うつ伏せで寝るのは身体に悪いと聞いたことがありませんか?「うつ伏せで寝ることが多い」という方は不安に感じるかもしれません。
たしかに、就寝時の姿勢は、身体への負担や疲労回復、呼吸などに関係します。 そこで今回は、うつ伏せ寝のメリット・デメリットや、仰向け寝や横向き寝と比べた特徴を解説します。
「うつ伏せで寝るのが好き」「最近うつ伏せで寝ることが多くなった」という方は、ぜひ参考にしてください。
うつ伏せ寝のメリット
うつ伏せ寝には、仰向け寝や横向き寝に比べて安心感がある、いびきを軽減できるなどのメリットがあります。
安心できる
自然界で生きる動物にとって、急所であるお腹を出して寝るのは危険な体勢です。
こういった防衛本能により、お腹が隠れるうつ伏せは人間にとっても安心感が得られる寝姿勢だと考えられています。
敷布団などと接触してお腹の温かみが増すことも、安心感が得られる要因の一つです。
いびきを軽減できる
いびきは、なんらかの原因で狭くなった上気道(鼻や喉)を、空気が通ろうとする振動によって生じます。
仰向けで寝ると重力で落ちた舌が喉をふさぐため、上気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。
その点、うつ伏せは胸部が敷布団などに密着して横隔膜が下がるため、腹式呼吸を保ちやすい=呼吸しやすい寝姿勢です。軌道を狭めることなく楽に呼吸できるため、いびきの軽減につながることがあります。
うつ伏せ寝のデメリット
うつ伏せ寝にはメリットだけでなく、姿勢の関係で以下のようなデメリットも存在します。- 首や神経に負担がかかる
- 腰痛の原因になる
- シワやたるみの原因になる
その原因や具体的な症状を一つひとつ解説します。
首や神経に負担がかかる
姿勢はうつ伏せでも、真下を向いていると呼吸が苦しいため、顔は横を向いて寝ることが多いでしょう。
しかし、このように顔や首を左右どちらかにねじって寝ると首の神経が圧迫されて、首の痛みやコリ、痺れなどが発生します。
また、腕や手のうえに顔をのせている場合はこれらの神経も同時に圧迫されるため、手の痛みや痺れを引き起こすことがあります。
腰痛の原因になる
うつ伏せ寝は腰に重力がかかるため、腰痛の原因になりやすいと考えられています。
重力がかかって腰が沈むと、必然的に反った状態となるためです。起き上がっても「反り腰」が続くなどして背骨に負担がかかり、腰痛が生じます。
特にうつ伏せで脚を伸ばしたまま寝ると、腰付近のインナーマッスルも長時間伸びたままとなり大きな負担がかかります。
シワやたるみの原因になる
うつ伏せ寝では、基本的に顔を横に向けて寝ることになります。つまり、下になっている側の頬は寝ている間圧迫されている状態です。
こうした頬への圧迫は、皮膚の下の皮下脂肪の偏りにもつながるため、シワやたるみの原因となることがあります。
うつ伏せ寝は身体に悪い?
寝るのに適した姿勢は個人差があるため、一概にはいえません。
しかし、首や腰、腕などへの負荷を考えるとうつ伏せ寝はあまりおすすめできない寝姿勢です。
「幼いころからうつ伏せ寝が好き」という方が、すぐに変えるのはなかなか難しいかもしれませんが、なかには「最近うつ伏せ寝が多くなり、それにともなって熟睡できないことも増えた」という方もいるでしょう。
そのような場合は、寝具が身体に合っていない可能性があります。
睡眠の質を改善するためにも、現在使用している寝具が自分に適しているか一度見直してみるとよいでしょう。
仰向け寝や横向き寝との違いについて
うつ伏せ以外の主な寝姿勢としては、仰向けや横向きが挙げられます。
仰向け寝は、背中全体で体重による圧力を支えるため、最も身体への負担が少ない寝姿勢といえます。血流の循環もよいため、筋肉のこりなども発生しにくいです。 一方、先述したように重力で落ちた舌が気道を塞ぐため、いびきをかきやすいというデメリットもあります。
横向き寝は、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりにくいのが特徴です。舌が落ち込んで気道を妨げることも少ないため、いびきもかきにくいといえるでしょう。
ただし、長時間横を向いて寝ると、血流が悪くなって筋肉のこりや冷えの原因になります。また、いつも同じ方向で寝ていると身体の歪みにつながるため注意が必要です。
理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説
快眠のポイントは寝返りにあり!
ここまでうつ伏せをはじめ、仰向けや横向きなど寝姿勢のメリット・デメリットを紹介してきました。
しかし、どの寝姿勢でも長時間同じ姿勢のままだと、体重や重力による圧迫で血行不良を引き起こし、睡眠の質の低下につながります。
このため睡眠の質を高めるには、どの姿勢で寝るかというよりもいかにスムーズに寝返りを打てるかが重要です。
寝返りには血行促進だけでなく、体温調節や体圧の分散などの働きもあり、大人の場合、一晩で20〜30回打つのが理想と考えられています。
理想の寝返りをつくるなら寝具を見直そう
寝返りのしやすさは、寝具の素材や種類によって変わってきます。自分の身体に合った寝具を見つけ、睡眠の質を高めるためにも寝具選びのポイントを知っておきましょう。
枕選びのコツは「高さ」
枕は、首のS字カーブを整えて寝られるよう、自分に合った高さのものを選ぶことが重要です。
枕が高すぎると、首の骨である頸椎(けいつい)が大きく前屈することで気道が狭くなり、呼吸が浅くなったりいびきが悪化したりするためです。
反対に枕が低すぎると、頸椎が後屈して関節に悪影響を与え、寝つきが悪くなる、腕の痺れや痛みを引き起こすなどの可能性があります。
「どの高さを選べばいいの?」ブレインスリープ ピロー高さ選びのコツ
マットレス選びのコツは「弾力性」
マットレスは、スムーズな寝返りをサポートしてくれる弾力性のあるものがおすすめです。
マットレスがやわらかすぎると、背中とお尻が沈み込むことで腰に負担が集中し、寝返りが打ちにくくなります。
反対にマットレスが硬すぎると、背中とお尻に圧力が集中することで血流が悪化し、腰痛の原因となることがあるため、適度に弾力性のあるものを選ぶことが重要です。
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「ブレインスリープ」では、理想の寝返りを実現するマットレスや枕など、快眠をサポートする様々なプロダクトを開発しています。
うつ伏せ寝と快眠のポイントを知ってぐっすり眠ろう
うつ伏せ寝には、本能的に安心感が得られる、軌道が確保できるためいびきの軽減につながるなどのメリットがあります。
一方で、腰に重力が集中するため腰痛の原因になりやすい、顔を横に向けて寝るため首の神経に負担がかかる、シワやたるみの原因になることがあるなどのデメリットがあることもたしかです。
しかし、睡眠の質においては、どの体勢で就寝するかというのは実はあまり重要ではありません。 うつ伏せ、仰向け、横向き、どの寝方でも長時間同じ姿勢をとり続けていると血流が悪化し、睡眠の質の低下につながるためです。
このため睡眠の質向上には、寝ているうちに姿勢を変える寝返りが重要となります。 寝返りには血行促進だけでなく、体温調節や体圧の分散などの働きもあり、一晩で20〜30回打つのが理想です。
「ブレインスリープ」では、脳と睡眠医学の研究に基づいて、スムーズな寝返りをサポートする枕やマットレスなど様々なプロダクトを開発・販売しています。
「睡眠の質を上げたい」「朝までぐっすり眠りたい」という方はぜひ、一度寝具を見直してみてくださいね。