硬い枕が苦手で柔らかい枕を使っていたけれど、首や肩に痛みを感じ、使っている枕が原因なのでは…と考えている方に、この記事では、柔らかい枕のメリットやデメリット、選び方などを詳しく解説しています。
柔らかい枕とは?
枕の硬さや柔らかさの感覚は、人それぞれ異なり、好みも人それぞれです。一般的に、柔らかい枕は頭をふんわり包み込んでくれるような感覚があるため、「クッション性のある柔らかい枕が好き」という方も多いかと思います。
例外もありますが、基本的に枕の柔らかさは、枕の素材で決まります。硬さや柔らかさはもちろん、触感や香りなど、一番リラックスできる素材を選びましょう。
柔らかい枕の主な素材

柔らかい枕として代表的な素材を7つご紹介します。それぞれの特徴を知り、自分の好みの素材を見つけましょう。
ウール
羊の毛を球状に加工した天然素材。クッション性が高く、保温性に優れているほか、復元力が高いのが特徴です。
熱がこもりやすく、天然素材だから虫がつきやすいのがデメリットで、商品によって自宅で洗えるものと洗えないものがあります。
ポリエステルわた
ポリエステルをわた状に加工した人工繊維。弾力性に優れているので、ふかふかとした寝心地が特徴です。化学繊維のため虫がつきにくく、自宅で丸洗いできたり、価格の安い商品が多くあります。
ただ、吸収性が低く、へたりやすいというデメリットもあります。
羽毛
水鳥の羽を使って作られた天然素材。ダウンの比率が51%以上なら羽毛枕、50%以下なら羽根枕になります。ダウンの比率が多くなるほど、弾力感がアップします。
保湿性が高いので冬でも温かく、吸湿性・放湿性も優れるため寝汗をかいても枕が蒸れにくいので、一年を通して使いやすいのが特徴です。
デメリットは、枕から羽が飛び出してしまうことや、アレルギーの方は使用できないことです。
ウレタン
特定の材料を組み合わせて作られたプラスチック発泡体のこと。継ぎ目のないウレタンフォームのほか、細かく砕いたウレタンチップ、ジェルとウレタンを融合させたウレタンジェルなど、様々な種類があります。
ウレタンを使った枕には低反発・高反発の2種類があり、柔らかい枕の素材は、低反発ウレタンです。頭の形に合わせて沈み込むので、頭や首を圧迫せず、柔らかくて寝心地がいい反面、通期性が悪いためムレやすく、寝返りがしにくいというデメリットもあります。
極小ビーズ
細かいビーズを素材とした枕は、非常に柔らかいのが特徴。触り心地が良く、頭や首の形に合わせてぴったりとフィットします。しかし、反発力がないため頭が沈み込みやすく、寝返りを打ちにくいというデメリットもあります。
クラッシュラテックス
天然ラテックスと合成ゴムを混合したものを粉砕して作られた素材。頭を支えてくれるほど良い弾力性と高反発性が特徴で、ふわっとした柔らかい寝心地です。
基本的に水洗いや天日干しはできず、ゴムアレルギーがある方は使えません。
パンヤ
パンヤの木の種子からできた天然素材。吸湿性が高く、独特な柔らかさで頭になじむのが特徴です。
熱がこもりやすく、ややへたりやすいのがデメリットのほか、頻繁に干す必要があるうえに、水に濡らすと硬くなることがあります。
柔らかい枕のメリット
頭や首へのフィット感が良い柔らかい枕は、頭をふんわりと優しく包み込んでくれるので、寝心地が良いと感じやすいのが特徴です。頭や首を正しい姿勢に維持することができ、体に無駄な力が入らないので、筋肉への負担が少ないのもメリットのひとつです。また、保温性に優れた素材が多いので、寒い時期にもオススメです。
柔らかい枕のデメリット
ふんわり包み込むような心地良さですが、頭の位置が安定しないと感じる方もいます。
また、柔らかいからこそ頭が深く沈み込むため、睡眠中に寝返りを打ちにくくなります。寝返りの回数が減ると同じ姿勢でいる時間が長くなるので、むしろ首や肩の筋肉の負担が増え、寝違えたり、首や肩、腰などに痛みを感じる可能性があります。
一方、やや硬めの枕は、あまり頭が沈み込まず、正しい寝姿勢へと導いてくれるので、スムーズな寝返りをサポートしてくれます。
柔らかい枕で首や肩が痛くなる理由
枕の柔らかさは数値で表せないため、適度に柔らかい枕と柔らかすぎる枕との線引きが難しいとされています。そこで、枕に頭を乗せた時の寝姿勢が適切かどうかを確認しましょう。
柔らかくて、低い枕
頭が深く沈み込む柔らかい枕で高さが低いと、後頭部がマットレスに当たって圧迫感を感じる場合があります。頭や首をしっかり支えることができないので寝姿勢が崩れてしまい、肩こりや首の痛みの原因となります。
ダウンの比率が90%を超えるような、ダウン比率の多い羽毛枕に起こりやすいので、頭を乗せた時に底付き感がないかを確認しましょう。
柔らかくて、高い枕
頭が沈み込む余地がないほどに、柔らかい素材がパンパンに詰めらている枕を使用すると、頭の位置が高くなります。
後頭部が高いと首や肩に負担がかかるので、こりや痛みに繋がるほか、睡眠中に枕から頭が落ちて寝違えてしまうことも多くなります。また、首が圧迫されて気道が狭まくなるため、いびきの原因となることもあります。
自分に合う柔らかい枕の選び方
自分の体格や寝姿勢に合った柔らかい枕の選び方をご紹介します。
1:仰向け寝した時の角度
一般的に、仰向けの状態で頭を乗せた時に、首から頭にかけての傾斜角度が10~15度、額より顎の先が0~5度程度下がる状態が理想の寝姿勢とされています。
2:寝返りの打ちやすさ
柔らかい素材の枕は、首のカーブにしっかりとフィットしますが、頭が深く沈み込みすぎたり、安定しないことがあり、その結果、寝返りが打ちにくくなってしまう場合があります。柔らかい枕でも、スムーズな寝返りが打てるかどうかを確認することが大切です。
3:睡眠を考えた商品から選ぶ
自分の体格や寝姿勢に合った枕を使用することが大切なので、枕の柔らかさだけでなく、良質な睡眠を提供するために開発された枕から選びましょう。
柔らかい枕でも自分に合う枕を使う
ふんわりと包まれる感覚で寝心地のいい、柔らかい枕ですが、メリットだけではなくデメリットもあります。そのため、自分に合った枕を選びましょう。
「睡眠は人生の3分の1を占める」と言われているほど長い時間使用する枕にこだわることで、毎日の疲れを癒し、心も体も回復させることができます。首や肩の痛みが気になる方は、一度、枕を見直してみてはいかがでしょうか。