羽毛布団は自宅やコインランドリーでも洗濯可能ですが、適切な方法で洗わないと羽毛を傷める恐れがあります。そのため、洗濯機や手洗いの正しい手順を守り、洗剤の選び方や水温にも気をつけることが重要です。
この記事では、羽毛布団の洗濯方法を「洗濯機」「手洗い」に分けて解説します。また、羽毛布団を干すコツや頻度も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
羽毛布団を洗う前に確認すること
羽毛布団を長持ちさせるには、洗う前の確認が必要です。ここではどのようなポイントに注意すべきか詳しく解説します。
天候
季節によって異なりますが、洗った羽毛布団を完全に乾燥させるには、最大3日程度かかることがあります。そのため、洗濯を計画する前に、数日先までの天気予報をチェックすることをおすすめします。特に湿度の低い、カラッとした晴れの日が続く時期を選ぶようにしましょう。
これにより、羽毛が湿気を含んだまま長時間放置されることを防ぎ、カビや悪臭の発生リスクを軽減できます。また、十分な乾燥時間を確保することで、羽毛のふんわり感を維持し、布団の寿命を延ばせます。
ただし、直射日光は布団のなかが高温になってしまい、羽毛が傷んでしまうため陰干しがおすすめです。
洗濯表示マーク
洗濯する際は、洗濯表示マークを必ず確認してください。マークには注意事項が記載されていますが、特に液温(洗濯時の水温)の上限を守ることが大切です。
なお2016年に洗濯表示マークが変更されたため、詳細な注意書きが記載されている場合もあります。2016年以前の表示マークは「洗濯機」、それ以降は「たらい」のイラストになっています。
もし表記を確認して、たらいのマークにバツがついている場合は、自宅での水洗いができないため、専門のクリーニング店に依頼してください。洗濯表示マークを正しく理解して守ることで、羽毛布団をきちんとケアでき、長く清潔に保つことにつながります。
キルティング加工の有無
キルティング加工のされていない羽毛布団を洗濯すると、中の羽毛が偏りやすく、結果として布団の形が大きく崩れてしまうことがあります。
キルティング加工とは、ダウンジャケットのように布地を重ね合わせてマス目をつける技法のことです。羽毛布団では中わたの移動を防ぎ、形状を保つために施されます。羽毛が偏ってしまうと、布団の保温性や快適性が低下し、もとの状態に戻すのは困難です。
そのため、キルティング加工のない羽毛布団を洗濯する際は、優しく均一に力をかけて洗うよう心がけ、脱水時も羽毛の偏りを最小限に抑えるよう注意しながら扱う必要があります。キルティング加工がされている場合は、できるだけクリーニングに出すのがおすすめです。
洗濯機のコース
洗濯機を使用する場合は「大物洗いコース」または「ふとん丸洗いコース」を選択します。もし大物洗いコースがない場合は「ドライコース」もしくは「毛布コース」など、デリケート素材向けのコースを選んでください。
また、使用前に必ず洗濯機の取扱説明書を読んで、羽毛布団が洗えるかを確認することが大切です。説明書には、各コースの詳細や推奨される洗濯物の種類、注意事項が記載されています。
加えて、布団のサイズごとに必要な洗濯機のサイズは異なるため、ご自宅の洗濯機のサイズで洗えるのか事前に確認しておく必要があります。無理に洗濯機に詰め込むと、洗濯機の故障につながるため、形状や機種により洗濯機に入らない場合は、手洗いか大型コインランドリーでの洗濯をおこなうようにしましょう。
羽毛布団を洗濯機で洗う正しい方法
ここからは羽毛布団を洗濯機を使い、きれいに仕上げる方法を紹介します。それぞれ順番に見ていきましょう。- 目立つ汚れを落とす
- 洗濯ネットに入れる
- コースを選択する
- 洗濯機で洗う
- 干す
1:目立つ汚れを落とす
まず羽毛布団の表面についているホコリを軽く払い落としましょう。汗ジミのような目立つ汚れがある場合は、おしゃれ着用の中性洗剤を水で薄め、その部分になじませておきます。洗剤の量はボトルの裏に表記されているため、確認してから使用してください。
2:洗濯ネットに入れる
洗濯機に入れる際は、布団を縦に3つ折りにし、端から丁寧にくるくると巻いていきます。細長くしてから丸めることにより、洗濯時の羽毛の偏りを防ぐことが可能です。
最後に、巻いた布団を洗濯ネットに入れることで、布団が傷んでしまうのを防ぎ、洗濯機内で動くのを抑えます。ネットに入れるか入れないかで仕上がりが変わるため、洗濯ネットに入れる工程は必ずおこなってください。
3:コースを選択する
羽毛布団の洗濯では、使用する洗濯機に適したコースを選択することが大切です。大物洗いコースや毛布コースがない場合は、ドライコースでも問題ありません。
4:洗濯機で洗う
縦型の洗濯機を使用する場合、洗濯槽に水を溜めてから、いったん停止を押し、そこに羽毛布団を入れて両手で5〜6回押し込んで、しっかり水を吸わせます。
一方、ドラム式洗濯機を使用する際は、水を吸わせる工程は不要です。洗濯機の特性に合わせた方法で布団を入れることで、洗浄効果が得られます。どちらも洗濯が終わったらそのまま放置せず、すぐに洗濯槽から布団を取り出しましょう。
5:干す
羽毛布団を干す際は、陰干しにするのがポイントです。もし取り込んだ際に完全に乾いていないときは、乾燥機を使って乾燥させましょう。 なお、干し方のコツは後ほど詳しくご紹介します。
羽毛布団を手洗いする正しい方法
次は羽毛布団を自宅で手洗いする方法をご紹介します。大きな違いは浴槽を使うことです。洗濯機を使うよりも羽毛が傷みにくいですが、その分手間がかかります。- 浴槽に水を溜める
- 洗剤を入れる
- 押し洗いする
- 水を替えてすすぐ
- 干す
1:浴槽に水を溜める
羽毛布団を手洗いするときは、家庭の浴槽が最適です。布団全体が十分に浸かる水量を溜めましょう。
2:洗剤を入れる
水を張ったら、キャップ1杯程度の中性洗剤を水に溶かします。使用する洗剤は羽毛に優しい専用のタイプか、おしゃれ着用の中性洗剤がおすすめです。
水温は羽毛布団の洗濯表示マークに記載されている温度を守ります。これにより羽毛や生地へのダメージを最小限に抑えつつ、汚れを落とせます。
また、羽毛布団の洗濯には柔軟剤を使わないでください。水鳥の羽根は本来水に強い性質を持っていますが、油分には弱いためです。柔軟剤に含まれる油分が羽毛に付着すると、その保温性や弾力性を損なう原因となります。
香りをつけたい方は、羽毛布団ではなく、シーツや毛布などの寝具に柔軟剤を使うとよいでしょう。
3:押し洗いする
布団を広げて両手で優しく押し洗いし、洗剤が全体にいき渡るようにします。ジャブジャブと勢いよく洗うと生地を傷めてしまうことがあるため、注意してください。4:水を替えてすすぐ
羽毛布団の手洗いが終わったら、すすぎの工程に移ります。浴槽の水を完全に入れ替え、清潔な水で布団をすすぎます。
泡が完全に消えるまでこの作業を繰り返すことが大切です。洗剤が残っていると、乾燥後に布団が硬くなったり、羽毛にダメージを与えたりする可能性があります。
5:干す
すすぎが終わったら、布団から余分な水分を取り除く必要があります。そのため、バスタブや容器の縁に羽毛布団をかけ、約30分間水切りをします。
このとき、布団を強く絞ることは避け、自然に水が落ちるのを待ちましょう。水切りの過程で羽毛を守り、そのあとの乾燥時間を短縮できます。
羽毛布団を干すコツ
羽毛布団を効率的に乾燥させるには、物干し竿2本をまたぐように干すのが効果的です。ただし、天日干しは布団を傷める可能性があるため、風通しのよい場所で陰干しすることが大切です。
物干し竿にかけたら、布団全体の形を整えましょう。特に重要なポイントは、偏った羽毛を両手で優しくほぐし、布団の端を持って軽く振ることです。
これにより羽毛が均等に広がり、空気が入り乾きやすくなります。さらに、乾燥過程で数回羽毛をほぐすことで、布団が膨らみ、ふっくらとした仕上がりになります。
羽毛布団を洗う頻度
羽毛布団の洗濯頻度は一般的に5〜7年に1回の目安で十分です。頻繁な洗濯は羽毛のかさを減少させ、保温性を損なう可能性があるためです。
汚れ対策には羽毛布団用カバーが効果的で、カバーを定期的に洗濯することで清潔さを保てます。羽毛布団の普段のお手入れは、風通しのよい場所に広げておくだけで十分です。
外干しする場合は、直射日光から生地を守るためカバーをかけたまま陰干しをしましょう。外干しできるスペースがないときは、乾燥機にかけるのがおすすめです。ダニ対策にもなります。
また、収納時には圧力をかけないよう注意し、押し入れに詰め込んだり重いものをうえに置いたりすることは避けてください。丁寧なメンテナンスが羽毛へのダメージを防ぎ、品質と快適さを長期間維持できます。
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羽毛布団を正しく洗濯して心地よい眠りを実現しよう
自分で羽毛布団を洗うには、「たっぷりの水を使用して洗う」「天気のよい日に陰干しする」などの注意点を知っておくことが大切です。
洗濯の頻度は「5〜7年に1〜2回」で問題ありません。しかし、羽毛布団はホコリやダニが付きやすいことから、「本当に洗わなくて大丈夫?」と不安になる方も多いでしょう。
そのような方のために、ブレインスリープでは簡単に洗える掛け布団をご用意しています。清潔な掛け布団で心地よい睡眠を実現したい方は、ぜひ一度ご検討ください。