どもの睡眠時間確保のためには親への「子どもの健康と発達のために必要な睡眠時間」の啓発も重要であると言えます。

調査分析②
子どもの問題行動のリスク要因としての睡眠・睡眠衛生

睡眠は子どもの情緒や行動の問題に影響を与えますが、具体的に睡眠のどの要因が強く影響するのかは明らかになっていません。そこで子どもの情緒や行動の問題に対して睡眠の各要素が与える影響と、それらの睡眠の要素に対して、睡眠衛生等が与える影響を検討するための分析を行いました。その結果、睡眠の各要素(睡眠時間、中途覚醒、睡眠中間時刻、CSHQ)の問題はそれぞれ子どもの情緒・行動に悪影響を与えることがわかりました。また子どもに適切な睡眠環境を提供することにより、睡眠を改善させ、さらには子どもの困難さも改善させられる可能性があると言えます。

調査分析③
子どもの昼寝時間に着目した夜間睡眠及び強さと困難さの関係

子どもの昼寝は時間が長すぎると就寝時間の後退、睡眠時間の減少が指摘されています。しかし、子どもの昼寝、夜間の睡眠が子どもの心身に与える影響については不明な部分が多くあるため、昼寝や夜間の睡眠が子どもの情緒や行動の問題に与える影響を分析しました。その結果、長すぎる昼寝は夜の睡眠時間を低下させ、子どもの強さと困難さに影響を与えることが明らかになりました。

展示ブース

本学会では初の展示ブースを出展し、他企業・団体と行った研究・検証・睡眠コンサルティング内容の事例を紹介いたしました。
<コンサルティング事業の一例>
・就寝前の読書が睡眠に与える影響について検証
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000165.000046684.html
・ハードとソフトを融合した『快眠のための家』の検証
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000046684.html
・AI画像診断によるSASリスク判定』に関する共同研究
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000172.000046684.html

シンポジウム

ブレインスリープ最高研究顧問であり、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長を務めております西野精治が座長を務めるシンポジウムを行いました。
演題  「シフトワーカーのウェルビーイングを高める(第2回)」
座長 : 西野 精治 / 米国スタンフォード大学、西多昌規 / 早稲田大学

2022年にNOBシフトワーク研究会を立ち上げ、学術界及び産業界からメンバーを募って、シフトワークのもたらす健康問題を様々なたちばから議論する活動を継続してきた。当シンポジウムでは各先生方の講演も踏まえ、多様な立場から
シフトワーカーのウェルビーイングに対する現状の理解を総括し、今後どのような社会実装が可能か議論した。
・ シフトワークによる概日リズム異常の分子神経機構(岡村 均 / 京都大学、山口 賀章 / 関西大学)
・ ヒトの概日リズムと睡眠覚醒リズムの特徴から交代勤務者のウェルビーイングを考える(山仲 勇二郎 / 北海道大学)
・ シフトワーカーのウェルビーイングと時間栄養学(永井成美 / 兵庫県立大学)
・ シフトワークモデルによる病態の個体差と概日リズム特性との関連(八木田 和弘 / 京都府立歯科大学)
・ 日本の鉄鋼業における交替制勤務の現状・課題と解決への方向性(木谷 謙介/ 株式会社シマブンコーポレーション)
・ [指定発言]シフトワーカーの健康問題に対する取り組み(中島正裕 / 株式会社ブレインスリープ)

日本睡眠学会第48回定期学術集会 概要

会 期:2024年7月18日(木)~2024年7月19日(金)
会 場:パシフィコ横浜 ノース
テーマ :「睡眠学の解剖~より広く、より深く、より先へ~」
公式ホームページ:https://www.c-linkage.co.jp/jssr48/index.html
会長:千葉伸太郎
医療法人愛仁会 太田総合病院 記念研究所 太田睡眠科学センター
東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科学教室

一覧に戻る