枕が合わない主な原因
枕が合わない理由として、いくつかの原因が考えられます。1:選び方が間違っている
そもそも枕を選ぶ際は、自分の頭の大きさや重さ、体格、首の形、寝姿勢のクセなどに合わせることが大切です。 そのため、「プレゼントとしてもらった」、「友達のおすすめの枕を検証せずに購入」、「おしゃれなデザインに惹かれた」、「肌触りがいいから寝心地もいい気がする」、「低い枕の方がうつ伏せで寝やすい」、「高い枕じゃないと眠れない」など、自分に合っているかどうかを考慮せずに購入するのは、間違った選び方と言えます。 枕の適切な高さや硬さは人によって異なるので、体格などを考慮して選びましょう。2:枕の高さ・サイズ
枕には頭や首を支えて睡眠中の姿勢を整えたり、スムーズな寝返りをサポートする役割があるので、高すぎても低すぎても、小さすぎてもよくありません。3:枕の素材
硬い枕は、パイプやそば殻などの素材で作られているものが多く、寝返りが打ちやすいとされています。ですが硬すぎると、首のカーブにフィットしないためうまく体圧分散ができず、首や肩に負担がかかるほか、後頭部に圧力が集中して血流が悪くなるので注意が必要です。 一方、柔らかい枕は、羽毛や低反発ウレタンなどの素材で作られているものが多く、首から肩にかけての筋肉が緊張することなくリラックスした状態で眠れます。ですが柔らかすぎる場合、頭が枕に沈み込んで寝返りが打ちづらくなる、寝姿勢がくずれる、頭が安定せずに首に力が入るなど、負担がかかりやすくなるので、適度な硬さと弾力性のある枕を選ぶことが大切です。
4:自分の寝姿勢と合っていない
首の骨は通常、背骨から頭を真っ直ぐ支えるために、緩やかなS字を描くようにカーブしており、そのカーブを睡眠中も再現することが大切です。仰向け寝の姿勢では、立っている状態と同じS字カーブを再現できる高さ、横向き寝の姿勢では、頭から背中にかけての骨が真っすぐになる高さの枕が理想とされています。 横向き寝の姿勢で眠ることが多い方は、肩幅を考慮して枕の高さを選ぶ必要があります。5:マットレスや敷布団とのバランスが悪い
枕とマットレス(または敷布団)の相性が悪いために、枕が合わないと感じる可能性もあります。マットレスの素材や硬さによって体の沈み込み方が異なるので、枕単体ではなく、両方を使用した際のバランスを意識しましょう。 マットレスを見直すことで、肩こりが解消したり、質の高い睡眠を得られることもあります。枕が自分に合っているかの確認方法
まずは、自分の枕が自分の体に合っているかを確認しましょう。枕が合っているいるのか、合ってないのかを確かめるための、チェックポイント
・朝、目が覚めた時に枕がズレている(首から離れている、後頭部しか乗っていない) ・うつ伏せの姿勢で目が覚める ・枕や頭の下に手を入れて寝ている ・腕を上げて寝ている ・翌朝、手や腕にしびれがある ・翌朝、首や肩がこっている、または痛い ・熟睡感がない ・寝返りを打つと目が覚める これらの項目内で、1つでも当てはまっている場合、枕が自分に合っていない可能性があります。 枕が体に合っている場合、寝返りを打っても大きくズレることはなく、ズレそうになっても、無意識に枕を戻したり、体が追いかけていったりなどして、枕と自分の体が離れるのを食い止めようとします。また、合わない枕を使用していることで、体の違和感を無意識に調整しようとして必要以上に寝返りを繰り返している場合もあります。 睡眠中に枕から頭が落ちていたり、うつ伏せの姿勢、手を下に入れる、万歳しているなどしていることが多い方は、一度枕を見直してみましょう。仰向けになった時の視線で枕が合っているか確認
個人差はありますが、大まかに適正な枕の高さを確認する方法をご紹介します。 仰向け寝の姿勢になり、自然な顔の角度のまま真っ直ぐ天井を見た時、垂直よりもやや下(足側)に目線がいく高さが適正とされています。もし、目線が下過ぎていれば枕が高すぎる、目線が上側にいっていれば枕が低すぎるということです。 横向き寝の際は、頭から背中にかけての骨が真っすぐになる枕の高さが適正とされています。何も無い壁に向かって横向きに寝て、自分の体が平行になっているかを意識することで、確認することができます。合わない枕を使っていると…
合わない枕を使用し続けることで、様々な睡眠不調が起こる可能性があります。 1:睡眠の質が悪くなる 合わない枕を使用すると、寝返りが打ちにくかったり、逆に寝心地が悪くて寝返りを打ち過ぎたりすることがあります。十分な睡眠時間を確保したのにもかかわらず、「起きた時に疲労感がある」、「日中、強い眠気に襲われる」などの症状を感じる方は、枕が合っていないのかもしれません。 2:いびきが増える いびきの原因は様々ですが、枕が高すぎる場合、あごが下がって気道が圧迫されるため、いびきが多くなることがあります。 3:肩や首がこる・痛くなる 体に合っていない枕では、不自然な寝姿勢になるため、首や肩に負担がかかり、こりや痛みにつながります。 4:腰痛になる 首と腰は背骨で繋がっているため、首に負担がかかると腰にまで影響することがあります。特に体を支える筋肉が少ない方は、合わない枕を使用することで腰痛が起きやすいと言われています。 5:頭痛が起きる 頭痛には、病気を原因としない「一次性頭痛」と、脳の病気がかかわる「二次性頭痛」があり、肩こりが悪化することによって起こる頭痛のほとんどは「一次性頭痛」です。 合わない枕を使用することで、首や肩まわりの筋肉が緊張状態になり、頚性神経筋症候群(首のこり)を招きます。その結果、血流が悪くなったり、頭蓋骨の筋膜にまで悪影響が及ぶため、頭全体や後頭部が締め付けられたり、圧迫されるような痛みを感じる可能性があります。 6:ストレートネックになる ストレートネックとは、本来、緩やかなS字にカーブしている首の骨が、まっすぐに伸びてしまった状態のことです。長時間に及ぶデスクワークやスマートフォンの使用などで前傾姿勢が長時間続くことが主な原因ですが、高すぎる枕によって頭が前に押し出された状態が長時間続くことも、ストレートネックの原因のひとつと言われています。 7:無呼吸症候群になる 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠時に、空気の通り道(上気道)が狭くなり、呼吸が止まる“無呼吸”や、呼吸が止まりかける“低呼吸”を繰り返す病気です。無呼吸と低呼吸を繰り返すことで、脳も体も酸欠状態に陥るため、様々な臓器に負担がかかります。眠りが浅くなってしまうので、十分な時間眠ったのに疲れが取れないことがあります。
8:容姿への影響 そもそも顔は完全な左右対称ではありませんが、枕が合わず寝姿勢がくずれることで、顔の歪みにつながる可能性があります。特にうつ伏せ寝の姿勢を長期間続けると、顔の左右差が大きくなりやすいので、仰向け寝や横向き寝で快適に眠れる枕を選びましょう。