二度寝は体に良くない?
とても身近な二度寝ですが、頻繁に二度寝を繰り返していると、寝付きや寝起きが悪くなったり、体内時計が狂い、その影響で自律神経のバランスが乱れる可能性があります。 自律神経には、昼間や活動している時に活発となる「交感神経」と、夜間やリラックス中に活発となる「副交感神経」の2種類があり、この2種類の神経のバランスにより、心身の調子が変化します。自律神経が乱れると、不眠や睡眠の質の低下だけでなく、不安や緊張感、だるさ、頭痛、肩こりなど、心にも体にも様々な症状が現れます。良い二度寝もある?
一般的に、二度寝は体に良くないとされていますが、短時間で一度だけであれば、二度寝は良いともいわれています。 目覚まし時計で起きたものの、休日だからと目覚ましを止めて二度寝をすると、とても幸せな気持ちになりますが、この時、体内ではストレス耐性を担うホルモンの「コルチゾール」が多く分泌されます。コルチゾールは目覚める1~2時間前から急激に分泌が盛んになるので、二度寝をすることでコルチゾールが長時間分泌することになります。
また、二度寝をしている間に、心地よい音を聞いたときに多く分泌される「エンドルフィン」も分泌されると言われています。エンドルフィンは、緊張を和らげたり、ストレスを軽減する効果があるとされています。 ただし、二度寝を10分以上すると、二度寝とは呼べないほど深い眠りに入ってしまうため、「5分間を一度だけ」にしましょう。
二度寝の原因
朝スッキリと起きられずに、二度寝してしまう代表的な原因をご紹介します。1:睡眠不足
前日に仕事が忙しかったり、飲み会があった、コーヒーの飲み過ぎで眠気がこなかったなど、眠るのが遅くて睡眠不足だったために二度寝をするような、一時的なものであれば心配ありません。 人によって適切な睡眠時間が異なるため一概には言えませんが、十分な睡眠時間を確保しているのにも関わらず、朝起きても眠気がとれなくて二度寝してしまう場合は、睡眠の質が悪いせいで疲れがとれていない可能性があるので、一度、しっかりと睡眠できているのかを可視化するのがオススメです。2:肉体的・精神的ストレス
長時間労働などで体が疲労していたり、過度な緊張やストレスにさらされると、自律神経が乱れる可能性があります。 自律神経である交感神経と副交感神経は、お互いに切り替わりながらバランスを保っていますが、自律神経が乱れると、夜になっても交感神経が優位に働いてしまうため、寝付きが悪くなったり、睡眠の質が悪くなります。3:睡眠環境
十分な睡眠時間を確保していても、睡眠環境が良くないせいで睡眠の質が下がり、睡眠不足の状態となっている場合があります。 睡眠環境とは、寝室の温度や湿度、明るさ、騒音などのほかに、自分に合った寝具かどうかなどの総合的なもので、睡眠の質に大きく関わります。これらの睡眠環境が整っていないと、寝付きが悪かったり、眠りが浅くなります。
夏は室温25〜27℃前後が良いとされ、28℃を超えると睡眠の質が低下します。一方、冬は15〜18℃前後が安定した睡眠を得られると言われており、湿度は一年を通して50%前後が理想的です。
また、明るい部屋や音のうるさい寝室では、途中で目が覚めてしまったり、深い眠りを得ることができないので気をつけましょう。 もうひとつ大切なのが、寝具です。自分に合っていない寝具では、睡眠の質を高めることができません。
二度寝のデメリット
基本的に、二度寝はあまり良くないとお伝えしましたが、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。1:体内時計や生活リズムの乱れ
人の体には、昼は活動的に、夜は休息状態に切り替わるという、1日周期の体内時計が備わっています。ですが体内時計は約24.2時間の周期となり、毎日すこしづづずれてしまうため、体内時計をリセットする必要があります。 体内時計は、朝に強い光を浴びることでリセットされるので、起きたらまずカーテンを開け、太陽の光を15秒ほど浴びましょう。
太陽光の照度はとても高いので、曇りや雨天の日でも効果があります。 強い光を浴びてから約14~16時間後に睡眠をつかさどる睡眠ホルモンの“メラトニン”が分泌されると言われているので、朝に体内時計をリセットしておくことで、夜になると自然と眠くなり、規則正しい睡眠リズムを身に付けることができます。
反対に、そのリズムが乱れると体内時計も乱れるので、起床時間にスッキリ起きることができず、二度寝をしてしまいます。また、二度寝自体も体内時計を乱すきっかけとなるので、負のスパイラルに陥らないためにも、しっかりと体内時計をリセットさせましょう。
2:美容やダイエットへの悪影響
実は、二度寝をすることで美容やダイエットにも悪影響が及びます。 良質な睡眠がとれず、朝に体内時計をうまくリセットできないと、成長ホルモンの分泌量が落ちるため、代謝の悪化に繋がります。その結果、肌の再生活動を妨げる要因となるので、肌のツヤが悪くなってしまう可能性があります。 さらに、成長ホルモンには脂肪を燃やす働きもあるので、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌量が落ちることで、脂肪の燃焼効率まで悪化することもあります。二度寝の対策
様々なデメリットのある二度寝を予防するためにできる対策を3つご紹介します。1:十分に睡眠時間を確保する
二度寝を繰り返してしまう場合、最初に疑うのが睡眠不足です。 睡眠は時間だけでなく質も重要な要素ではありますが、まずは十分な睡眠時間を確保しましょう。とは言っても、睡眠時間を確保するのが難しいケースもあると思うので、その場合は、効率よく疲労回復できるように、睡眠の質を高めることを意識しましょう。2:体内時計や生活リズムを整える
体内時計や生活リズムの乱れから、二度寝に繋がっているケースもあるので、まずは生活リズムを見直しましょう。 正しい生活リズムを作るために、毎朝、同じ時間に起きてカーテンを開け、太陽の光を浴びましょう。そして朝ごはんを食べることで体温が上がります。
日中は、体を動かしたり、しっかり活動することで心地よく疲れることができるので、夜の睡眠の質が高まります。 毎日、同じ時間に布団に入るように心がけ、睡眠前はスマートフォンやパソコンの画面から出るブルーライトを浴びないようにすることも大切です。