睡眠コラム

中途覚醒とは?夜中に目が覚める原因と治し方

睡眠の悩みは人それぞれありますが、「眠ってから3時間ほどで目が覚めてしまう」、「夜中に目が覚めて、その後寝付けない」などの症状に悩んでいる方は「中途覚醒」という不眠症のひとつかもしれません。

この記事では、中途覚醒の原因や治し方を、解説します。

<監修>

中島 正裕

理学博士/株式会社ブレインスリープ取締役CFO/睡眠健康指導士上級

1983年山口県出身。2007年東京大学理学部物理学科卒業、2012年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学博士)。
株式会社ブレインスリープには2019年5月の設立時より取締役として参画。CFOとして財務面の統括及びパートナー企業向けの睡眠コンサルティング関連事業に加えて、睡眠偏差値として公表している睡眠関連疫学調査の結果を基にした睡眠研究や企業向け健康経営サポート業務も担当。2021年11月に睡眠健康指導士上級資格を取得。

中途覚醒とは?

「中途覚醒(ちゅうとかくせい)」とは、一度眠りについたのに、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚めてしまうことです。ですが、一晩に数回、数秒程度目覚めたり、一度目が覚めても数分ですぐに寝付ける場合は、基本的に問題ありません。あくまでも、本人が自覚するくらいハッキリと目が覚め、再度寝付けなかったり、寝てもまたすぐ起きてしまうことを指します。

似た症状として、「早朝覚醒(そうちょうかくせい)」があります。こちらは、通常の起床時刻の2時間以上前に目が覚めてしまい、その後眠れないか、入眠できても熟睡できない症状のことで、「中途覚醒」とは区別されています。

どちらの症状も、これまでご高齢に多いとされていましたが、コロナ禍以降、20?30代の若者にもよく症状が見られるようになったと言われています。また、男性よりも女性の方が多いこともわかっています。特に20代後半?30代の女性は、子どもに起こされることが多いのも要因のひとつです。

時々目が覚めてしまうくらいなら深刻に考える必要はありませんが、日中の不調や、週に3回以上の「中途覚醒」や「早朝覚醒」が3ヵ月以上続く場合は、不眠が慢性化していると言えます。

中途覚醒の原因

中途覚醒してしまう原因に気づくことで改善しやすくなるので、ご自身の原因について考えてみましょう。

1:ストレス

一般的に、睡眠時は体をリラックスさせる副交感神経が優位になります。ですが、ストレスは交感神経を優位にさせるため、自律神経のバランスを崩して睡眠の質を下げてしまいます。

最も多いとされているのは、職場の人間関係や仕事内容のストレスです。上司や同僚との関係に悩んでいたり、仕事量や残業が多すぎて気が休まらない、締め切りに追われて焦っているなどがあります。帰宅後もリラックスすることができないため、眠ってからも緊張状態が続き、目が覚めやすくなります。特に、働き始めの仕事に慣れていない時期は、ストレスが溜まりやすいので注意が必要です。

また、コロナ禍による環境変化や、将来への不安を抱えている場合も、緊張状態となるので眠りが浅くなります。その不安から飲酒量が増えることで睡眠を妨げてしまうこともあります。さらに在宅ワークなどによって運動量が減り、体が疲れていない状態も眠りが浅くなります。

最初はストレスで眠れなかった状態が、次第に眠れないことがストレスとなることも。「眠らなくては!」と、プレッシャーや不安に感じることで眠りが浅くなり、悪循環に陥ることもあるので、就寝前はリラックスするように心がけましょう。

2:病気や生活習慣

厚生労働省の健康情報サイトによると、質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが分かっているそう。不規則な食事・運動不足・ニコチン・アルコール過飲によって睡眠状態が悪化するため、これらの生活習慣を改善することが良質な睡眠を保つことにつながります。

また、様々な病気が原因で中途覚醒してしまう場合や、中途覚醒が病気の原因となってしまう可能性もあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に一時的に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」の方は、夜間の頻回の呼吸停止によって睡眠が浅くなりやすく、夜中に目覚めてしまうことがあります。主に気道が狭まることで生じるため、一般的に、肥満体型の方や、大きないびきをかいている方がかかりやすい病気として知られていますが、加齢によって気道を支える力が弱まり、症状が出る場合もあります。

高血圧

「高血圧」の方は、交感神経が優位になって緊張や興奮しやすいため、中途覚醒につながります。

うつ病

「うつ病」の方は、自律神経や精神面が不安定なため、ストレスを感じ続けているので、中途覚醒や早朝覚醒などの不眠症状が現れることが多くあります。

改善できる場合もあるので、気になる方は医療機関を受診してみましょう。

3:生活リズムの乱れ

朝、日光を浴びることで、脳から睡眠に関わるホルモン「メラトニン」が分泌されます。ですが夜勤や夜更かしなど、生活リズムが乱れて日光を浴びる機会が減ると「メラトニン」が分泌されず、睡眠の質が下がります。

また、就寝前のスマホやパソコンの画面の光を見ることによって脳が刺激され、脳は昼間だと錯覚することが、中途覚醒の原因になっている場合もあります。

20代などの若い方でも、活動する時間帯が一定でなければ、中途覚醒になる可能性があります。

4:外的要因

騒音や窓から入るネオンなどの光によって目が覚めてしまうこともあります。換気扇やテレビの音、ドアの開閉音などの生活機器が発する程度の音量でも、半数の人は睡眠が阻害されるとも言われているので、睡眠時には、家の外からの騒音や光を遮断し、テレビやラジオを消しましょう。

また、暑すぎたり寒すぎたりする場合も睡眠の質を下げ、中途覚醒につながる可能性があります。

5:加齢

加齢によって深く眠る力が低下すると言われています。深い睡眠が減る代わりに浅い睡眠が増えることで、覚醒しやすくなり、中途覚醒が起こりやすくなります。このような睡眠の変化は、加齢によって起こる自然なことです。

また、頻尿も中途覚醒の原因のひとつとして挙げられます。高齢になると膀胱容量の低下や認知症、前立腺肥大等によって頻尿が起こりやすくなります。

中途覚醒の治し方

寝付きを良くし、朝までぐっすり眠るには、原因の明確化と自律神経のコントロールがポイントです。簡単にできる方法を9つご紹介します。

1:ストレスの原因と発散方法を考える

ストレスをコントロールするために、まずはストレスの原因を考えて受け入れ、こまめに発散・解消する方法を探しましょう。また、ポジティブな捉え方をする習慣づけもオススメです。凝り固まった思考でいること自体がストレスにつながる場合もあるので、柔軟な考え方を身につけましょう。

現代社会でストレスを感じるのは仕方のないことですが、その都度、自分で発散・解消することができれば、心だけでなく、体の緊張も和らぎ、睡眠の質が良くなります。

2:無理に寝ようとしない

眠気を感じないのに、無理に寝ようと横になっていると、不眠の悪化や熟睡感を感じにくくなってしまうのでオススメできません。前夜の睡眠不足により、日中の眠気が我慢できない時は、10~15分程度の仮眠をとりましょう。脳の疲労が改善され、作業効率を上げることに役立つと言われています。

また、適切な睡眠時間は人によって異なるので、無理に長く眠る必要はありません。

3:ストレッチなどの軽い運動をする

ゆっくり時間をかけて体を伸ばす静的ストレッチは、筋肉を緩めることでリラックス効果のある副交感神経を優位にしてくれるので寝つきが良くなります。運動不足によって体が疲れていない方にもオススメです。

4:朝日を浴びる

生活リズムが乱れている方は、起きたらまずカーテンを開け太陽の光を15秒ほど浴びましょう。

朝に強い光を浴びると体内時計がリセットされ、約14~16時間後に睡眠をつかさどるホルモンの「メラトニン」が分泌されるので、夜になると自然と眠くなるサイクルを身に付けることができます。これは、曇りや雨天の日でも効果があります。

5:ぬるめのお風呂に入る

眠る1~2時間程度前に、38℃程度のぬるめのお湯で25~30分ほど入浴すると、副交感神経が優位になってリラックス効果が高まるので、ストレスで睡眠が浅くなっている方にオススメです。

また、入浴によって一時的に上がった体温が下がるタイミングで眠気を誘発させることができます。腹部までつかる半身浴の場合は、40℃程度のお湯に30分ほど入浴すると同様の効果があります。ただし、入眠直前に42℃以上の熱いお風呂につかると、交感神経が働くので気をつけましょう。

6:深い呼吸を整えてみる

深い呼吸を繰り返すことで、副交感神経を優位に働かせることができます。また、呼吸を数えることに意識を向けることで、いつの間にか眠りにつけるかもしれません。

7:アロマオイルを使ってみる

毎晩の入眠時にアロマオイルを焚く習慣づけもオススメです。一般的には、リラックス効果のある、ラベンダーやカモミール、クラリセージなどが良いとされていますが、いろいろ試して、一番眠れると感じる自分に合った香りを見つけましょう。

8:音楽(BGM)を流す

入眠習慣に音楽を取り入れるのも良いと言われています。YouTubeや音楽系のサブスクリプションサービスで、“睡眠導入”や“眠くなる”などのワードで検索すると、沢山のBGMが見つかります。

ですが、音楽を流したままでは、逆に中途覚醒の原因となる可能性があるので、タイマーをセットして、睡眠中は無音となるようにしましょう。

9:パジャマや寝具にこだわる

スウェットやジャージなどの部屋着を着たまま眠っていると、スムーズな寝返りが打ちにくく、目覚めてしまう可能性があるので、肌ざわりがよく、吸水性や速乾性が高いコットンやシルクなどのパジャマを着用しましょう。疲労回復してくれるリカバリーウェアもオススメです。

また、枕やマットレスなどの寝具にもこだわる必要があります。自分の体型に合っていない寝具では、眠りの質が低下してしまい、朝までぐっすりと眠ることができません。

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ブレインスリープ ピロー

ブレインスリープの看板商品『ブレインスリープ ピロー』は、ベストセラー『スタンフォード式 最高の睡眠』の理論を基に、脳と睡眠研究によって開発されました。睡眠の質を左右する「黄金の90分」に注目し、脳を冷やすことで睡眠の質を高める枕です。さらに、特許を取得した3層構造になっており、1番上のふんわりとした層が、7日間かけて自分の頭の大きさや重さに合わせて変化するため、オーダーメイドのようなフィット感を感じることができると人気です。

特徴1:オーダーメイドのようなフィット感で、首や肩が痛くならない

特許を取得している独自の三層構造が特徴。1番上のふんわりとした層が、7日間かけて自分の頭の大きさや重さに合わせて変化するため、オーダーメイドのようなフィット感を感じることができます。
また、中心部分が1番柔らかく、左右にいくほど弾力が高まっている“7つのグラデーション構造”になっているため、仰向け・横向き・うつ伏せなど、どのような寝方にもフィットします。さらに横幅60cmと幅広設計なので寝返りしやすく、睡眠の質が高まります。

特徴2:脳を冷やして早く、深く眠れる

脳を冷やすと、眠り始めの90分の睡眠が深くなり、眠りの質が良くなります。この90分の質が悪いと、その後何時間寝ても睡眠の質が悪いとまで言われているほど。ポリエチレンを編み込んで作られる『ブレインスリープ ピロー』は、枕に使用されることの多いウレタンやフェザーなどの他素材と比べて、長時間眠っていても高い放熱量を維持することができるので、頭部の温度を低く保つことが可能。熱や湿気が睡眠を邪魔することなく、快適に睡眠できます。

特徴3:自宅で丸洗いできるからいつでも清潔

ポリエチレンを編み込んでできているため、汚れが素材にしみ込んで取れないということも起こりにくく、シャワーで簡単に汚れを落とすことができます。3か月に1回程度のお手入れがおすすめですが、自宅で手洗いできるので、汚れや臭いが気になった時に丸洗いし、いつでも清潔な状態をキープ。また、枕カバーは洗濯機で洗うことができます。

さらにダニやカビが発生しにくい素材なので、ハウスダストやアレルギーをお持ちの方や、お子様と一緒に寝ている方が安心して使用できるのも嬉しいポイントです。


ブレインスリープ マットレス フロート

『ブレインスリープ マットレス フロート』は、特許申請中の最新技術“フロートテクノロジー”で、血流や体温を調整する、医療発想のメディカルマットレスです。

特徴1:“5つのグラデーション構造”で寝返りしやすい

医療や介護の現場で用いられる弾力性に優れたチューブ状の繊維が様々な方向に三次元に絡み合っているため、あらゆる方向から体を支え、体圧が均一に分散。中心部分が1番柔らかく、左右にいくほど弾力が高まっている“5つのグラデーション構造”で、適度な反発性と沈み込みすぎない弾力感があり、寝返りしやすいのが特徴です。

特徴2:肩、腰、脚部分のこだわり設計で、究極のリラックス姿勢

人が無重力空間で自然にとる中立姿勢から発想された、“呼吸をサポートしてくれる肩の部分”、“3層の高い弾圧素材で支えるようにフィットする腰元”、“腰元よりも4cm高く設計されている脚の部分”の3点で支えてくれるので、横になるだけで無意識に究極のリラックス姿勢をとることができます。
この姿勢は、日中溜まっていた血液や老廃物が循環しやすくなり、疲労やむくみなどの軽減効果も高まると考えられています。全身の緊張を和らげてストレス軽減につながると同時に、呼吸が深くなり酸素を多く取り込むことで、朝スッキリとした目覚めに。
また、90%以上が空気層でできているので、睡眠時に発生する熱や湿気がこもらず、快適な睡眠環境を作ります。

特徴3:マットレス本体をシャワーで丸洗いできる

枕と同様に、シャワーで簡単に洗うことができます。汗や皮脂を吸収しやすいマットレスを定期的に丸洗いすることで、ダニやカビの発生を抑制。

また、ブレインスリープの調査によると、低反発素材やコイル内蔵のマットレスに比べて、ポリエチレン素材の『ブレインスリープ マットレス』の方が、通気性、体圧分散性、寝返り、清潔さ、持ち運び、耐久性に優れることがわかりました。さらにウレタン素材や羽毛敷布団に比べ、体の沈み込み量が低いこともわかっています。そのため、体への負担が少なく、心地よい睡眠を実感できます。


ブレインスリープ コンフォーター オールシーズンズ

『ブレインスリープ コンフォーター オールシーズンズ』は、宇宙服のために開発された革新的な調温技術を採用。独自のマイクロカプセルが温度変化に応じて個体と液体に変化し、吸熱、蓄熱、放熱を繰り返します。

特徴1:暑い時は涼しく、寒い時は暖かい

暑い時は余分な熱を吸収し、寒い時は貯蓄した熱を放出するので、寝床内の快適温度(33℃±1℃)をキープ。さらに、接触冷感と暖かい起毛素材のリバーシブル構造なので、夏は涼しく、冬はインナーケットとして、一年を通して使用することができます。

特徴2:リバーシブル構造で365日手放せない

暖かい季節は季節に合わせて生地の表裏を使い分け。 暖かい季節はさらっとした接触冷感生地を肌側に、寒い季節は柔らかくてなめらかなピーチスキン生地でやさしく包み込みます。

特徴3:イージーウォッシュで毎日清潔に

家庭用洗濯機で丸洗いができるので、いつでも気軽に洗えて清潔です。

睡眠の量ではなく質にこだわる

一般的に、必要な睡眠時間は7時間程度と言われています。ですが年齢や体質、体調、日中の活動量などによって、体が回復するために必要な睡眠時間は異なるため、日中に眠くならず、快適に活動できるようであれば、睡眠時間にこだわる必要はありません。

最近では、睡眠時間よりも睡眠の質に注目が集まっています。睡眠の質が高ければ、少ない睡眠時間内でも効率的に体や脳を休めることができ、翌朝、頭がクリアな状態を維持することができるので、集中力アップ、イライラしない安定したメンタルなど、仕事のパフォーマンスにもつながります。

睡眠の質を高めるために、中途覚醒を治す方法を試すほか、睡眠環境や寝具にこだわることが大切です。人生の3分の1を占めると言われる睡眠時間を、より快適な時間にするためにも、枕やマットレスなどを見直してみてはいかがでしょうか。

 

<Writer>

ブレインスリープ編集部